26 / 92
第二章 みんなとのアレな日々
番外編 クロとシロが出会った日の事
しおりを挟む
「…御名よ。新たな任務が入った。今回は相当に難しいと思う。心してかかれ」
「…畏まりました」
「相手は某国の最強の生体兵器。通称《白紙の彼》だ」
「…ああ、聞いた事があります」
「ああ、文字通り白紙の所から最強の兵器に仕立て上げられた、気の毒な子だ」
「…ええ、彼もまた、戦争の犠牲者ですね」
「…気は進まないだろうが、お国のためだ。どうか耐えてくれ」
「ええ、分かっています。僕達皆、そうするしかありませんから」
「…さあ、皆行こう。どうか、誰一人欠けないようにしようね」
そうして、千里が予測したその地に、彼と数名の補給部隊はやって来た。
「…貴方たちですね」
「ああ、そうだよ。君が白紙の彼だね」
「…ええ。申し訳ありませんが、死んでもらいます」
そう言うなり、彼は全身に携えた兵器を構え、恐ろしい勢いで飛びかかって来た。
その場に居た全員で激しく飛び交わし、後方に待機していた千里の予知を幾度も聞き、危ういところで致命傷を回避し続け、相当な時間の後とうとう決着は付いた。
「…僕は、殺されるのですね」
「…出来る限り、そうはしたくないけどね」
彼は気の毒だが強力な薬を嗅がせ眠ってもらい、本部に運び込まれた。
「あー、もう全身ズダボロ。可愛いセーラー服もお見せ出来ない有様だし最悪ー」
「…まあ、これだけ強い子だったからね、仕方ないよ」
「…クソ嫌いなお前に慰められたく無いんだけど」
「…ごめんね、まあ仕事だから」
「あーはいはい、クソビジネスライクな関係だもんね僕たち」
「他の皆も相当消耗してるけど、取り返しのつかない傷は負っていなくて良かったよ」
「この子も、僕達ほどクソでは無いにせよ可哀想だよね」
「ああ、そうだね。…本当に、最悪の処分は避けて欲しいんだけれど」
「この子、僕に襲い掛かるときすごく悲しそうだったし、たぶん良い子だよね」
「…うん、きっとそうだね」
「だからさー。まあクソな上層部もクソなりに分かってくれるだろうし、仲間にして欲しいんだけどなー」
「ああ、僕からも進言しておくよ」
その日帰還後早速、彼はその有用さを見込まれ、厳重に再洗脳を施され味方になる事が決定した。
「…シロ、彼の処置が終わったよ。まもなく目覚める」
「ふーん、クソ研究員どーも。じゃあ僕行ってくるよ」
「…ん」
「あー、クロおはよ。良く寝てたね」
「…うん。…ごめん、変な事聞くけど、シロだよね」
「うん、そうだよ?お前の十年来の相方のシロ」
「…うん、だよね。ごめんね」
「お前ほんと寝ぼけてるんじゃないの?大丈夫?」
「…うん、なんか、すごく悲しくて嫌な夢見てた」
「まあ僕達全員相当クソな人生送ってる訳だし、そりゃたまには見るよね。まあほら、どうせ夢だし良いじゃん」
「…そうだね、シロ」
「ほら、もう夕飯だし行こ。今日はお仕事頑張ったからすごい御馳走だよ」
「そっか、楽しみ」
「…畏まりました」
「相手は某国の最強の生体兵器。通称《白紙の彼》だ」
「…ああ、聞いた事があります」
「ああ、文字通り白紙の所から最強の兵器に仕立て上げられた、気の毒な子だ」
「…ええ、彼もまた、戦争の犠牲者ですね」
「…気は進まないだろうが、お国のためだ。どうか耐えてくれ」
「ええ、分かっています。僕達皆、そうするしかありませんから」
「…さあ、皆行こう。どうか、誰一人欠けないようにしようね」
そうして、千里が予測したその地に、彼と数名の補給部隊はやって来た。
「…貴方たちですね」
「ああ、そうだよ。君が白紙の彼だね」
「…ええ。申し訳ありませんが、死んでもらいます」
そう言うなり、彼は全身に携えた兵器を構え、恐ろしい勢いで飛びかかって来た。
その場に居た全員で激しく飛び交わし、後方に待機していた千里の予知を幾度も聞き、危ういところで致命傷を回避し続け、相当な時間の後とうとう決着は付いた。
「…僕は、殺されるのですね」
「…出来る限り、そうはしたくないけどね」
彼は気の毒だが強力な薬を嗅がせ眠ってもらい、本部に運び込まれた。
「あー、もう全身ズダボロ。可愛いセーラー服もお見せ出来ない有様だし最悪ー」
「…まあ、これだけ強い子だったからね、仕方ないよ」
「…クソ嫌いなお前に慰められたく無いんだけど」
「…ごめんね、まあ仕事だから」
「あーはいはい、クソビジネスライクな関係だもんね僕たち」
「他の皆も相当消耗してるけど、取り返しのつかない傷は負っていなくて良かったよ」
「この子も、僕達ほどクソでは無いにせよ可哀想だよね」
「ああ、そうだね。…本当に、最悪の処分は避けて欲しいんだけれど」
「この子、僕に襲い掛かるときすごく悲しそうだったし、たぶん良い子だよね」
「…うん、きっとそうだね」
「だからさー。まあクソな上層部もクソなりに分かってくれるだろうし、仲間にして欲しいんだけどなー」
「ああ、僕からも進言しておくよ」
その日帰還後早速、彼はその有用さを見込まれ、厳重に再洗脳を施され味方になる事が決定した。
「…シロ、彼の処置が終わったよ。まもなく目覚める」
「ふーん、クソ研究員どーも。じゃあ僕行ってくるよ」
「…ん」
「あー、クロおはよ。良く寝てたね」
「…うん。…ごめん、変な事聞くけど、シロだよね」
「うん、そうだよ?お前の十年来の相方のシロ」
「…うん、だよね。ごめんね」
「お前ほんと寝ぼけてるんじゃないの?大丈夫?」
「…うん、なんか、すごく悲しくて嫌な夢見てた」
「まあ僕達全員相当クソな人生送ってる訳だし、そりゃたまには見るよね。まあほら、どうせ夢だし良いじゃん」
「…そうだね、シロ」
「ほら、もう夕飯だし行こ。今日はお仕事頑張ったからすごい御馳走だよ」
「そっか、楽しみ」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
学校の脇の図書館
理科準備室
BL
図書係で本の好きな男の子の「ぼく」が授業中、学級文庫の本を貸し出している最中にうんこがしたくなります。でも学校でうんこするとからかわれるのが怖くて必死に我慢します。それで何とか終わりの会までは我慢できましたが、もう家までは我慢できそうもありません。そこで思いついたのは学校脇にある市立図書館でうんこすることでした。でも、学校と違って市立図書館には中高生のおにいさん・おねえさんやおじいさんなどいろいろな人が・・・・。「けしごむ」さんからいただいたイラスト入り。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる