イノセントブルー's 〜火花舞うあの空は輝いていて、いつかきっと泣いてしまう〜

夏の高い空には、1羽の鳥が飛んでいる。
季節は幾度となく巡り、時の流れに揉まれ、そうやって今を生きている。
古き良き校舎には、持って帰ってもらうのを忘れられた1輪の向日葵が咲いている。
人々の想いを乗せた風は吹き、太陽に照らされた波に飲まれ、そうやって今を生きている。
賑やかな街並みには、1つの音が刻まれる。
鳥の声も、花の声も、風の声も、みんな街に伝わる舞踊に込められ、そうやって今を生きている。

ふと空を見上げる。
夏の高い空には、2羽の鳥が飛んでいる。
そうだった。
桜も向日葵も金木犀も山茶花でもなかった。

彼女らには夜に咲くあの花がよく似合うーーーー

第1章 パンドラの箱に囚われた彼女

第2章 アリアドネの糸は2人だけ

第3章 シュレディンガーの猫はきっと鳴いている

第4章 ラプラスの悪魔はすでに死んでいる

最終章 レクイエムは火花と謳う

エピローグ 前世

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