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脱ぎたてのパンツをかけた戦い

脱ぎたてのパンツ⑤

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「今度はなに?」
「いや、その……だって宮田下くん言ったよね?」

 吉良坂さんは扉の前に移動して立ちはだかった。

「私が穿いてたものかわからないから、見たわけじゃないから興奮しないって」
「あ、ああ」

 たしかに言った。

 ってか暴走して俺そんな変なこと言ってたのか死にたい。

「でしょ。だ、だから…………いまから私がから」
「え?」

 は? どういう展開? これどういう展開?

「その、これなら興奮するかなって。そのときの宮田下くんの反応とか、み、見たいから」
「え――」
「ちなみに拒否権はない」

 それを言われたらもう従うしかないじゃないですか!

「じ、じゃあ、いまから脱ぐから、ち、ちゃんと見ててね」

 だからなにこの展開?

 女子がパンツを脱ぐ姿を見てるって、これ後で訴えられたりしませんよね?

「いくよ」

 顔を真っ赤にした吉良坂さんが、少しだけ前かがみになってプリーツミニスカートの裾から両手を突っ込む。

 当然、スカートの裾が腕と一緒にめくれ上がって、先ほどと同じように純白のパンツがあらわになった。

 右手には水色の下着を持ったままなので、その純白と水色のコントラストはまるで澄んだ青空を思わせる。

「じゃあ……ゆっくり脱いでいく、ね」

 吉良坂さんが両の手の親指をパンツの横に引っ掛ける。ってか太ももも綺麗すぎないか? 程よい肉感がエロすぎる。

「ちゃんと、見てて、ね」

 徐々にその親指が下がっていく。

 純白の布地に覆われていた下腹部が徐々にあらわになっていくにつれて、俺はどんどん息苦しくなっていく。

 呼吸を忘れてしまうほど、俺は女の子が恥ずかしがりながらパンツを脱ぐという光景を全力で見つめているのだ。

「意外と、恥ずかしい、ね。これ」

 純白のパンツは、ゆっくりだが確実に下がっていく。手の位置が下がることで、スカートも一緒に下がっていく。パンツとスカートの妖艶な追いかけっこ。追いかけてほしくないような気もするし、追いかけてほしい気もする。小刻みに左右に揺れている膝小僧までエロく感じてきた。

「あっ……あと、ちょっと」

 純白のパンツが、くるくると丸まりながら、ついに太ももに到着した。目を凝らしていたのだが、スカートの追いかける速度が思ったより早く、残念ながら吉良坂さんのパンツの中に隠れていた秘密の花園までは見ることができなかった。

 ……いや、むしろ見えなくてよかった気もする。

 見えてしまえば可能性はひとつだが、見えなければそこには無限の可能性が広がり好き勝手想像できるなにを言っているんだ俺は?

「もう、少しだから。さ、最後までちゃんと見てて」

 くるくると丸まったパンツが膝の少し下まで到達する。

 すると吉良坂さんは、スカートの中が見えないように最大限の注意を払いながらゆっくりと右足を上げ、パンツから足を引き抜いた。左足も同じように上げたところで、バランスを崩して片足立ちのまま三歩飛び跳ねるようにして移動する。わずかに上下したスカートの裾は、なんとか吉良坂さんの秘部を守った。

 そして、左足もパンツから引き抜いた吉良坂さんが、むぎゅっと握りしめた純白のパンツを俺の前に差し出す。

 水色のパンツは、いつの間にか床の上に落ちていた。

「ち、ちゃんと見てた、でしょ? これは私の、正真正銘、脱ぎたてのパンツです」

 言われなくてもわかっている。ちゃんとこの目で見てたんだから。

「早く持って。か、感想は? 興奮、した?」

 胸に押し当てられてしまったので、俺は仕方なくそれを受け取る。ほんのりと温かいと感じた。

「そ、そ、ままま、まあなんていうか、白ってのはその、子供っぽいかな」

 感想を求められた俺は、恥ずかしさからまた強がってしまった。

「え、こ、子供?」
「ああ。白って子供が穿くイメージがあってエロくないから、興奮はしなかったかな」
「そっ……か」

 吉良坂さんは、落胆したように視線を落とす。

「わかった。じ、じゃあ、今日はありがと」

 吉良坂さんはそのままとぼとぼと部屋から出て行ってしまった。理科準備室の扉が閉まると、すぐに廊下をかけていく音がする。女子高生に子供っぽいなんて言ったのは流石にまずかったか。

 って、このパンツはどうしたら?

「うわぁっ!」

 不意に冷静になって、握っていたパンツを手から離す。床の上に、さっきまで吉良坂さんが穿いていた白のパンツと、今朝吉良坂さんが穿いていた水色のパンツが並んだ。

 やっぱこのパンツたちは返した方がいいよね?

 ってか追いかけた方がいい?

 だって吉良坂さんは本当にノーパンで校舎を走ってるってことだもんね。それはとにかくまずいよ!

 俺は二つのパンツを拾い上げ、ドアを開けて吉良坂さんを追いかけようとドアを開ける。

「あっ」

 目の前に無表情の梨本さんが立っていた。
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