308 / 360
第6章 6 絶世の美女と真実の愛
もしかして、下ネタ?
しおりを挟む
「みなさーん。準備が整いましたので、整列をお願いします」
舞台上のスタンドマイクを通して、大会関係者の女性――俺に別個で声をかけてきたボブヘアーの女の子の声が拡散される。
参加者たちがぞろぞろと舞台の前に密集していった。
それを確認した女性は、ごほんと咳払いをした後。
「それではこれより、『勝者はハーレム確定? 美女にあーんなことやこーんなこと、なんでも好きなことができる? ドキドキ、真夏のラッキーボーイ決定戦!』の表彰式、ならびに賞品授与式を行います」
どうやら彼女が司会を務めるようだ。
そういや、そんな長ったらしい大会名だったな。
すっかり忘れていた。
「はじめに、見事この大会の制覇しました石川様への」
「誰が石川様だ! 引きこもり様と……って、なんで今回は言い間違えないんだよ!」
こういう時のお約束だろうが!
そして、俺がツッコんだせいでなんか変な空気になっちゃったじゃないか!
「えー、すみません。石川様は優勝したことでテンションが上がってしまっていたようです。もう一度言いますが、そうやって唾を飛ばしながらオリョウ様にツッコむことは失礼に値します。気をつけてください」
不服そうな顔をした司会者にぴしゃりとたしなめられたけど、彼女の言ったツッコむってさ、ボケに対してツッコむのツッコむだよね。
こんなところで急に下ネタなんてぶっこんでくるはずないもんね。
「では、改めまして、見事この大会を制覇した石川様に、優勝賞品の授与を行いたいと思います。石川様は壇上へどうぞ」
司会の女性に促され、俺は壇上に向かう。
参加者たちの拍手する姿、口笛なんかも聞こえてきて、ちょっとテンションが上がった。
「では、石川様はこちらでお待ちください」
指示された場所に立つ。
ふと床を見ると、右隣の床には複雑な魔方陣が描かれていた。
「まずは、優勝トロフィーの授与からです。授与するのはもちろんこの方!」
司会の女性がそう宣言した瞬間、会場から雷鳴のような拍手が鳴り響く。
指笛、口笛が、暴風雨のように乱舞している。
……あ、あれぇ。
なんでこの大会の優勝者が登壇する時よりもテンション上がってるの?
そりゃあオリョウは絶世の美女なんだろうけど、なんかちょっと悲しいなぁ。
自分の性欲に正直な愚かな男どもを見ていたら、なんかムカついてきたなぁ。
へへん、別にいいもんね。
俺はお前らとは違って、絶世の美女であるオリョウを至近距離で凝視できるもんねー!
遠くからじゃ絶対に見つけられないような位置にあるほくろとか、透けている血管とか見つけてやるもんねー!
舞台上のスタンドマイクを通して、大会関係者の女性――俺に別個で声をかけてきたボブヘアーの女の子の声が拡散される。
参加者たちがぞろぞろと舞台の前に密集していった。
それを確認した女性は、ごほんと咳払いをした後。
「それではこれより、『勝者はハーレム確定? 美女にあーんなことやこーんなこと、なんでも好きなことができる? ドキドキ、真夏のラッキーボーイ決定戦!』の表彰式、ならびに賞品授与式を行います」
どうやら彼女が司会を務めるようだ。
そういや、そんな長ったらしい大会名だったな。
すっかり忘れていた。
「はじめに、見事この大会の制覇しました石川様への」
「誰が石川様だ! 引きこもり様と……って、なんで今回は言い間違えないんだよ!」
こういう時のお約束だろうが!
そして、俺がツッコんだせいでなんか変な空気になっちゃったじゃないか!
「えー、すみません。石川様は優勝したことでテンションが上がってしまっていたようです。もう一度言いますが、そうやって唾を飛ばしながらオリョウ様にツッコむことは失礼に値します。気をつけてください」
不服そうな顔をした司会者にぴしゃりとたしなめられたけど、彼女の言ったツッコむってさ、ボケに対してツッコむのツッコむだよね。
こんなところで急に下ネタなんてぶっこんでくるはずないもんね。
「では、改めまして、見事この大会を制覇した石川様に、優勝賞品の授与を行いたいと思います。石川様は壇上へどうぞ」
司会の女性に促され、俺は壇上に向かう。
参加者たちの拍手する姿、口笛なんかも聞こえてきて、ちょっとテンションが上がった。
「では、石川様はこちらでお待ちください」
指示された場所に立つ。
ふと床を見ると、右隣の床には複雑な魔方陣が描かれていた。
「まずは、優勝トロフィーの授与からです。授与するのはもちろんこの方!」
司会の女性がそう宣言した瞬間、会場から雷鳴のような拍手が鳴り響く。
指笛、口笛が、暴風雨のように乱舞している。
……あ、あれぇ。
なんでこの大会の優勝者が登壇する時よりもテンション上がってるの?
そりゃあオリョウは絶世の美女なんだろうけど、なんかちょっと悲しいなぁ。
自分の性欲に正直な愚かな男どもを見ていたら、なんかムカついてきたなぁ。
へへん、別にいいもんね。
俺はお前らとは違って、絶世の美女であるオリョウを至近距離で凝視できるもんねー!
遠くからじゃ絶対に見つけられないような位置にあるほくろとか、透けている血管とか見つけてやるもんねー!
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。
みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ!
そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。
「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」
そう言って俺は彼女達と別れた。
しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました
竹桜
ファンタジー
自動運転の試験車両に轢かれて、死んでしまった主人公は異世界のランガン伯爵家の次男に転生した。
転生後の生活は順調そのものだった。
だが、プライドだけ高い兄が愚かな行為をしてしまった。
その結果、主人公の両親は当主の座を追われ、主人公が10歳で当主になってしまった。
これは10歳で当主になってしまった者の物語だ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる