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第1章 6 レッサーデーモンとの戦いは欧米文化との戦い

なんか嫌な響き

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 翌日。

 ミライだけに買い物を任せていたら借金が増えつづけるだけだと思った俺は、一緒に買い物にいくことにした。

「ミライ、今日からは俺と一緒に買い物にいくぞ」

「そ、それはもしかして昨日のことで考えを改めて、私とデー」

「お前に任せると借金しか増えないから。監視だよ」

 あからさまに残念そうな顔をするミライ。

 こいつ、またストレス発散とか言って大量買いする予定だったんだな。

「わかりました。まぁ、どうしようもない極度の引きこもりの誠道さんが、自分から外に出ようとしているのですから、一応喜んでおきます。わーウレシイナー」

「全然喜んでないだろ」

「喜んでいます。どうしようもない極度のアホの引きこもりの誠道さんが」

「俺をバカにする言葉が増えてる気がするんですけど」

 そんなこんなで、俺は機嫌の悪いミライと一緒に街を歩いていた。

 こうして街をゆっくり歩くのなんていつぶりだろう。

「誠道さん。今日はなにが食べたいですか?」

 いつ機嫌が直ったのかはわからないが、ミライが満面の笑みで聞いてくる。

「そうだなぁ。じゃあとろとろ卵のオムライスで。あ、でもあれ、グリーンピースによく似たブラックキキョウの実は入れないでもらえると助かる」

 俺はグリーンピースが大の苦手だ。

 だから当然、食感が同じブラックキキョウも苦手なのである。

 そもそもブラックキキョウっていう名前がなんか嫌だし。

 なぜかはわからないけど、ものすごい嫌悪感を抱いてしまう。

「わかりました。ブラックキキョウたっぷりのオムライスですね」

「あれ、俺たち同じ言語しゃべってるよね?」

「同じ言語をしゃべっていても、意思疎通が完璧にできるとは限らないですけどね」

 昨日と同じように、プイッとそっぽを向くミライ。

 機嫌を直してくれたと思ったのは、どうやら勘違いだったようだ。

「なぁ、いいかげん機嫌直してくれよ」

 俺は正直に気持ちを伝えることにする。

「ミライがせっかく作ってくれる手料理を残したくないんだ。ミライの作ってくれる料理はすごくおいしくて大好きなんだけど、ブラックキキョウだけはどうしても無理でさ」

「……はぁ。わかりました」

 それが功を奏したのかはわからないが、ミライはようやく納得してくれた。

「まったくもう。その歳にもなって好き嫌いなんて……仕方ないですね。ホワイトキキョウの実にしてあげます」

「ありがとう。そっちは大好きなんだ。ミライの料理の腕前と合わさるんだから、今日の夜が待ち遠しいよ」

 ホワイトキキョウ。

 ブラックキキョウと違って、名前がまず素晴らしい。

 心癒されるというか、なぜだがわからないけど無条件に安心する。

「お褒めいただきありがとうございます。……あっ、そういえば」

「ん? どうした?」

「ホワイトキキョウで思い出したのですが、私、この後ホワイトキキョウ栽培ファームのバイトの面接予定を入れているんでした」

「え? ミライがバイトするの?」

「誠道さんがバイトをするんですよ」

「は?」

 なにそれ、初耳なんですけど。
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