魔法少女のなんでも屋

モブ乙

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ナニカ

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人工呼吸器をつけ、苦しそうに顔を歪める少女。
それを窓から眺めるのは、一羽の烏。
「死神たちがそろそろ向かうね、全て滞りなく。」
銀髪の少年は、淡々と言った。
「八咫烏様…」
「いいよ、こういうこともある、祈りを捧げた者たちの願いを全て叶えるなど無理な話だ。」
幼き者に訪れる残酷な運命、しかし神々は運命がねじ曲がることを許さない。
「これもまた運命、世の理だ。」
「カァ!カァ!」
曇天の中で、烏が鳴く。
「何だ、どうした!?」
「あれは…」
幾千年を生きる神にも、それは見紛う事なき,,異変,,であった。
「そこを離れろ!」
磨りガラスのように不透明な、銀色のナニカ。
いや、色は周囲に溶け込むように変化し、脈打つように動いている。
「東京で、国の政を司る都で…」
アレが何かは定かでないが、もし何者かの悪意ある行いであった時、無辜の民達の身に何が起こるか。
「マズいぞ…他の場所は?」
普く国土を見渡す彼の眼であるカラス達、京や大阪には何も来ていないようだ。
「一人の女の子が、運命を全うしようという時に!」
少女の体から、ふっと魂が抜けた。
「クソ!どこへ行った!?」
あの妙なモノは消えていて、空は晴れていた。
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