魔法少女のなんでも屋

モブ乙

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海を治める者

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目の前には、巨大なオーク。
「ブヒヒ!うまそうな人魚だ!」
「私は人間だっての!足生えてるでしょ?」
睨みつけ、挑発する。
「ブヒィ!」
向かってきた、泡を飛ばす。
「ブヒヒヒ!」
斧を乱暴に振り回し、泡を破裂させる。
脳天をかち割られる直前、後ろに飛び退く。
「んあ?」
「ばーか。」
泳ぎ出す、オークが追ってくる。
だが、無駄だ、海で人魚の泳ぎについて来れる者などいない。
私の肌は人魚の肌、海水を掴み自在に操る、海を治める種族の血。
「ぷかぷか浮いてるだけのあんたに負けるわけないでしょ?」
「ブオオ!」
斧を持ってぐるぐる回り始めた、まさか…
「渦潮だクソダラァ!」
「ええ!?」
風圧は海流となり、増長しながら迫ってくる。
「ぐっ!」
海流に飲まれた。
「ブハハ!ガキが俺様に勝てると思うか?」
勝てるかだって?勝てるに決まってるよ、魔法がなきゃ息もできないくせに。
海の中で呼吸ができるのは、海賊団で私とマリンだけ、三歳で深海まで潜った。
「ああ、早いなあもう!」
早く抜けたいのに、あのバカイノシシが斧を振り回してるせいでどんどん早くなる。
「うう!」
押される、流される、我慢だ、集中して、つかめ。
「はああ!」
「死ねえ!小魚!」
「ようやく、近くに来てくれたね。」
痺れを切らして襲ってきたオークの鼻に海流を当てる。
「グア!」
「舐めんな、バカイノシシ!」
「ブオオオ!コンノヤロウガ!」
牙を折られてご立腹なようだ。
「来なさい、三下海賊。」

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