魔法少女のなんでも屋

人魚

人魚のお姉さんがお酒を振る舞っている、みんな露出度が高い。
「ここが、普通のご飯屋さん…」
海賊と取引をする国の性質上、アトランティスは飲食店でも店員の露出度が高いのだ。
「乙姫様は興行大好きだし、ここって派手なんだよねえ。」
この国は酒と潮の匂いでいっぱいだ。
「みんな、そろそろお宝乙姫様のところに…」
「ああ、飲んだ飲んだ、この国は天国だ！」
「海底だよ！」
馬鹿騒ぎするクルーたちにツッコミを入れる。
乙姫様は現金な人だ、お金を渡せば無法者であってももてなす。
「宝箱持って！行くよ！」
「へい！」
カウンターに適当な宝石の山を置く、勘定はしていないが足りるだろう。
通りば馬鹿騒ぎする声に満ちている、海賊たちがお金を落とし、潤う町。
それがここだ。
「ヒャーハッハ！綺麗な人魚ちゃんだなあ！」
「ありがとうございます。」
ああして隣で飲むことも、お金を払えばできてしまう。
「ん？人魚のガキか？」
「私足あるよ？」
目に傷のある男を睨む。
「いや、綺麗な目だなあ、宝石みてえな、人魚の目だ。」
美形の多い人魚族は人間の男に好かれる、だからこそここはそういう商売で成り立っている。
だが、たとえそういう町であっても、否、だからこそ。
「女子供といえど海賊、手を出すなら痛い目見てもらうからね。」
「ああ？」
「船長に手ェ出すなら、指落とされても文句言えねえよな？」
リグルドが斧を首に当てる。
「ひっ！」
「指じゃなくて首じゃねえかってか？細えこと言うなよ、学がねえもん同士だろ？」
「舐めんな！」
男がナイフを投げる。
「そんなので効くわけないじゃん。」
宙に浮き、そのまま泳ぎ出す。
「ばーか。」
男の顔に触れ、吹き飛ばした。
「海水を操る人魚の鱗、おじさん知らないの？」