魔法少女のなんでも屋

ぬらり

「なぁ、お前は幸運なヤツだよ、俺のペットになれたんだからよ。」
男は残酷に笑った。
その少女は獣人族であった、人間からは奴隷扱いを受ける種族。
だが、少女は少し違った、人間の皇帝に気に入られたのだ。
服を与えられ、人形のように扱われた。
だが、穴が現れ、異界に飛び込んだ。
そして、人の波にさらわれた。
誰かに捕まり、また囚われると絶望したが、年上のお姉さんに手を引かれた。
「もう、大丈夫だから！」
「おーい、菊お前！逃げる前に一言言わんか！」
「ひっ！」
大豆のような頭の老人が、後ろから追いかけてきている。
「大丈夫、あのお爺さん変な人じゃないよ。」
「お前も人ではなかろう。」
「ややこしくなるからやめてください！」
「この娘はワシがどうにかしよう、お前は主のもとへ戻れ。」
「はい！君、またね！」
「あの、ありがとうございます。」
「うん！」
お姉さんは消えてしまった。
「さて、娘名前は？」
「キャロル。」
「そうか、ワシは知り合いが多くての、お前が住める場所を見つけてやる、安心せい。」
「ありがとうございます、おじいちゃん。」
「やめんか、ワシはぬらりひょんじゃ、ぬらりでよい。」