魔法少女のなんでも屋

ステゴロ

天は興奮していた、こんなにも面白いステゴロは久しぶりだ、肌がひりつく。
「おらあ！」
羽で吹き飛ばしてやるのもいいだろうが、それでは踏みとどまられるだろう、ならば。
「脚を壊す！」
「奇遇、だなあ！」
坊主も蹴りを当てて来ていた、自分の暴風の中でまともに頭が回る人間は久しぶりだ、戦国以来ではないか？
「ふん！」
坊主が地面を殴る、砕けた破片が飛び上がる。
「っと。」
少し体勢を崩してしまった、距離を取られるか？
「ぐう！」
坊主の腕が頭を地面にめり込ませる。
「距離詰めんのかよ、面白え。」
突風を起こし、坊主を吹き飛ばす。
「空は俺の領域だ。」
坊主を殴りに行く、しかし…
「ゔおらぁ！」
脚力で風圧を起こし、体の向きを変えた。
「へ、バケモンだな、やっぱ。」
「おらあああ！」
久しぶりにタコ殴りにされた、懐かしい。
「妖怪つっても、脳筋には勝てねえんだな。」
「へ、昔は俺がこの世で最も脳筋だったんだぜ？」
羽を飛ばす。
「油断したなあ、坊主！」
刀で切ろうが、南蛮銃で撃とうが傷一つつかない羽、さあどうする？
「ふうん！」
坊主の筋肉が盛り上がる。
「ゔおおらああ！」
「おいおいおい、嘘だろ！？」
拳の風圧で羽が止まっている、人間にできることじゃない。
「だが、止めてるだけじゃ終わらないぜ？」
「ヴァアア！」
羽に殴りかかってきた、普通なら肉が切れる。
「ヴヴヴアアア！」
血を流しながら羽を殴る、イカれている。
「よし、もういい、お前の勝ちだ。」