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二章 死に至る

17 僕の存在

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「心中の虫は一掃したから、少し出掛けてくるよ」

 僕が殺されそうになってからジーンは調べ物や書き物を部屋でしていて、ハミルさんの出入りも増えた。ジーンが何かしたのかなと思い図書室に来たハミルさんに尋ねると、ハミルさんは首を縦に振る。

「ジーンが反乱分子を排除しました」

 それを聞いて僕は目を見開いた。

「城屋敷の中を探索し、ジーンを国王にと思わない者を見つけて白状させ殺しました。見せしめに城内処刑をしましたが、見事な剣術でした。魔法剣術を使える剣士はレムリカントのハンロック様、ラメタルのジェス様とジーンの三人だけです。貴族達も黙ったことでしょう」

 ジーンは報復しに行ったんだ。そして国作りが進み始めていたのに国民になるべく人に剣を向けてしまった。心が痛くなる。ジーンは僕のために人を斬って殺した。良いか悪いかではなく、そんなことが出来る人なんだと改めて思った。そしてこの世界はそれを認め、罪に問わない世界なんだと思い知らされた。ジーンも奪い返すには力を使う。

「もう心配いりません。心中の虫は始末して捨てました。あの後合計六人も屋敷内で飼っていたことが分かりました。貴族の子飼いです」

 心中の虫……僕が傷つかなければジーンは来なかった。あの人達は死ぬことがなかったのかもしれないし、まるで僕が殺したような気がして心が重かった。ジーンがせめて捕まえて降伏させてくれれば……反省してくれたのでは……そんな風にハミルさんに聞いてみた。

「あなたは馬鹿ですね。忌々しいことだ。平和の国から来たと聞いていましたが、ここまでとは……」

 そう良いながらハミルさんは僕を見下ろしてくる。

「なぜ、平凡なあなたが番いなのか、華もない、地味な草花のような。こんな存在をあのジーンだ抱いているなんて。もう少し見栄えが良ければ、いえ、唯の貴族の子どもならば溜飲も下すものを。正直に言えば、あなたはジーンの弱点であり欠点であり汚点です。厄介ですね、何とかしないとーー」

 厄介……。ハミルさんは僕を一瞥してから出て行く。そんなハミルさんの視線が少し怖かった。




 ジーンの不定期の発情期の相手は番いの僕しかいない。その日も仕事が終わるか終わらないかでジーンは僕を背後から抱きしめてきた。すぐに身体はとろけそうなり、ジーンを簡単に受け入れた。するとジーンの性器がさらに深くなり、僕は喘ぎを噛み殺す。

「気持ちいい?それとも物足りないかな」

「切ない……感じ……です」

 ジーンがゆっくり腰を揺らしてきたから僕はそう答えた。ジーンの性器は大きく張り詰め僕の中を満たしていき、感じるところを揺らされると泣きそうなくらい気持ちいい。

「あ、あ、んんっ」

 しばらく緩く揺らされていたけれど、ジーンは息が荒くなり深く突き上げてくる。ぐぐっと腰を掴まれて奥まで突き込まれると音が部屋の中に響いて恥ずかしかった。

「ジーンッ、やっ……あっ……っ」

「もう少し深い方がいい?少し待って」

 ジーンは服を全て脱ぐと僕の身体をうつ伏せにした。僕の腰を掴み腰を引き上げて背後からジーンの膝あいだに挟まれ突き上げられた。動きが早くなり、奥を突かれるたびに気持ちよくて頭の中がぼうっとしてくる。中を突かれているうちにソファに精液を漏らしてしまっていた。

「あ、あ、あ……んんっーー」

 同時に入っているジーンの性器をきつく締め上げてしまい、僕はそれも気持ちよくて息を詰める。

「ジーン……ソファを……汚して……」

 ジーンは荒く息を吐いて僕の耳朶にキスをしながら硬い性器を動かしてくる。出したばかりなのにまだ気持ちよさをひきづっていて僕は震えてしまう。

「大丈夫」

と囁かれてジーンが再び腰を動かしてくる。ジーンの性器がさらに膨らんでくるのが分かって中をかき混ぜるように突いてきた。

「……はぁっ……ん」

 ジーンの色っぽい詰めた息を耳に感じながら、ジーンが僕の中に精液を出してくる。甘い香りに包まれて、ジーンの性器がどくどくと脈打ち僕の下腹がじんわりと熱くなった。ジーンは息を深く吐き繋がったまま僕の胸と腰を支えて背後から抱き上げるとベッドに座り、僕はその上にジーンの性器が刺さったまま脚を広げて座らされる。

「アキラ、前を綺麗にしようか」

 ジーンは僕の下腹から胸にかけて飛び散る精液を指で掬い取り舐め取り、性器の周りも丁寧に掬う。ジーンはほとんど動かずに僕の身体を清めていた。

「アキラは温泉に入ったことがあるかい?」

 ジーンが僕を抱えながら耳朶を唇で弄びながら聞いてくる。ありません、と僕は首を横に振る。僕の孔には精液を出しても硬いジーンの性器があって、少し動くたびに気持ちよくて孔がきゅっとする。それに僕の性器も勃ったままでジーンはそこには触れないように肩や乳首を撫でていた。

「本国にね、母が作った温泉があるんだよ。王城の庭の温泉だからね、落ち着いたら二人で入ろう。きっと気持ちいいよ。温泉はニホンジンの魂らしいよ」

「僕、温泉に入ったこと……な、いっ……んっ……」

 ジーンの手が両胸を揉むように動き尖った乳首をきつく摘まれびくびくと身体が揺れて、入っているジーンの性器を締め付けて奥がびりっとした。

「んっ、は……あ……赤ちゃんが出来そうだ……君に似た黒髪がいいね」

 開かされた内腿に力が入り、乳首だけで噴き出してしまいそうなくらい上り詰める身体に、僕は腰を揺らしてしまう。

 下から突き上げてくるジーンに言われて、僕は泣きながら首を横に振る。

「やらぁ、もう……我慢できなぃ……ああっ……や、来ちゃう……」

 舌がもつれた。奥の奥を突かれて開かれてそのたびに全身に気持ちよさが広がって……波が寄せて寄せて。

 キスをねだると背後から舌が差し込まれ、息が苦しくてくらくらする。ジーンは僕の性器の根元を手で握るとキスをしながら下から激しく突き上げてきた。

「んーーっ、んんーーっ!」

 喘ぎも塞がれて苦しくて身を捩るとぐぶぶん……と性器で最奥のまだ知らなかった箇所をこじ開けられ、息も出来ないくらいの絶頂の中で首にジーンの牙を感じた。

「あーーーっ」

 あまりに強烈な快楽だった。気持ち良すぎてジーンに噛まれたのも感じてしまったくらいで、ジーンは首に噛みつきながら僕の中に大量の精液を出している。初めて感じる熱さの中で、ジーンが指を離してくれ、性器からぶしっ……と液体が飛んで気を失ってしまった。
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