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しかし、私にはなんとなくではあったが、命の石という形に戻す………といえばいいのか、まあ彼らの知る形にする方法に心当たりがあった。

呆然と立ち尽くしている彼らの横目に、その石像に近寄っていき、私の手の中にある四角い石をかざしてみた。

……………これならたぶんなんとかなるはずだ。

パアァァァァァァァァァァァァーーーーーー!

四角いものが光り始め、石像にひびが入り始めやがて石像のなかなかから命の石が現れた。

…………よかった。

黒ちゃんの加護で爪を使ってもよかったのだがあれは万が一、命の石を傷つけたらまずいから使わなかったのである。

「………さて、狼の石像や翼の石像、男女向い合わせの石像をどうにかしないとな。」

古の一族はたった今起こったことに硬直していたがそれはひとまず放っておくとするか。

ちなみにいりこの人は何故か私の頭を撫でていた。いりこの人に視線を向けるとどうやら無意識だったらしい。…………まあこれも気にしないことにした。私はまた四角いものをかざしながら残りの石像からも命の石を出してしまうぞっと意気込んだ。

パアァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーー!

「ん?あれ?さっきより強いぞ。」

眩しいほどに光を放つその四角いものにちょっとだけ焦るが、すぐ残りの石像にひびが入り始め、やがて大きな音をたてて石像が崩れていき、命の石が出てきた。

「ふぅ、終わったな。」

石像から命の石を取り出し終えた私は一息つくと猫の姿に戻った。

ぽん!

急に猫の姿になったものだからいりこの人がなくなったちょっとだけ残念そうだったがすぐに猫の姿の私を抱き上げてもふり始めた。

モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ。

…………………無心でもふり続けるいりこの人、かわいいぜ。

モフモフモフモフモフモフモフモフ。

ひたすらもふられているとしばらくしたら族長が声をかけてきた。

「…………そんなにさわり心地いいのか?」

「最高にな。」

即答だった。今じゃあ立派なもふリストである。

「私も触らせてもらえないかしら。」

………ん?

聞き覚えのない女性の声が聞こえてきたので、声のした方へ振り向くとそこにはあの石像と全く同じ美しい女性が立っていた。

「にゃあ(きれいな人だな)。」

「あら、ありがとう。………触っても?」

「にゃあ(どうぞ)。」

そう返事を返し、いりこの人に頼むといりこの人は私を嫌だとばかりにそっぽ向いた。

………ん?え、いりこの人?

「にゃあ(なるほど)。」

いりこの人もふり足りないのか。

「……………にゃあ(ごめんむりそうだぜ)。」

「あら、いいのよ。きっと嫉妬したんだわ。あなたのこと奪われると思ったようね。ふふふ。」



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