上 下
311 / 329

261

しおりを挟む
…………………本当に腹が立つなぁ、黒ちゃんめ💢。

痛みに悶えながら地面を叩くにゃんこ。

そしてさらに爆笑する黒ちゃん。

ようやく痛みが落ち着いた頃には、爆笑していた黒ちゃんの声がしなくなっていた。………………いや、あいつのことだから思い出すたび爆笑しているに違いない。何て失礼な奴なんだ!

「にゃあ(さて白い石も収納したから外に出るぞ)!」

とととととととととととととととと!

入り口から出て、全速力で駆け出した。

とととととととととととととととととととととと!

駆け足で入り口が4つある部屋に戻るとふと、狼の石像や翼の石像のことを思い出した。

……………あれも持っていった方がいい気がする。

きっとあれも命の石が中にあるはずだ。

………だが、あの襲いかかってきた石像と同じだったらどうしよう?

だがすぐ首を横に振った。あの襲いかかってきた女性の石像の時には頭の上に危険物が浮いていたわけだしな。それに今、考えて見たらあの石像の第一印象が美しいって言うのも魅了の効果があったのかもしれない。

それに比べて遺跡の一番上の部屋にあったフードを着た向かい合わせの、おそらく男女の石像、次に見た番の狼と子狼の石像、その次に見た翼の生えた男女と翼の生えた子どもの石像は、腕輪に収納された命の石と同じ清らかなオーラを感じた。少し気になるのはあの白と黒のマーブル模様の石だが、あれは一部黒かったが同じ黒でも、あのマーブル模様の黒は青みがかっており、闇の一族の命の石とはオーラが異なっていた。きっとあの石は子狼だ。

………だから大丈夫。早く迎えにいかないとな。

「にゃにゃあ(よしまずは翼の生えた石像のところだ)!」

とととととととととととととととと!

急いで翼の生えた石像のある方向に走って行くと階段を勢いよく下りていった。

階段を下りきると翼の生えた男女の石像と翼の生えた子どもの石像の前に座ると腕輪を近付けた。腕輪はまた淡く光ると次の瞬間には石像は消えていた。

「にゃあ(これでよし)。」

次は狼の石像のところに行くぞ!

あともう少しだ。頑張るぞ!えいえいおーー!

右前足を上にひょいっと持ち上げることで、この遺跡にある古の一族や他種族の命の石を全て助け出す決意をあらたにして、階段を上っていった。

とととととととととととととととととと!

階段を上りきると4つの入り口のある部屋まで戻ると、狼の石像のある方向を向いた。

狼の石像を腕輪に入れることができればあとは二体一対のフードを被っている石像だけだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

運命の歯車が壊れるとき

和泉鷹央
恋愛
 戦争に行くから、君とは結婚できない。  恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。    他の投稿サイトでも掲載しております。

心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。

木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。 そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。 ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。 そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。 こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。 自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。 しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。 「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」 「は?」 母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。 「もう縁を切ろう」 「マリー」 家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。 義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。 対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。 「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」 都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。 「お兄様にお任せします」 実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。

姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚

mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。 王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。 数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ! 自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈 
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

処理中です...