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この扉の先には絶対行かなければならない。しかしそれを成すにはおそらくこの腕輪の中身である命の石が必要となる。

「にゃう(これがあるから他の細工が割と簡単だったのか)。」

しかもこの扉に使われている色とりどりの石も命の石だろう。つまりこの扉の先に行くには腕輪の中に入った命の石と扉についている命の石の両方必要だということである。

「にゃあ(なんとも酷いことをするな、闇の一族は)。」

何とかして開けないといけない。

私の勘が言っていのだ。上にあった宙に浮いているあの黒い真ん丸な石は闇の一族の命の石ではない………と。

この先に闇の一族の命の石があるのだと……………。

だが腕輪をつけている今の私があの扉に近付けば自動的に命の石を使い扉が開く可能性があるから下手に近付くことはできなかった。かといってこの腕輪を外して近付いてみようとも何故か思わなかった。不思議と手放しては闇の一族の思い通りになるような気がしているのだ。

「にゃにゃ(今この場で腕輪を外せばこの腕輪とこの中に入っているであろう命の石を闇の一族に捧げたことになりかねない)。」

しばらく考えてみたものの何の考えも浮かばなかった。

「にゃうぅぅ(いったん戻るしかないかもな)。」

項垂れながら来た道を戻り始めた私はもう一度、振り返った。

どうにかして開ける方法を見つけなければいけない。絶対にあけてやるぜ!

決意も新たに足早に戻っていった。

とととととととととととととととと。

円柱の穴のそこにあった入り口まで戻るとまさかな事態が待っていた。

「にゃにゃぁああっ(な、なくなっているぜ)!」

螺旋状になっていたあの板のような階段がなくなっていたのだ。つまり、上に戻ることはできないということである。

「………………………………………(ガガーーーン)!!」

ショックを受けた私であったが、すぐに別の変化にも気付いた。中央に80センチほどの高さの台があったのだ。

「にゃにゃあ(あんなところに台なんてあったか)?」

なかったはずの台。とりあえず上に乗っかり確認してみることにした。


ととととととと、ぴょーん!着地!

華麗に着地した私は足元の台の上を見た。そこには私には読めないような古い文字で何かが書かれていた。その文字はただでさえ古い今では使われていないような文字で書かれているのに文字自体が薄くなってしまっていて読めない。

「にゃにゃあ(何て書いてあるんだろう)。」

私は学園で古代語の選択科目を取らなかったことをものすごく後悔した。
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