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誰か私の疑問に答えてくれいぃぃぃーーー!

頭のなかを鳩が盛大飛び交っている私は鳩がクルッポーって鳴きながら目の前を飛び交っている幻影までみえるきがしていた。

…………………………くっははははは!!

ん?今、誰かの笑い声が聞こえた気がしたんだが………。

精霊二人とも見てもあんな笑い声で笑っているわけではなかった。

“お前の疑問に答えてやろうか?”

ん?誰だ?

キョロキョロ周りを見回すがこの男の声に聞き覚えは全くない。精霊二人とも違うし、イノシシさんとも違う。どこか頭に直接響くような声だった。

………………もしかしてこれって念話ってやつか!!

すげぇ!念話だ!!面白れぇ!!

目をキラキラ輝かせている私に声の主はなぜか爆笑した。

“相変わらず面白い奴だな、くっ………あーっはははははは!”

…………………………そんなに笑わなくてもいいじゃないか(泣)

何でこうも私、よく爆笑されるんだろう………………ん?

………今、相変わらずって言ったか???

私は首をかしげた。正直この声に聞き覚えなんてなかったし、笑われるのはいつものことなので、あまり参考にならない。声自体はかなり低めで迫力ある……………というより普通に話しても威圧感があるというか、………敵意は全くないだろうがおそらくかなり強い人だ。敵対しては不味いような類いの存在だろう。

周りを見るとなぜか時間が止まっているようにイノシシさんも風の精霊も大地の精霊も動いていなかった。それどころか、風の音や川のせせらぎ、小動物の動く音さえ聞こえないのだ。

………もしかして、この声の主がしたのだろうか?

“……………その反応、もしかして覚えていないのか?”

覚えていないのかって聞くということは、やっぱり会ったことある人なのか??
………いや、これだけ特徴的な声の人だったら覚えていないのがおかしいぞ。

“………まあ、しょうがないか。おそらく食べ物でもない限り記憶に残らないか。なにせコイツだしな。”

…………………………………。

……………正直、それ否定できないことがイタイぜ。

“否定出来ないだろう?あーっはっはっははははは”

イラッ!

「にゃあぁぁぁぁ(出てこい爪の錆びにしてくれる)!!!」

“………まあ落ち着け。お前のスキルの説明欄の空白とやらが気になるのだろう?”

「………にゃ(そうだが)」

“説明してやるから爪を出すのは止めろ”

………………………。

「………………(口押さえて堪えているんだろうが笑ってるのバレバレなんだぞ)」

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