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『なら、遺跡はどうなった』

「にゃあ………(ヤリーロ王国の貴族は特に何も言うことはなかったって言ったよな)?」

そして、モリガ王国の貴族は違った。モリガ王国の貴族は皆欲しがった………。

だが、ターゲットロックオンと言わんばかりに第二王子改めガイア王国国王が狙いを定めたのはあの影の薄くて変人と言われている私達の一族。

………しかもどう考えても号泣してまで嫌がっている……と。

「にゃあ(影が薄いのに変人だと有名っていうのがなんとも矛盾しているんだがな)。」

まあ、それ見て周りは頭が冷静になったらしい。

『……つまり、こういうことか?』

『冷静になった周りは………というかモリガ王国の貴族は下手なやつに渡るよりこいつらに渡った方がまだましなのではと考えたわけか。』

「にゃあ(そうだぜ)!」

そもそも私達は引きこもり体質だから外に出ることはまずない。それは今も変わらない………………私を除いてな。他は食べることに対する執着だけだ。権力にもお金にも興味がない。食べ物に対しての執着ゆえに、外の食べ物に興味を示すってことも考えられない。食べ物に執着してはいるけど、それ以上に外に出るのが嫌っていうかな……………(汗)。

「にゃあ(食べ物の執着より外に出るのが嫌なことが上だって周りはよく理解していたからな)。」

『なるほどな。………だが、どうして土地と遺跡は別になったんだ?』

「にゃあ(遺跡がそんなに嫌なら遺跡が建っている土地だけ渡すとしようってごり押しされた)」

『?』

「にゃあ(正直、遺跡は国としては欲しがったが他の貴族との亀裂になりかねなかったから所有が難しかった)。」

『そう言っていたな。』

「にゃあ(私達が言ったのは面倒ごとはごめんだってことだろう)?」

『あぁ。』

「にゃあ(今回の面倒ごとというのは誰もが欲する遺跡を手にすることだ)。」

『遺跡を持てばもともと欲していた者達からよく思われないからな。』

『下手な話、遺跡を欲する貴族達が手にするために何らかの策を講じて引きこもる暇がなくなってしまう………か。』

「にゃあ(そうだぞ)。」

『………あぁだからか。』

『『『遺跡さえなければただの土地。』』』

「にゃあ…にゃ…(そういうことである……ただ……)。」

『……このままだと遺跡を訪れる客が宿泊したりとかで利益が出てしまう。』

そうなんだよな…………。

「にゃあ(だがよく考えてみれば答えはすぐそこにあったんだよな)。」
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