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私は猫の姿のままで、もう一度いりこの人の方へ視線を向ける。

いりこの人、大丈夫………絶対に助けるからな。だから待っていてくれよ!

“………無理しないでくれ、俺は……………”

いりこの人の声が聞こえてきた気がしたがたぶん気のせいだろう。………だって、まだ意識は戻っていないのだから。

いりこの人のいる部屋の扉から出ると、玄関ホールまで歩きだした。

「………どこ行くんだい?」

メリアさんは不思議そうな顔をしていた。

どうやって説明するかな。とりあえず、いりこの人の眠る部屋の方向へ向いた。

「にゃあにゃ(いりこの人を助ける)…。」

今度は玄関ホールの方へ向いた。

「にゃあ(方法を探しに行くんだぜ)!」

メリアさんは少し考えるそぶりをしたら手をぽんと叩いた。

「ランド様のいる部屋の方向………玄関ホール……。……あぁ、助ける方法を探しに行くと言っているのかい。」

「にゃあ(そうだぜ)!」

もしかしたら、部屋の中を確認できる方法も見つかるかもしれないからな。

「……………わかった。クライド達には伝えておくから気を付けて行ってくるんだよ。いいね?」

「にゃあ(わかったぜ)!」

あ、その前にしなくちゃいけないことがあったんだった(汗)

慌てて人間に戻るとメリアさんに言った。

「………忘れてた。呪具の部屋先に確認してから行くから先に戻っておいてくれ。着いて来たら危ないからな。………あと、オリガの様子も見てくるから場所だけでも教えてくれ。」

「オリガのいる部屋に案内するよ。………だけど大丈夫かね。クライドの鑑定に間違いはないけどね。万が一呪いにかかったら危険だよ。ランド様もこの屋敷の皆も心配するんだからね。」

「ありがとな。………でも猫の姿になれば大丈夫だきっとな。」

「わかったよ。………その後は玄関で見送りするから玄関ホールで待つことにするよ。………あまりに遅かった場合、呪いにかかったと見なすよ。」

「わかったぜ。」

メリアさんに先にオリガのいる部屋に案内してもらい、オリガの様子を確認した。そこでいりこの人と違う点がわかった。

「………メリアさん。」

「………あの扉にいたときのまま固まっているんだな。いりこの人の手は私が動かしたら動いたけど、オリガは動かないんだな。」

あのとき呪具の封印されている部屋の前で見た固まったままの姿である。………解呪のスキルがあるかないかの違いなのか?それとも別に理由があるのか?

「………そういえばそうだね。ランド様は解呪のスキルだからそれが理由かね?」

「…少し気になるからクライド達に伝えておいてくれ。」

「わかった。伝えておくよ。」



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