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いりこの人とセオの足のしびれがおさまり、オリガのいる扉の前にいりこの人に抱っこされながら行くと、やっぱりオリガはまだあの場所で固まったままぴくりとも動いていなかった。彫刻の如く動かない様はちょっとだけ怖い。

………どうしちゃったんだろう。

心配しているといりこの人が優しく撫でてくれた。いりこの人に撫でられるととても安心できるのだ。……大丈夫、きっとな。

「………これは……………。」

クライドさんは恐い顔して考え込んでしまった。かなりまずい事態のようだ。

「封印が解けかけてますねえ。」

セオも珍しく眉間にシワがよっていた。

「もう一度封印しなければならないようだ。だが……………。」

いりこの人も困った顔をしていた。

どうしたんだろう。封印って何のことだ?

「この部屋の中には人が接触したり近付いたりしただけで呪われる呪具が封印のスキル持ちによって封印されているんだ。」

うげえ、よりにもよって呪具かよ。

「最初の頃はこの国て呪具が見つかれは王城に持って行き、危険なようならそのまま王城に封印されていたようだが、呪具自体数が多く、封印のスキル持ちはこの国の人にしか出ないスキルだった。」

へえ、学校の授業での封印のスキルについては、そういうスキルがあるってことだけしかしなかったんだよな。かなりのレアスキルだったんだな。知らなかったぜ。

「破壊するにも、場合によっては壊した者にその呪いがかかり、その者の血を通して呪いは受け継がれていくことになる。壊すということはかなりの危険が伴うんだ。そうなった場合、通常の呪いと違い解呪のスキルではどうにもならない。だから呪具を壊したことでその呪具の効果がなくなることなく、壊した者に呪いがかかったときはその者が誰かと交わることがあってはならない。交われば自分の子に呪いが受け継がれてしまう。」

「通常でしたらその呪具を使い政敵の力を削いだり邪魔者を消したりするために隠しておくものなのでしょうが、実際はそうなりませんでした。」

「確か、こういう呪具って地面に埋めたり、気に入らない相手に呪具だと気付かれないように贈り物の中に紛れ込ませたりするのが普通ですからねえ。持っているだけ、近くにあるだけで効果を発揮してしまうんですよねえ。安全に持つのは不可能だったということですねえ。」

え、でも封印すれば大丈夫なんだろう?封印だけ頼んで封印されたものを持って帰れればいいじゃないか?

「それは不可能だ。」

?どうしてだ?

「この国を出たら効果が消える。」

「この国に置いていても一定の時期がくれば封印し直す必要がありますしねえ。」

「封印された呪具の扱いがそれだけ大変だということです。」

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