147 / 329
ノイドと愉快な仲間たち8
しおりを挟む
「と、トルト!」
だか、少し間に合わず…………。
「うわっ!」
「お、親父!」
予想外なことにトルトではなくトルトの父親が落とし穴にかかってしまった。
メリアとクライドは顔を青ざめさせた。
「だ、大丈夫ですか?本当にすいません!」
「つ、伝えるのが間に合わなかったねえ。すまないね。」
クライドとメリアはトルトの父親の顔を心配そうに覗き込んだ。
「あぁ、大丈夫だ。………で、これはなんだ?」
二人はピシッと固まった。
あ、やべっこれ拳骨だ!
「親父ぃ!ちょっと待ってくれぇ!さっきこいつらぁ俺の名前呼んでぇとめようとしていたんだぁ!」
「?どういうことだ?」
硬直したまま何も話そうとしない二人に痺れを切らして拳骨の準備を始めたトルトの父親を、他でもない自分たち3人が落とし穴に落とそうとしたトルトが止めてくれた。
「親父ぃもう少し待ってくれぇ。だいたい予想がつくんだぁ。」
クライドとメリアとノイドと付き合いの長いトルトには、今回のことにだいたい予想がついていた。
「多分だかぁ、ノイドがクライドを泣き落としてクライドとメリアに落とし穴作らせてぇ俺を落とし穴にってことだろぅ?」
二人は何度も頷く。
「良心が許さなくて伝えようとしたがぁ間に合わなかったってことだろぅ?」
「はい、すいませんでした(泣)」
「すまないねえ(しゅん)」
二人とも泣くわ落ち込むはで大変だった。
トルトはそんな二人の頭を撫でた。基本的にクライドもメリアも良い子だと知っているのだ。
クライドは真面目で人に優しく人の期待に一生懸命答えようとする。特にノイドには甘いし頼まれたら断れないし、断らない。そもそも、ノイドの方が悪知恵働くので、わりと素直なクライドは誤魔化されてしまう。
……………このまま優しく素直なままでいてくれたら嬉しいんだがなぁ。
………まあ、あのノイドの側じゃあそうは言っていられないだろうなぁ。苦労するぞぉ。
メリアはちょっと一歩引いて付き合う癖があり、よく周りを見ている。だから、いつもノイドにクライドがうまいこと騙されているのに気付いて、いつもクライドのことを心配して、結局いつも彼に付き合っている。
メリアはきっと一度はここを離れるんだろうなぁ。………で最終的にクライドが心配で戻ってくるんだろうなぁ。
メリアとクライドは互いに恋愛感情があるわけではないがなぁ、互いがよき理解者というかなぁ。………なんていうか………相棒ていうかなぁ。
まあ、今はとりあえずなぁ………。
「間に合わなかったがぁ、ちゃんと言おうとしたことはぁ良いことだぞぉ」
ほめるところはほめないとなぁ!
「だがぁ次から落とし穴はなしだぁ。俺ぁ問題ないがぁ他のやつが落ちたら大変だからなぁ。」
そして注意すべきところはする。
「特に辺境伯様とか奥方様とかなぁ。」
ピシッと固まった。それは確かに不味い。
だか、少し間に合わず…………。
「うわっ!」
「お、親父!」
予想外なことにトルトではなくトルトの父親が落とし穴にかかってしまった。
メリアとクライドは顔を青ざめさせた。
「だ、大丈夫ですか?本当にすいません!」
「つ、伝えるのが間に合わなかったねえ。すまないね。」
クライドとメリアはトルトの父親の顔を心配そうに覗き込んだ。
「あぁ、大丈夫だ。………で、これはなんだ?」
二人はピシッと固まった。
あ、やべっこれ拳骨だ!
「親父ぃ!ちょっと待ってくれぇ!さっきこいつらぁ俺の名前呼んでぇとめようとしていたんだぁ!」
「?どういうことだ?」
硬直したまま何も話そうとしない二人に痺れを切らして拳骨の準備を始めたトルトの父親を、他でもない自分たち3人が落とし穴に落とそうとしたトルトが止めてくれた。
「親父ぃもう少し待ってくれぇ。だいたい予想がつくんだぁ。」
クライドとメリアとノイドと付き合いの長いトルトには、今回のことにだいたい予想がついていた。
「多分だかぁ、ノイドがクライドを泣き落としてクライドとメリアに落とし穴作らせてぇ俺を落とし穴にってことだろぅ?」
二人は何度も頷く。
「良心が許さなくて伝えようとしたがぁ間に合わなかったってことだろぅ?」
「はい、すいませんでした(泣)」
「すまないねえ(しゅん)」
二人とも泣くわ落ち込むはで大変だった。
トルトはそんな二人の頭を撫でた。基本的にクライドもメリアも良い子だと知っているのだ。
クライドは真面目で人に優しく人の期待に一生懸命答えようとする。特にノイドには甘いし頼まれたら断れないし、断らない。そもそも、ノイドの方が悪知恵働くので、わりと素直なクライドは誤魔化されてしまう。
……………このまま優しく素直なままでいてくれたら嬉しいんだがなぁ。
………まあ、あのノイドの側じゃあそうは言っていられないだろうなぁ。苦労するぞぉ。
メリアはちょっと一歩引いて付き合う癖があり、よく周りを見ている。だから、いつもノイドにクライドがうまいこと騙されているのに気付いて、いつもクライドのことを心配して、結局いつも彼に付き合っている。
メリアはきっと一度はここを離れるんだろうなぁ。………で最終的にクライドが心配で戻ってくるんだろうなぁ。
メリアとクライドは互いに恋愛感情があるわけではないがなぁ、互いがよき理解者というかなぁ。………なんていうか………相棒ていうかなぁ。
まあ、今はとりあえずなぁ………。
「間に合わなかったがぁ、ちゃんと言おうとしたことはぁ良いことだぞぉ」
ほめるところはほめないとなぁ!
「だがぁ次から落とし穴はなしだぁ。俺ぁ問題ないがぁ他のやつが落ちたら大変だからなぁ。」
そして注意すべきところはする。
「特に辺境伯様とか奥方様とかなぁ。」
ピシッと固まった。それは確かに不味い。
3
お気に入りに追加
1,755
あなたにおすすめの小説
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
私は王妃になりません! ~王子に婚約解消された公爵令嬢、街外れの魔道具店に就職する~
瑠美るみ子
恋愛
サリクスは王妃になるため幼少期から虐待紛いな教育をされ、過剰な躾に心を殺された少女だった。
だが彼女が十八歳になったとき、婚約者である第一王子から婚約解消を言い渡されてしまう。サリクスの代わりに妹のヘレナが結婚すると告げられた上、両親から「これからは自由に生きて欲しい」と勝手なことを言われる始末。
今までの人生はなんだったのかとサリクスは思わず自殺してしまうが、精霊達が精霊王に頼んだせいで生き返ってしまう。
好きに死ぬこともできないなんてと嘆くサリクスに、流石の精霊王も酷なことをしたと反省し、「弟子であるユーカリの様子を見にいってほしい」と彼女に仕事を与えた。
王国で有数の魔法使いであるユーカリの下で働いているうちに、サリクスは殺してきた己の心を取り戻していく。
一方で、サリクスが突然いなくなった公爵家では、両親が悲しみに暮れ、何としてでも見つけ出すとサリクスを探し始め……
*小説家になろう様にても掲載しています。*タイトル少し変えました
兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!
ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。
自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。
しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。
「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」
「は?」
母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。
「もう縁を切ろう」
「マリー」
家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。
義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。
対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。
「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」
都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。
「お兄様にお任せします」
実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる