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ノイドと愉快な仲間たち8

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「と、トルト!」

だか、少し間に合わず…………。

「うわっ!」

「お、親父!」

予想外なことにトルトではなくトルトの父親が落とし穴にかかってしまった。

メリアとクライドは顔を青ざめさせた。

「だ、大丈夫ですか?本当にすいません!」

「つ、伝えるのが間に合わなかったねえ。すまないね。」

クライドとメリアはトルトの父親の顔を心配そうに覗き込んだ。

「あぁ、大丈夫だ。………で、これはなんだ?」

二人はピシッと固まった。
あ、やべっこれ拳骨だ!

「親父ぃ!ちょっと待ってくれぇ!さっきこいつらぁ俺の名前呼んでぇとめようとしていたんだぁ!」

「?どういうことだ?」

硬直したまま何も話そうとしない二人に痺れを切らして拳骨の準備を始めたトルトの父親を、他でもない自分たち3人が落とし穴に落とそうとしたトルトが止めてくれた。

「親父ぃもう少し待ってくれぇ。だいたい予想がつくんだぁ。」

クライドとメリアとノイドと付き合いの長いトルトには、今回のことにだいたい予想がついていた。

「多分だかぁ、ノイドがクライドを泣き落としてクライドとメリアに落とし穴作らせてぇ俺を落とし穴にってことだろぅ?」

二人は何度も頷く。

「良心が許さなくて伝えようとしたがぁ間に合わなかったってことだろぅ?」

「はい、すいませんでした(泣)」

「すまないねえ(しゅん)」

二人とも泣くわ落ち込むはで大変だった。

トルトはそんな二人の頭を撫でた。基本的にクライドもメリアも良い子だと知っているのだ。

クライドは真面目で人に優しく人の期待に一生懸命答えようとする。特にノイドには甘いし頼まれたら断れないし、断らない。そもそも、ノイドの方が悪知恵働くので、わりと素直なクライドは誤魔化されてしまう。

……………このまま優しく素直なままでいてくれたら嬉しいんだがなぁ。
………まあ、あのノイドの側じゃあそうは言っていられないだろうなぁ。苦労するぞぉ。

メリアはちょっと一歩引いて付き合う癖があり、よく周りを見ている。だから、いつもノイドにクライドがうまいこと騙されているのに気付いて、いつもクライドのことを心配して、結局いつも彼に付き合っている。

メリアはきっと一度はここを離れるんだろうなぁ。………で最終的にクライドが心配で戻ってくるんだろうなぁ。

メリアとクライドは互いに恋愛感情があるわけではないがなぁ、互いがよき理解者というかなぁ。………なんていうか………相棒ていうかなぁ。

まあ、今はとりあえずなぁ………。

「間に合わなかったがぁ、ちゃんと言おうとしたことはぁ良いことだぞぉ」

ほめるところはほめないとなぁ!

「だがぁ次から落とし穴はなしだぁ。俺ぁ問題ないがぁ他のやつが落ちたら大変だからなぁ。」

そして注意すべきところはする。

「特に辺境伯様とか奥方様とかなぁ。」

ピシッと固まった。それは確かに不味い。
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