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……………………………………(ドラネコ…か、なんで…………)。

………私って、わたしってなんでこんなネーミングセンスなんだあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁっ!

少なくともあだ名の件は思い出してしまった私。
私の、わたしの、わたしのアホォォォォォォォォォォォォォっ!
こういうのをれっきとした黒歴史というのではないたろうか。
あぁ、このまま忘れたままの方がある意味幸せだったかもしれない。まさか、自分のネーミングセンスの最悪さを今になって思い出すとは………なんて苦行なんだ!あぁ恐ろしい。恐ろしいぞ!

当のいりこの人はそのときのことが頭に浮かんでいるのか口元を押さえている。もちろん片手は私のお腹にまわっている。

「あまりに色々と面白すぎで、嫌なこと何て全て吹き飛んでしまった。」

?……………そうなのか?

「嫌なことって何なんだ?」

「………全部だ。現王の弟でありながら、公にされることなく、4歳になるまで、母親である侍女からも引き離されて乳母に隠されて育てられた。」

いりこの人悲しそうだ。

「挙げ句、4歳の誕生日に会ったことのない母親の死を聞かされ、母親の死に目にも会えず、そのまま辺境伯の元に養子に出された。その間一度も実の父親に話しかけられたことはなかった。もちろんその後もほとんど会話なんてなかった。辺境伯領に行ってからはほとんど辺境伯領にこもりきりだったしな。かろうじて、現国王である兄は4歳になるまでは頻繁に隠れて会いに来てくれていたがな。」

「え、それじゃあ王弟殿下とは?」

「数えるほどしか会ったことないな。なんて言えばいいのか………………………少し変わった人だった。」

あ、やっぱり??
王弟殿下ってその頃から既に変だったんだ!
ある意味年期が入っているんだな。すげえ!ぱちぱち。
ある意味尊敬するぜ。

あ、ちなみに現王とは辺境伯領に行ってからも内密に連絡取り合ってたらしいぞ。
まあ、王弟殿下については神出鬼没だからな。どこにでも出没するさ。薬草の群生地にはな。うん。
あと、薬の実験台のいる場所とかな。ははははは(汗)
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