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セオが執務室に入ってきた。
「ランド様、報告いたしますねぇ。」
……心なしか元気のないセオ。大丈夫?…じゃないよな…。
「暗い森の主の足跡をたどると途中で猫の足跡に代わり、その後を辿ると道が右手前とまっすぐに分かれておりました。」
いりこの人は続きを促した。
「両方に猫の足跡がありましたので、とりあえず真っ直ぐ行くと倉庫がありましてねぇ、外にささみが落ちていました。」
セオは書類を見ながら言う。
「そのささみから睡眠薬が発見されており、倉庫の中にも猫の毛が落ちていたことからそこに監禁されていたのでしょうねぇ。」
セオは書類を置くと一拍おくと言った。
「実はそこにアメリア嬢のとおぼしきピアスがおちていましてねぇ。」
いりこの人は静かに目を閉じた。
「やはりそうか……残念だ。」
セオは悲しそうだった。
「その後残りの道を辿ると村の酒場まで続いていましてねぇ、少し話を聞くと、客の中の一人の男が逃げようとしたので捕まえておきましたよ。」
「その男からは何か分かったか?」
「はい、メイド服を着た女から頼まれたのだと言っておりましてねぇ、その女の容姿がアメリア嬢と一致しました。」
……今回のことセオが珍しく悲しそうだから無かったことにならないのかな?いつもの爆笑聞けないのは少し悲しいぜ。
耳がペタんとなってしまった。
その気持ちを察してかいりこの人が頭を撫でてくれた。いりこの人も心配そうにセオを見ている。
二人の気持ちに気付いたのかセオが空元気ではあったが笑いながら言った。
「そんな顔しないでくださいよ、大丈夫ですから。」
……大丈夫じゃないよ全然。
「それより今日はランド様から離れないようにしてくださいねぇ。」
ん?
「どうやらランド様あなたがいないともとに戻るみたいで…」
「セオ!」
「不眠症というか眠れないみたいなんですよねぇ。」
「ランド様、報告いたしますねぇ。」
……心なしか元気のないセオ。大丈夫?…じゃないよな…。
「暗い森の主の足跡をたどると途中で猫の足跡に代わり、その後を辿ると道が右手前とまっすぐに分かれておりました。」
いりこの人は続きを促した。
「両方に猫の足跡がありましたので、とりあえず真っ直ぐ行くと倉庫がありましてねぇ、外にささみが落ちていました。」
セオは書類を見ながら言う。
「そのささみから睡眠薬が発見されており、倉庫の中にも猫の毛が落ちていたことからそこに監禁されていたのでしょうねぇ。」
セオは書類を置くと一拍おくと言った。
「実はそこにアメリア嬢のとおぼしきピアスがおちていましてねぇ。」
いりこの人は静かに目を閉じた。
「やはりそうか……残念だ。」
セオは悲しそうだった。
「その後残りの道を辿ると村の酒場まで続いていましてねぇ、少し話を聞くと、客の中の一人の男が逃げようとしたので捕まえておきましたよ。」
「その男からは何か分かったか?」
「はい、メイド服を着た女から頼まれたのだと言っておりましてねぇ、その女の容姿がアメリア嬢と一致しました。」
……今回のことセオが珍しく悲しそうだから無かったことにならないのかな?いつもの爆笑聞けないのは少し悲しいぜ。
耳がペタんとなってしまった。
その気持ちを察してかいりこの人が頭を撫でてくれた。いりこの人も心配そうにセオを見ている。
二人の気持ちに気付いたのかセオが空元気ではあったが笑いながら言った。
「そんな顔しないでくださいよ、大丈夫ですから。」
……大丈夫じゃないよ全然。
「それより今日はランド様から離れないようにしてくださいねぇ。」
ん?
「どうやらランド様あなたがいないともとに戻るみたいで…」
「セオ!」
「不眠症というか眠れないみたいなんですよねぇ。」
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