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いりこの人に保護されようやく人心地ついた私はいりこの人が裸だということはすっかり忘れてふにゃんとなっていた。

「無防備だな。」

無表情だが目元が柔らかい気がする。お湯と石鹸で優しく揉むように私を洗うとお湯で石鹸を流した。
私に意地悪したメイドは後から入ってきたメイド長からお説教されているらしくさっきから小さく開いた扉から音が漏れていた。どうやらさっきの物を落としながら大暴れする音が聞こえていたらしい。掃除用具入れに案内したことは私が風呂を見たとたんあちこち逃げ回り偶然開いていた掃除用具入れに逃げ込んだのだと説明していた。

…ちげーよ。お前が案内したんだろ!挙げ句汚れたたわしまで持ち出すから逃げたんだい。ふん!

再び扉に向かって威嚇し始めた私を宥めるよようにそっと撫でてくれるいりこの人。

仕方ない今回は無かったことにしてやる!手を引っ掻いてやったしな。ふん!
タオルで丁寧にいりこの人の手によって拭かれた私はようやく部屋に案内してもらえた。

あのメイドのことは気を付けなきゃいけないな。他にも何かしでかしそうだぞ。特に私に。しばらく人間になるのもやめた方がいいな。人間の姿だと猫以上にヤバいぞあれ。
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