上 下
1 / 329

1

しおりを挟む
「お前と婚約を破棄する!」
まさか王家主催の婚約披露パーティーで第二王子が婚約者の公爵令嬢にどこぞの乙女ゲームかライトノベルのようなイベント紛いを起こしてくれるとは。さすが脳内お花畑バカ王子。

隅の方でイベント紛いを傍観しつつ骨付き肉にかじりついている私も私だが。婚約破棄イベントは今、新しい婚約者の男爵令嬢を紹介に移っていた。男爵令嬢はウェーブのかかった美しい金髪でピンクと白のフワッとした普通男爵令嬢が手に出来るようなものではい位金糸を使っているかなり豪華なドレスを着ていた。一方公爵令嬢は青みがかった艶のある黒髪で青のシンプルだか本人の魅力を際立たせるようなドレスを着ており大変美しいのだか、生憎婚約破棄されているせいか怒りに顔が歪んで……ないな全く。本人どうでもよさそうだし。

男爵令嬢は第二王子にしなだれかかっており、側には騎士団長の息子や魔術師団長の息子など上位貴族の息子が男爵令嬢を守っている。

だがしかし、私は知っているんだぞ。騎士団長の息子と新しい第二王子の婚約者に名前を挙げられていた男爵令嬢があはんうふんな18禁の世界を休憩室で繰り広げてたのを…。
その場にいたからな。机の下にな。あいつら休憩してたら入ってきて私がいるのに気付かずそのまま始めやがった。思わず机の下に隠れた私は悪くないはず。本当に泣きたい。あいつらの行為が終わって部屋からでたあと、この怒りを骨付き肉にかじりつくことにぶつけているのだ…………ん?え?えぇ~っ。

人に遮られていたので気付かなかったがチャック開いてるし。この時代にチャックがある理由はきっと私みたいな人が広めたからだと思う。いや、今問題はそれじゃない。チャック開いているだけじゃなく男爵令嬢のドレスによくみると白い液体が。
気付かなかったぜ。おそらく休憩所から出るときにはもうチャックは開いていたのだと予想される。白い液体もアレだろう。うげぇ。

男爵令嬢お前第二王子の新しい婚約者になったというのに騎士団長の息子の息子から出た××付けたままにしてんじゃねーよ。このくそ×××が。というか騎士団長の息子も男爵令嬢に手を出しておいてそのまま何も言わずこのまま責任取らないつもりか。いっそ私が去勢してやろうか。…このチキンうめぇ。モグモグ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

運命の歯車が壊れるとき

和泉鷹央
恋愛
 戦争に行くから、君とは結婚できない。  恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。    他の投稿サイトでも掲載しております。

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。 因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。 そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。 彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。 晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。 それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。 幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。 二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。 カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。 こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。

ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~

柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。 その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!  この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!? ※シリアス展開もわりとあります。

【完結】実家に捨てられた私は侯爵邸に拾われ、使用人としてのんびりとスローライフを満喫しています〜なお、実家はどんどん崩壊しているようです〜

よどら文鳥
恋愛
 フィアラの父は、再婚してから新たな妻と子供だけの生活を望んでいたため、フィアラは邪魔者だった。  フィアラは毎日毎日、家事だけではなく父の仕事までも強制的にやらされる毎日である。  だがフィアラが十四歳になったとある日、長く奴隷生活を続けていたデジョレーン子爵邸から抹消される運命になる。  侯爵がフィアラを除名したうえで専属使用人として雇いたいという申し出があったからだ。  金銭面で余裕のないデジョレーン子爵にとってはこのうえない案件であったため、フィアラはゴミのように捨てられた。  父の発言では『侯爵一家は非常に悪名高く、さらに過酷な日々になるだろう』と宣言していたため、フィアラは不安なまま侯爵邸へ向かう。  だが侯爵邸で待っていたのは過酷な毎日ではなくむしろ……。  いっぽう、フィアラのいなくなった子爵邸では大金が入ってきて全員が大喜び。  さっそくこの大金を手にして新たな使用人を雇う。  お金にも困らずのびのびとした生活ができるかと思っていたのだが、現実は……。

家出した伯爵令嬢【完結済】

弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。 番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています 6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております

政略結婚の約束すら守ってもらえませんでした。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 「すまない、やっぱり君の事は抱けない」初夜のベットの中で、恋焦がれた初恋の人にそう言われてしまいました。私の心は砕け散ってしまいました。初恋の人が妹を愛していると知った時、妹が死んでしまって、政略結婚でいいから結婚して欲しいと言われた時、そして今。三度もの痛手に私の心は耐えられませんでした。

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり
恋愛
 私の名前はアリスと言います。  伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。  母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。  その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。  でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。  毎日見る夢に出てくる方だったのです。

貴方といると、お茶が不味い

わらびもち
恋愛
貴方の婚約者は私。 なのに貴方は私との逢瀬に別の女性を同伴する。 王太子殿下の婚約者である令嬢を―――。

処理中です...