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帰還
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山の中を彷徨い歩いた数か月…なわけは無いです。
ほんの三日程度です、彷徨い歩いたのは。
登ってきた方角と、反対側へ尾根を進み、途中で下へ降り、川沿いを上流へ向かって進みました。
川沿いの理由の一つは、水を確保出来るから。
運が良ければ魚という食料を確保出来るから。
三日で捕まえられた魚は5匹…鮎みたいな魚でした。
木の枝に刺して、焼いて食べました。
塩が欲しかったな…。
途中、栗の木も見付け、小ぶりの栗でしたけど、落ちていたので、まだ落ちて間もない感じのを、拾って焼いて食べました。
落ちて日が経っていると、虫が入ってしまっていたりするから…いや、入っていましたけどね…でも落ちてすぐの方が、少ないし。
攫われてから、サバイバルだなぁ…。
貴族の子息令嬢のする事ではないですよね。
レイとは、他愛もない話ばかりしていました。
お互いに疲れていたし、だから重い話はしたくなくて、それに険悪な雰囲気になるのも嫌で。
昔の幼馴染との思い出も話しました。
一緒に夜祭りに行って、その帰りに見渡す限りの星を見たこと、幼馴染が星座を幾つか教えてくれたこと。
でもその星座が何かは言えませんでした…この世界と違うかもしれないから。
幼馴染と、冬にかまくらを作った事も話しました。
作り方も知らない状態で作っていたら、庭師のおじさんが手伝ってくれたこと。
実は本当は前世の父ですけど、父だって言ったら、この世界の父とは全く違うから、おかしなことになってしまうので、勝手に庭師にしてしまいました。
頑張って大きなかまくらを、頑丈に作りすぎてしまって、春になっても溶けず、ついには父に言われて、泣く泣く壊したこと。
レイは子供の頃、アンドリュー様と遊んでいて、アンジェリカ様が怒ってしまった事とか、話してくださいました。
アンドリュー様や、他の男の子たちと、湖へ釣りに行って帰ってきたら、そもそも釣りなんて好きでもないのに、誘わなかったことを凄く怒られ、以後、一年以上も釣りを禁止されてしまったこととか。
アンジェリカ様は、唯一の女の子だったので、ご両親から溺愛されているそうで、少々我儘で困っているそうで。
少々の我儘かな?
私がアルと茶会へ訪れた時、アンジェリカ様は私の事は完全無視して、アルの腕を掴んで連れ去って、右も左も分からない私を一人放置するという事をやってくれたけどな…。
まあ…レイも妹には甘いのでしょうね…その甘さの半分でも、うちの兄さまに欲しかったですよ。
そんなくだらない話をしているうちに、川の河口である湖にたどり着きました。
そのあたりには、湖を囲むように集落が沢山ありました。
次の問題は、私たちにはお金が無いという事です。
所持品は全て取り上げられていましたからねぇ。
ナイフの一本くらいは残してほしかったです。
ナイフ一本でサバイバルは随分と楽になるのに…。
うん、次からは、ナイフを隠す場所を考えよう…新たなナイフも開発したいですね…攫われても奪われないようなものを。
取り敢えず、最初の集落は通り過ぎ、次の集落で、湖で釣りをしていたおじさんに、私がここがどこなのかとか、聞きに行きました。
「おじさん!釣れる?」
「まあ、ぼちぼちだなぁ。
お嬢ちゃん、この辺の子じゃないねぇ。どっから来たんだい?」
「ん…王都から親戚のお兄ちゃんと来たんだけどね、ちょっと迷子になっちゃって…。
この辺ってどこなの?王都から遠い?」
「王都から来たのかい。
まあ遠くは無いけどお嬢ちゃん、歩いて帰るのは無理があると思うよ。」
聞けば、ここは王都の近くの街でした。
まあ…また歩けって言われたら、再び三日掛かるかな…まともに歩けてですけど。
レイに話すと、その街にはレイの従兄弟の別荘があるはずと。
行った事もあるというので、そこを目指して再び歩き始めました。
従兄弟本人が居なくても、管理しているものが居るはずだから、従兄弟に連絡を付けてもらえるだろうと。
正直言って脚はもう限界に来ておりまして、半ば引きずるようにして歩いておりました、私。
頑張ったんです…本当に頑張ったんですけどね、私…でもついに脚が動かなくなりました。
脚が固まったように持ち上がらないの。
一歩一歩持ち上げるようにしてやっと。
それではレイの従兄弟の別荘まで、何時間かかるか分からない。
なのでついに私は湖の畔に置いて行ってもらって、一人で向かってもらいました。
私は湖畔にあった大きな岩の陰に隠れていることに。
岩陰に座って、ぼうっとしていると、疲れがどっと押し寄せ、眠くなってきてしまいました。
でも…眠ったら、また攫われるのではとも思い、必死で瞼を開けていようとするのですが。
瞼が重いというのも、こういうのを言うのですね…開けていられない。
座っていたら危険だと思い、立ち上がって少しでも動こうと岩に手を掛けるのですが、今度は立ち上がれない。
脚に力が全く入らず、岩によじ登るように這い上がって、ようやく立ち上がりました。
その瞬間、こちらを凝視する人が目に入り。
瞼もしっかり開けていられず、疲労で思考回路も停止する一歩手前状態の私には、判断能力もまるでなく。
「やばい!追手に見つかった?!」
と必死で動かない身体を動かそうとしました。
次の瞬間、追手に捕まっていた…というか、抱きしめられている?!誰???
「良かった!生きていた!!!」
「あ…アルだ…。」
見えないけどその声に、相手が誰か気が付き、そのまま意識を手放してしまいました。
アルは倒れた私を滞在していた宿に寝かせ、その後、私と一緒に行方不明になったレイを探し、レイにも無事に合流出来ました。
何でも、私とレイは、駆け落ちしたのではないかという噂も出回っているそうです。
例の既成事実を作ろうとされた事といい、犯人は、私を傷者にしたいか、私とレイを無理矢理にでも一緒にしたいか、若しくは私とアルが一緒にならないようにしたいか…そのどれかしか無いでしょう。
しかし駆け落ちの噂が流れているという事は、それで私とレイが一緒にならなければ、レイも駆け落ち相手を捨てた男となってしまいますので、傷者にしたいというよりも、私とレイを一緒にしたいか、若しくは私とアルが一緒になる事を阻止したいか…。
寧ろ私とレイを一緒にしたいという方が強い気もしますが。
それで得をするのは誰だろうという話になりました。
得をする人…何人も思い当たります。
先ず、姉さまたちは、私が公爵家へ嫁ぐのは良しとはしません。
自分たちの方が立場が下になるから…侯爵家くらいが丁度良いとか思っていそう。
父さまは公爵家の方が良いと思っている気もしますが、母さまは姉さまたちの味方なので…。
更にはアンジェリカ様は、私がレイと一緒になるのは気に入らないと思っていそうですが、アルから引き離せるなら話は別となりそうです。
他にも考え始めたら、幾らでも出てくる得をする方々。
手っ取り早いのは、私たちが閉じ込められていた邸の持ち主辺りから探るのが良いのではと思いました。
と言っても、11歳児の私に出来る事は、ほぼ無いので、それはアルとレイに任せ、私はいつ、どんな時でも逃げられるように、鍛錬を積もうと思いました。
私たちは、暫く湖畔の街に滞在していましたが、王都の公爵家別邸へ戻る事にしました。
敵が分からない以上は、別邸へ戻るしかないんですよね。
アルの関係者の可能性も考えられるのですが、それでも戻るしかない。
私達が攫われて、割とすぐに、アルも別邸を飛び出し、探してくれていたそうです。
それを利用し、私はレイと二人きりでいたわけではなく、三人で雲隠れしていたことにしようと相談しました。
レイの従兄弟に協力を仰ぎ、レイの従兄弟の別荘の、更に所有する湖の中に浮かぶ孤島にあるこじんまりとした家に雲隠れしていたことにするという話でした。
その孤島の小さな家は、そもそも引っ込み思案なその従兄弟さんが、引き籠もりたくなった時のために建てられた、使用人でさえもその存在を知らない家なのだそうです。
レイはいざという時のためにその従兄弟から教えられていて、知っていたそうです。
今回の件で、その家の存在が知られてしまいますが、そもそも簡単には行けない場所にあるとかで!存在を知っても、招かれなければ島に上陸も出来ないらしいです。
だから多少は存在を知られても問題ないと言って頂けました。
そこで数日間過ごした後、私たちは王都へ帰還することになりました。
その数日間の間に体調とか整えたり、少しだけのんびり過ごしました。
それで気が付いたのですが、確かにアルと私の間に恋愛感情は無いです。
でもどうやら私を妹のように思っているようで、私が攫われたときも、アルは自ら邸を飛び出して探しに行き、公爵様が止めても聞かず、公爵家では大変だったらしいです。
アルは笑いながら話していましたが、湖畔で再会したときの、アルの疲れ切った顔に泣きそうな瞳で抱きしめてくれたことは忘れません。
帰還後は、私は暫く部屋に引き籠もり予定です。
公爵家別邸の使用人の中に、私たちを攫った犯人の協力者が居ないとは限らないし。
アルとレイがあの閉じ込められていた邸の所有者とか調べる予定です。
犯人が捕まれば良いのですが…。
ほんの三日程度です、彷徨い歩いたのは。
登ってきた方角と、反対側へ尾根を進み、途中で下へ降り、川沿いを上流へ向かって進みました。
川沿いの理由の一つは、水を確保出来るから。
運が良ければ魚という食料を確保出来るから。
三日で捕まえられた魚は5匹…鮎みたいな魚でした。
木の枝に刺して、焼いて食べました。
塩が欲しかったな…。
途中、栗の木も見付け、小ぶりの栗でしたけど、落ちていたので、まだ落ちて間もない感じのを、拾って焼いて食べました。
落ちて日が経っていると、虫が入ってしまっていたりするから…いや、入っていましたけどね…でも落ちてすぐの方が、少ないし。
攫われてから、サバイバルだなぁ…。
貴族の子息令嬢のする事ではないですよね。
レイとは、他愛もない話ばかりしていました。
お互いに疲れていたし、だから重い話はしたくなくて、それに険悪な雰囲気になるのも嫌で。
昔の幼馴染との思い出も話しました。
一緒に夜祭りに行って、その帰りに見渡す限りの星を見たこと、幼馴染が星座を幾つか教えてくれたこと。
でもその星座が何かは言えませんでした…この世界と違うかもしれないから。
幼馴染と、冬にかまくらを作った事も話しました。
作り方も知らない状態で作っていたら、庭師のおじさんが手伝ってくれたこと。
実は本当は前世の父ですけど、父だって言ったら、この世界の父とは全く違うから、おかしなことになってしまうので、勝手に庭師にしてしまいました。
頑張って大きなかまくらを、頑丈に作りすぎてしまって、春になっても溶けず、ついには父に言われて、泣く泣く壊したこと。
レイは子供の頃、アンドリュー様と遊んでいて、アンジェリカ様が怒ってしまった事とか、話してくださいました。
アンドリュー様や、他の男の子たちと、湖へ釣りに行って帰ってきたら、そもそも釣りなんて好きでもないのに、誘わなかったことを凄く怒られ、以後、一年以上も釣りを禁止されてしまったこととか。
アンジェリカ様は、唯一の女の子だったので、ご両親から溺愛されているそうで、少々我儘で困っているそうで。
少々の我儘かな?
私がアルと茶会へ訪れた時、アンジェリカ様は私の事は完全無視して、アルの腕を掴んで連れ去って、右も左も分からない私を一人放置するという事をやってくれたけどな…。
まあ…レイも妹には甘いのでしょうね…その甘さの半分でも、うちの兄さまに欲しかったですよ。
そんなくだらない話をしているうちに、川の河口である湖にたどり着きました。
そのあたりには、湖を囲むように集落が沢山ありました。
次の問題は、私たちにはお金が無いという事です。
所持品は全て取り上げられていましたからねぇ。
ナイフの一本くらいは残してほしかったです。
ナイフ一本でサバイバルは随分と楽になるのに…。
うん、次からは、ナイフを隠す場所を考えよう…新たなナイフも開発したいですね…攫われても奪われないようなものを。
取り敢えず、最初の集落は通り過ぎ、次の集落で、湖で釣りをしていたおじさんに、私がここがどこなのかとか、聞きに行きました。
「おじさん!釣れる?」
「まあ、ぼちぼちだなぁ。
お嬢ちゃん、この辺の子じゃないねぇ。どっから来たんだい?」
「ん…王都から親戚のお兄ちゃんと来たんだけどね、ちょっと迷子になっちゃって…。
この辺ってどこなの?王都から遠い?」
「王都から来たのかい。
まあ遠くは無いけどお嬢ちゃん、歩いて帰るのは無理があると思うよ。」
聞けば、ここは王都の近くの街でした。
まあ…また歩けって言われたら、再び三日掛かるかな…まともに歩けてですけど。
レイに話すと、その街にはレイの従兄弟の別荘があるはずと。
行った事もあるというので、そこを目指して再び歩き始めました。
従兄弟本人が居なくても、管理しているものが居るはずだから、従兄弟に連絡を付けてもらえるだろうと。
正直言って脚はもう限界に来ておりまして、半ば引きずるようにして歩いておりました、私。
頑張ったんです…本当に頑張ったんですけどね、私…でもついに脚が動かなくなりました。
脚が固まったように持ち上がらないの。
一歩一歩持ち上げるようにしてやっと。
それではレイの従兄弟の別荘まで、何時間かかるか分からない。
なのでついに私は湖の畔に置いて行ってもらって、一人で向かってもらいました。
私は湖畔にあった大きな岩の陰に隠れていることに。
岩陰に座って、ぼうっとしていると、疲れがどっと押し寄せ、眠くなってきてしまいました。
でも…眠ったら、また攫われるのではとも思い、必死で瞼を開けていようとするのですが。
瞼が重いというのも、こういうのを言うのですね…開けていられない。
座っていたら危険だと思い、立ち上がって少しでも動こうと岩に手を掛けるのですが、今度は立ち上がれない。
脚に力が全く入らず、岩によじ登るように這い上がって、ようやく立ち上がりました。
その瞬間、こちらを凝視する人が目に入り。
瞼もしっかり開けていられず、疲労で思考回路も停止する一歩手前状態の私には、判断能力もまるでなく。
「やばい!追手に見つかった?!」
と必死で動かない身体を動かそうとしました。
次の瞬間、追手に捕まっていた…というか、抱きしめられている?!誰???
「良かった!生きていた!!!」
「あ…アルだ…。」
見えないけどその声に、相手が誰か気が付き、そのまま意識を手放してしまいました。
アルは倒れた私を滞在していた宿に寝かせ、その後、私と一緒に行方不明になったレイを探し、レイにも無事に合流出来ました。
何でも、私とレイは、駆け落ちしたのではないかという噂も出回っているそうです。
例の既成事実を作ろうとされた事といい、犯人は、私を傷者にしたいか、私とレイを無理矢理にでも一緒にしたいか、若しくは私とアルが一緒にならないようにしたいか…そのどれかしか無いでしょう。
しかし駆け落ちの噂が流れているという事は、それで私とレイが一緒にならなければ、レイも駆け落ち相手を捨てた男となってしまいますので、傷者にしたいというよりも、私とレイを一緒にしたいか、若しくは私とアルが一緒になる事を阻止したいか…。
寧ろ私とレイを一緒にしたいという方が強い気もしますが。
それで得をするのは誰だろうという話になりました。
得をする人…何人も思い当たります。
先ず、姉さまたちは、私が公爵家へ嫁ぐのは良しとはしません。
自分たちの方が立場が下になるから…侯爵家くらいが丁度良いとか思っていそう。
父さまは公爵家の方が良いと思っている気もしますが、母さまは姉さまたちの味方なので…。
更にはアンジェリカ様は、私がレイと一緒になるのは気に入らないと思っていそうですが、アルから引き離せるなら話は別となりそうです。
他にも考え始めたら、幾らでも出てくる得をする方々。
手っ取り早いのは、私たちが閉じ込められていた邸の持ち主辺りから探るのが良いのではと思いました。
と言っても、11歳児の私に出来る事は、ほぼ無いので、それはアルとレイに任せ、私はいつ、どんな時でも逃げられるように、鍛錬を積もうと思いました。
私たちは、暫く湖畔の街に滞在していましたが、王都の公爵家別邸へ戻る事にしました。
敵が分からない以上は、別邸へ戻るしかないんですよね。
アルの関係者の可能性も考えられるのですが、それでも戻るしかない。
私達が攫われて、割とすぐに、アルも別邸を飛び出し、探してくれていたそうです。
それを利用し、私はレイと二人きりでいたわけではなく、三人で雲隠れしていたことにしようと相談しました。
レイの従兄弟に協力を仰ぎ、レイの従兄弟の別荘の、更に所有する湖の中に浮かぶ孤島にあるこじんまりとした家に雲隠れしていたことにするという話でした。
その孤島の小さな家は、そもそも引っ込み思案なその従兄弟さんが、引き籠もりたくなった時のために建てられた、使用人でさえもその存在を知らない家なのだそうです。
レイはいざという時のためにその従兄弟から教えられていて、知っていたそうです。
今回の件で、その家の存在が知られてしまいますが、そもそも簡単には行けない場所にあるとかで!存在を知っても、招かれなければ島に上陸も出来ないらしいです。
だから多少は存在を知られても問題ないと言って頂けました。
そこで数日間過ごした後、私たちは王都へ帰還することになりました。
その数日間の間に体調とか整えたり、少しだけのんびり過ごしました。
それで気が付いたのですが、確かにアルと私の間に恋愛感情は無いです。
でもどうやら私を妹のように思っているようで、私が攫われたときも、アルは自ら邸を飛び出して探しに行き、公爵様が止めても聞かず、公爵家では大変だったらしいです。
アルは笑いながら話していましたが、湖畔で再会したときの、アルの疲れ切った顔に泣きそうな瞳で抱きしめてくれたことは忘れません。
帰還後は、私は暫く部屋に引き籠もり予定です。
公爵家別邸の使用人の中に、私たちを攫った犯人の協力者が居ないとは限らないし。
アルとレイがあの閉じ込められていた邸の所有者とか調べる予定です。
犯人が捕まれば良いのですが…。
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