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5.貴族の結婚は大概が政略結婚
しおりを挟む王城でのパーティから数日。私はまだ王都の別荘にいた。
普段なら今日や明日にはここを出て領地に戻ろうと思っていたのだが、城勤めのお父様からもうしばらく滞在するように昨日言われた。
これは別の話になるが、この前のパーティの時、レティシアに婚約の話が上がっているという話題で盛り上がっていた。今までも何度か婚約話はあったものの、どれもすぐ消えてしまうような話ばかりであったが、今回はどうも濃厚らしい。レティシアも「ついに私も婚約かしらね」と半ば諦めていた。あんなにも恋愛結婚を望んでいたのに。まあ、彼女は理想だけ高くてそんな殿方どこにいるんだよって言いたくなるから、親に婚約相手を決められた方が良いのかもしれないとも思った。この国の貴族令嬢は恋愛結婚に憧れはするものの、政略結婚が主流である為だれも文句は言わない。そして、私を含め他3人で、私達もそろそろねなんて話をしていたところであった。
そんな中のお父様からの王都滞在を言い渡された私としては、もしかして…?と嫌な予感がしてならない。
夕方になってお父様が帰ってきた。そして夕飯時。お父様とお兄様と私の3人で夕食をとる。母は領地にいるようだ。
そこでお父様から話を切り出される。
「エリアナ、きみはもう18になったのだったな」
お父様がナイフとフォークを置いて問いかけてきた。
え、ナイフとフォーク置かないと話せないような内容?
私と兄も空気を読んでナイフとフォークを置く。
「ええ、お父様。18だよ」
「もう、成人だもんな」
「ええ」
「……」
え、なに?
これ、まじで婚約とか言われそうな流れじゃない?
お父様は俯いて下唇を噛み出した。あれはお父様が不満がある時の癖だ。
お父様が一向に話を進めないのでお兄様に助けを求めるように見つめた。
お兄様はコクっと頷いて口を開く。
「父様、もしかしてエリアナに婚約の打診が…?」
兄が聞くと大きく頷く父。
やっぱりか……
「ちなみに、お相手は?」
兄が続け様に聞く。
「…フェルナンド・マルティス公爵閣下」
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