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悪戯の1月
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「君は、どうして今ここにいるのかな?」
「え? そんなこと聞くの? さくらさん、俺に言わせたいの? 欲しがるなあ」
「はいはい」
祝日の月曜日。予定もなく暇だという彼は、正門が施錠されていることに、つい先程舌打ちをしていた。
まあ、随分といろんな顔を見せてくれるようになったものだ。今もそこで、平然と欠伸をしている。
「寝不足?」
また、遅くまでゲームでもしていたのだろうか。まあ連休なのだ。大概が遅寝遅起きだろう。
「んー、今日は朝早くから家族がバタバタしてて、起こされたんだ」
「へえ? 何かあるの?」
「我が家のお姉様が、今日成人式で。着付けとかセットとか写真とか。もう母さんと二人して、バッタバタ」
「へえ、そうなんだ……おめでとう」
「ありがとう、さくらさん」
今日は、成人の日なのか……私は迎えることのできなかった――
「さくらさん?」
いかんいかん。すぐにマイナス思考がひょっこり顔を出す。そのぴょこっと現れたものを霧散させるように、私はぶんぶんと頭を振った。考えたって仕方のないことを思うのは、やめよう。と、そこに四、五十代くらいの花束を持った女性が現れた。
「あら……」
「あ……」
彼は、どうやら彼女を知っているようだった。互いに会釈をしている。
女性は、持っていた花束を門のそばへ置いた。そして、静かに手を合わせている。その瞬間、頭痛が走った。
「そういえば、ここへ進学したのだったわね」
「はい……」
「そんな顔をしないで。あの子が悲しむわ」
「……はい。あの、今日はどうして……」
「この近くで、用事があったの。寄れる時は寄ることにしているのよ……数年は、ここへ来られなかったから。だから、少しでもね」
女性の眼差しは、とても穏やかだった。
ああ……私は、この瞳を知っている――良かった。随分と、優しい顔をしている。
「どうしてだか、あの子はお墓や家よりも、他のどこよりも、ここにいる気がしてならないの。おかしいわよね」
フフッと笑ってみせて、彼女は近くに停まっていた車へ踵を返す。その手には、先程の花束があった。
「今から、お墓へ?」
「ええ。そうだ。この前のお花、貴方でしょう? 綺麗なお花を、どうもありがとう」
「いえ……」
「今日も寒いわ。風邪をひかないようにね」
「はい。ありがとうございます」
運転席には、同じく穏やかな顔をした男性が座っていた。女性が助手席に乗ると、間もなく車は走り去っていく。彼はその姿が見えなくなるまで、頭を下げていた。
「数年前から来ていた、花束の人……私宛てだったんだ」
事故死だとは露ほども思っていなかったために、わからなかった。
私は家族の顔さえ、覚えてはいなかったのだ。
「とても優しい、素敵なご両親だね。泣き続ける俺を責めるでもなく、ただただ一緒に泣いてくれたんだ。優しく、してくれたんだよ」
「そう……」
私は、ただただ彼らの去っていった方角をじっと見つめていた。そんな私の隣で、彼は黙ってそばにいてくれていた。
「私のお墓にも行ってくれていたの?」
「ああ、うん……ここにいるのは知ってるんだけど。それでも、花屋の前を通るとさ、いつもさくらさんの顔が浮かぶんだ。この色の花、好きそうだなーとか。毎月、月命日には行かせてもらってる」
「そんなにも? ……ありがとう」
「俺がしたいことをしてるだけだよ」
「それでもだよ。ありがとう」
目を閉じれば、先程の綺麗な花が瞼の裏で鮮やかに咲いていた。
「私ね、病気が悪化したの」
ふいに口をついて出たのは、花が繋いだ記憶だった。
「思い、出したの?」
「うん……」
それは、事故の日の少し前のこと。夏の終わりの、まだ暑い、蝉の鳴き声が響き渡る日。
私は突如倒れて、病院へと運ばれた。
それまで定期検査も問題なく受けて、毎日処方された薬を飲んでいた。
検査は、痛くて辛いものもあった。それでもその瞬間だけはと、良くなるからという言葉を信じ、耐えて過ごしていた。
そんな中の、突然の出来事。
担当の医師から告げられたのは、私にとって酷なことだった。
「病状の進行が早いです。治療を変えていこうと思います」
ずっと続けていた、あの痛くて耐えていたことは何だったの?
それは全部、意味がなかったというのだろうか。無意味だったと、そういうのだろうか。
良くなるからという言葉をただただ信じて、頑張ってきたというのに。それなのに……。
もう私の耳には、その後の親と医者の会話は、一切入ってくることはなかった。
「それで、治療を続けたの?」
「うん……もっと、苦しくなった。薬も副作用のあるものになって――その薬の袋を渡してくるお母さんを、恨んでしまうくらいに」
こんな思いをしているのを知っていて。こんな姿を見ていて。
それなのに、やめていいとは言ってくれない。
それどころか、続けろと、頑張れと、そう言ってくる――本当に訪れるかわからない、いつかのために。
いつか? いつかっていつ?
頑張れ? もうこんなにも頑張っているのに?
これ以上、終わりも先も見えない真っ暗闇で、何をどう頑張れというのだろうか。
「その頃だったと思う。私が私を、無意識に傷付け始めたのは」
心はもう終えたいと願っているのに――しかし体は、本能的に生きようとしていた。
心と体は一体というならば。それならば、私はそれでも本当は生きたかったと思っていたということなのだろうか――
「自分で自分がわからなくなったの……自分のことなのに」
「あるよね……そういう時」
「……どうも、私たちは似ている。似てしまっているね」
それ故に。
「慰め合えるし、共感できるし、傷を舐め合える」
それでも。
「そんなぬるま湯に浸かっていたくも、ないんだよね……」
「さくらさんは、強いから」
「弱いよ。弱いから、逃げたんだ」
「え――?」
「私、治療から逃げたの」
あの事故の日。本当は早く帰って、病院に行く日だった。だけど行くのが嫌で、適当に用事を作って学校に残っていた。
それでも、いつまでもはいられなくて、公園にでも行こうかと正門を通った時だった。
「君が、トラックに向かって行くのを見たの」
カバンも何もかもを放り投げて。ただただ、体が動いていた。
「頭にあったのは、何よりも君だった」
走ってはいけない体のこととか、これで終われるとか、解放されるとか、毒林檎のような薬のこととか――そんなことは、一切吹き飛んでいた。
ただただ目の前の、小さな体――その背中に貼られた、大きく理不尽なレッテルごとを突き飛ばすように、この手を伸ばしていた。
「その頃から、そうだったんだね……私たち、変わらない――言葉が、足りない」
もっと甘えていれば。
もっとワガママだったなら。
もっと鈍感だったなら。
もっと勇気があれば。
もっと、もっと――
「ねえ、私たち……自己中の悪い子だね」
「本当に」
自分のことばかり考えていたことにすら気付かずに。閉じこもって、嘆いて傷付けて。
それをただ見守るしかできないことが、どれだけ辛かったか。
今更気付いたところで、もう取り戻せやしないのに。
「ごめんなさい……」
もう、届きはしないのに。後悔は、いつだって私をこうして責めに来るのだ。
「きっと、さくらさんの想いは、ご両親に伝わっているよ。俺、聞いたことがあるんだ」
「え?」
「夢に出てきたって言ってたよ」
「夢?」
いつの話なのだろうか。
そして私は、夢へと潜り込んだ覚えはない。だって今の今まで、家族の記憶などなかったのだから。
私は、ここから出られないのだから。
「さくらさんが息を引き取った、その晩だって言ってた」
「ふうん……でも私は――ん?」
願望でも見ていたのだろうと思っていた。だが、そうでもないかもしれない。
最期はもう目も見えなかったから……だから――
「出たかも」
「え?」
「ただ、もう一度――」
そうだ。最期に、見ておきたくて。
「声が出なかったから、ただただ笑ったの……」
ごめんなさいと、ありがとうを込めて。
「うん……泣きそうな顔で笑ってたって、そう言ってたよ」
「そっか……」
だからといって、取り戻せはしないのだけれど。
それでも、幾ばくかは違うような、そんな気がした。
「え? そんなこと聞くの? さくらさん、俺に言わせたいの? 欲しがるなあ」
「はいはい」
祝日の月曜日。予定もなく暇だという彼は、正門が施錠されていることに、つい先程舌打ちをしていた。
まあ、随分といろんな顔を見せてくれるようになったものだ。今もそこで、平然と欠伸をしている。
「寝不足?」
また、遅くまでゲームでもしていたのだろうか。まあ連休なのだ。大概が遅寝遅起きだろう。
「んー、今日は朝早くから家族がバタバタしてて、起こされたんだ」
「へえ? 何かあるの?」
「我が家のお姉様が、今日成人式で。着付けとかセットとか写真とか。もう母さんと二人して、バッタバタ」
「へえ、そうなんだ……おめでとう」
「ありがとう、さくらさん」
今日は、成人の日なのか……私は迎えることのできなかった――
「さくらさん?」
いかんいかん。すぐにマイナス思考がひょっこり顔を出す。そのぴょこっと現れたものを霧散させるように、私はぶんぶんと頭を振った。考えたって仕方のないことを思うのは、やめよう。と、そこに四、五十代くらいの花束を持った女性が現れた。
「あら……」
「あ……」
彼は、どうやら彼女を知っているようだった。互いに会釈をしている。
女性は、持っていた花束を門のそばへ置いた。そして、静かに手を合わせている。その瞬間、頭痛が走った。
「そういえば、ここへ進学したのだったわね」
「はい……」
「そんな顔をしないで。あの子が悲しむわ」
「……はい。あの、今日はどうして……」
「この近くで、用事があったの。寄れる時は寄ることにしているのよ……数年は、ここへ来られなかったから。だから、少しでもね」
女性の眼差しは、とても穏やかだった。
ああ……私は、この瞳を知っている――良かった。随分と、優しい顔をしている。
「どうしてだか、あの子はお墓や家よりも、他のどこよりも、ここにいる気がしてならないの。おかしいわよね」
フフッと笑ってみせて、彼女は近くに停まっていた車へ踵を返す。その手には、先程の花束があった。
「今から、お墓へ?」
「ええ。そうだ。この前のお花、貴方でしょう? 綺麗なお花を、どうもありがとう」
「いえ……」
「今日も寒いわ。風邪をひかないようにね」
「はい。ありがとうございます」
運転席には、同じく穏やかな顔をした男性が座っていた。女性が助手席に乗ると、間もなく車は走り去っていく。彼はその姿が見えなくなるまで、頭を下げていた。
「数年前から来ていた、花束の人……私宛てだったんだ」
事故死だとは露ほども思っていなかったために、わからなかった。
私は家族の顔さえ、覚えてはいなかったのだ。
「とても優しい、素敵なご両親だね。泣き続ける俺を責めるでもなく、ただただ一緒に泣いてくれたんだ。優しく、してくれたんだよ」
「そう……」
私は、ただただ彼らの去っていった方角をじっと見つめていた。そんな私の隣で、彼は黙ってそばにいてくれていた。
「私のお墓にも行ってくれていたの?」
「ああ、うん……ここにいるのは知ってるんだけど。それでも、花屋の前を通るとさ、いつもさくらさんの顔が浮かぶんだ。この色の花、好きそうだなーとか。毎月、月命日には行かせてもらってる」
「そんなにも? ……ありがとう」
「俺がしたいことをしてるだけだよ」
「それでもだよ。ありがとう」
目を閉じれば、先程の綺麗な花が瞼の裏で鮮やかに咲いていた。
「私ね、病気が悪化したの」
ふいに口をついて出たのは、花が繋いだ記憶だった。
「思い、出したの?」
「うん……」
それは、事故の日の少し前のこと。夏の終わりの、まだ暑い、蝉の鳴き声が響き渡る日。
私は突如倒れて、病院へと運ばれた。
それまで定期検査も問題なく受けて、毎日処方された薬を飲んでいた。
検査は、痛くて辛いものもあった。それでもその瞬間だけはと、良くなるからという言葉を信じ、耐えて過ごしていた。
そんな中の、突然の出来事。
担当の医師から告げられたのは、私にとって酷なことだった。
「病状の進行が早いです。治療を変えていこうと思います」
ずっと続けていた、あの痛くて耐えていたことは何だったの?
それは全部、意味がなかったというのだろうか。無意味だったと、そういうのだろうか。
良くなるからという言葉をただただ信じて、頑張ってきたというのに。それなのに……。
もう私の耳には、その後の親と医者の会話は、一切入ってくることはなかった。
「それで、治療を続けたの?」
「うん……もっと、苦しくなった。薬も副作用のあるものになって――その薬の袋を渡してくるお母さんを、恨んでしまうくらいに」
こんな思いをしているのを知っていて。こんな姿を見ていて。
それなのに、やめていいとは言ってくれない。
それどころか、続けろと、頑張れと、そう言ってくる――本当に訪れるかわからない、いつかのために。
いつか? いつかっていつ?
頑張れ? もうこんなにも頑張っているのに?
これ以上、終わりも先も見えない真っ暗闇で、何をどう頑張れというのだろうか。
「その頃だったと思う。私が私を、無意識に傷付け始めたのは」
心はもう終えたいと願っているのに――しかし体は、本能的に生きようとしていた。
心と体は一体というならば。それならば、私はそれでも本当は生きたかったと思っていたということなのだろうか――
「自分で自分がわからなくなったの……自分のことなのに」
「あるよね……そういう時」
「……どうも、私たちは似ている。似てしまっているね」
それ故に。
「慰め合えるし、共感できるし、傷を舐め合える」
それでも。
「そんなぬるま湯に浸かっていたくも、ないんだよね……」
「さくらさんは、強いから」
「弱いよ。弱いから、逃げたんだ」
「え――?」
「私、治療から逃げたの」
あの事故の日。本当は早く帰って、病院に行く日だった。だけど行くのが嫌で、適当に用事を作って学校に残っていた。
それでも、いつまでもはいられなくて、公園にでも行こうかと正門を通った時だった。
「君が、トラックに向かって行くのを見たの」
カバンも何もかもを放り投げて。ただただ、体が動いていた。
「頭にあったのは、何よりも君だった」
走ってはいけない体のこととか、これで終われるとか、解放されるとか、毒林檎のような薬のこととか――そんなことは、一切吹き飛んでいた。
ただただ目の前の、小さな体――その背中に貼られた、大きく理不尽なレッテルごとを突き飛ばすように、この手を伸ばしていた。
「その頃から、そうだったんだね……私たち、変わらない――言葉が、足りない」
もっと甘えていれば。
もっとワガママだったなら。
もっと鈍感だったなら。
もっと勇気があれば。
もっと、もっと――
「ねえ、私たち……自己中の悪い子だね」
「本当に」
自分のことばかり考えていたことにすら気付かずに。閉じこもって、嘆いて傷付けて。
それをただ見守るしかできないことが、どれだけ辛かったか。
今更気付いたところで、もう取り戻せやしないのに。
「ごめんなさい……」
もう、届きはしないのに。後悔は、いつだって私をこうして責めに来るのだ。
「きっと、さくらさんの想いは、ご両親に伝わっているよ。俺、聞いたことがあるんだ」
「え?」
「夢に出てきたって言ってたよ」
「夢?」
いつの話なのだろうか。
そして私は、夢へと潜り込んだ覚えはない。だって今の今まで、家族の記憶などなかったのだから。
私は、ここから出られないのだから。
「さくらさんが息を引き取った、その晩だって言ってた」
「ふうん……でも私は――ん?」
願望でも見ていたのだろうと思っていた。だが、そうでもないかもしれない。
最期はもう目も見えなかったから……だから――
「出たかも」
「え?」
「ただ、もう一度――」
そうだ。最期に、見ておきたくて。
「声が出なかったから、ただただ笑ったの……」
ごめんなさいと、ありがとうを込めて。
「うん……泣きそうな顔で笑ってたって、そう言ってたよ」
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