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瞬きの9月
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「お前が、さくら?」
「…………どちら様ですか?」
彼が教室へと向かったその後で、見知らぬ子に声を掛けられた。
さらりとした烏の濡れ羽色の髪に、雪のように白い肌。私よりも低い背に、大きな瞳。顔は、とても小さい。まるで、人形のように可愛らしい子だ。
一見すると美少女であるその子は、しかし、男子用の制服を着ていた。
なんと可愛い男の子だろうか。その辺の女子よりも可愛いではないか。
声も、容姿に似たあどけなさを残す、高いもの。どうやら、声変わりがまだらしい。
一年生かな? 彼の知り合いだろうか?
「ふん……思ったより、芋っぽいな」
「――はい?」
この子、今何て言った? 芋? 失礼な!
「聞こえなかったの? 間抜けな声出して……垢抜けてない。田舎っぽい。ダサいって言ったんだけど」
「ちょっ……ダサいも何も、見ての通り制服姿ですし? というか、何で見ず知らずの君に、そこまで言われないとならないわけ?」
顔に似合わず、言葉が悪い。表情も人を小馬鹿にしたようなそれで、見ていてイライラした。
「だから、その制服を基本通り真面目に着てるのが、ダサいんだって。おばさん」
「お、おば……!」
な、何? 何なのこの子! 初対面で、失礼な。
そういえば、いきなり呼び捨てにされていた気がする! しかも、お前って言っていた。
声を掛けられたという事実に驚き、思わず聞き流してしまっていたけれど……諸々併せて、ムカつく!
「――って、そんなことよりも……君、私が見えているの?」
「今更。ってか、それって確認しないといけないわけ?」
「む……」
いちいち鼻につく。私は、先程から終始半眼だった。
「見えてるし、声も聞こえてるよ、先輩。じゃなきゃ、会話成立しないでしょ」
「そうだけど……でも……」
「でも、何? 今までは、たとえ見えていても、誰もが見えないフリして、声掛けてこなかったのに――って?」
「そうよ。いきなり、何なの? それに、どうして私の名前を知っているの?」
「さあね。気が向いただけ。気紛れだよ」
「気紛れ?」
その気紛れで、私は暴言を浴びせられているってこと?
何でよ! というか、全然答えになっていないのだけど?
「……ムカつくから。僕、お前のこと嫌い。大っ嫌い」
「はあ? 何、いきなり……どうして、私がそんなことを言われないといけないの? 私が君に、何をしたっていうのよ」
「直接は何もされてない。だけど、そんなこと関係ない。だって、お前が死んでいるのが悪いんだから」
「――え?」
私は混乱する。私の死が、どうして悪いって言うの?
しかし、何も言えなかった。向けられる視線で射竦められてしまったかのように、動けない。
これが、憎悪か――その言葉がしっくりくるほどに、彼の視線は仄暗い炎のようだった。
「お前は死んだ。なのに、未だここにいる。……何でなんだよ! お前が、死んだくせにこんなところにいるから! だから、レオはお前に囚われたままなんだ!」
レオ……それって、彼のことだよね? この子、やっぱりレオくんの知り合い? だから、私の名前も知っているの?
もしかして――
「君も、レオくんのことが好きなの?」
「――は、はあ?」
私の問いに、途端声が裏返る美少年。みるみるうちに、その顔は真っ赤に染まった。先程までの迫力は、微塵も残っていない。
「もって、何だよ。もって! お前と一緒にするな!」
「……それって、私が想う気持ちよりも、君の方がレオくんのことを好きってこと? じゃあ、図星だったんだ。私がレオくんと付き合っているのが気にくわないとか、そういう話?」
「はあ? おっまえ! ふざけんなよ! 何言ってんだ! 僕とレオは、小学三年生の時からの幼なじみだ! 僕は、レオの保護者なんだからな!」
幼なじみなのに、保護者なの?
「えっと、とりあえず、友達ってことだよね」
「そんな生温いものか。僕たちは、親友だ」
「そう……」
とにかく、友達ということか。
「えっと、だから好きなんだよね? レオくんのこと」
だから、私のことを敵視していると。そういうことか。
「大丈夫。レオくんなら、同性だからって引かないでいてくれるよ。……たぶん」
「たぶんって何だよ。取ってつけたように言うな。ってか、大丈夫って何だ。僕は親友として、保護者として、レオのことが心配なだけだ。ややこしい方に話を持っていこうとするな!」
「え? 恋愛感情的な意味で好きだから、彼女の私が嫌いなんじゃないの?」
「お前……人の話をちゃんと聞いてたか? 芋な上に、馬鹿なのか?」
「馬鹿……あのさ、あんまり調子に乗っていると、いくら温厚な私でも怒るよ?」
「は? 調子乗ってんのは、お前だろうが。幽霊のくせに、何が彼女だ。レオは、生きた人間なんだよ。幽霊と人間がまっとうな恋愛なんてできるか。さっさと成仏しやがれ」
再び真剣な顔つきになる、目の前の美少年。その瞳は鋭くて、ただの暴言でないことが窺えた。
「……できるなら、とっくにやっている。好きで、十年もこんなところにいない」
ムッとして、睨み返す。そのまましばらく睨み合っていたが、やがて彼の視線がついと逸れた。
「そうかよ。だけどな、お前の事情なんか僕は知らない。知ったことか。それよりも、このままだとレオは不幸になる。僕は、それだけは見過ごせない。それだけは、許せない」
「どうして、不幸になるなんて……」
「どうして? じゃあ、逆に聞いてやろうか? お前は、どうしてこのままいけば、レオが幸せになれるなんて思えるんだ?」
「それは……」
私は、思わず口ごもる。目の前の彼が、片目を眇めた。腕を組んで、斜に構える。
「心当たりがあるから答えられないんだろ? 即答できないやつに、レオは渡せない。僕が、レオの目を覚まさせる。絶対に、別れさせてやる。つか、別れろ」
「嫌」
「レオのことが大事なら、別れるべきだ」
「絶対に嫌」
「別れろよ」
「嫌ったら嫌」
「強情だな」
「君に言われたくない」
互いに睨み合う。口火を切ったのは、私だった。
「ねえ」
「何だよ」
「授業、行かなくて良いの?」
鳴り響くのは、チャイム。このままでは、遅れてしまうのではないだろうか。
「――っ……仕方ない。僕は真面目だから行くけど、また来るからな! 絶対に別れさせてやる!」
そんな捨て台詞を吐いて、彼は校舎へと走っていった。
「もう来なくて良いんだけどな……」
そううんざりしながら、私は小さな背を見送る。名も知らない彼に言われた言葉が、目の前をちらついていた。
「このままだと、彼が不幸になる――か」
私は、とすりと桜の木に背を預けた。台風の日のことが、脳裏を掠める。あんな風に無茶を続ければ、いつかは――
そこまで思考して、頭をぶんぶんと横に振った。
「大丈夫。彼は約束してくれた。だから、大丈夫……」
自身へ言い聞かせるように、何度も繰り返した。まるで、何かの呪文のように。
「あ、名前を聞いていない」
これでは、彼に確認しづらい。いや、あれだけの美少年だ。容姿でわかるだろう。
「いや、それよりも……もしかしたら、怒るかな?」
敵視されているとはいえ、男の子だ。彼の友達らしいが、自分以外の人と、それも男の子と会話したと知れたら、機嫌を損ねるかもしれない。
「いや、まさかそこまで……でも……」
独占欲というか、嫉妬というか。少し、可愛いというレベルを超えている彼。あの美少年の言動も、不穏なものだ。まず、私自身が戸惑いと混乱の渦中にいる。心配の種は、これ以上増やしたくない。そのため、少し様子を見た方が良いかもしれない。
「あーあ、もう……いったい何なのよ……」
泣いて、笑って、怒って……本当に、忙しい日々だ。
「悔しいな……」
楽しいのに、悔しい。
彼と出会って、感情を取り戻したかのように、景色に色が咲いた。だからこそ、悔しい。
「レオくん……私たち、幸せだよね?」
即答したかった。胸を張って言いたかった。私たちは、幸せだって。
だけど、できなかった。どうしてか、言えなかった。
「幸せって、何? どうなったら、幸せ?」
私は、幸せだよ。だけど、レオくんは幸せ?
一緒だと思っていたけれど、本当にそうなの? 彼の言うとおり、このままだと不幸になるの?
「痛いなあ……」
あの子から向けられた数々の言葉たちが、ぐさぐさと私に刺さる。わかっているからこそ、尚更受け入れられなかった。
「私からは、別れない……絶対に……」
呟いた声音は、非常に弱々しいもので。それは、あっさりと吹く風に攫われていってしまった。
「…………どちら様ですか?」
彼が教室へと向かったその後で、見知らぬ子に声を掛けられた。
さらりとした烏の濡れ羽色の髪に、雪のように白い肌。私よりも低い背に、大きな瞳。顔は、とても小さい。まるで、人形のように可愛らしい子だ。
一見すると美少女であるその子は、しかし、男子用の制服を着ていた。
なんと可愛い男の子だろうか。その辺の女子よりも可愛いではないか。
声も、容姿に似たあどけなさを残す、高いもの。どうやら、声変わりがまだらしい。
一年生かな? 彼の知り合いだろうか?
「ふん……思ったより、芋っぽいな」
「――はい?」
この子、今何て言った? 芋? 失礼な!
「聞こえなかったの? 間抜けな声出して……垢抜けてない。田舎っぽい。ダサいって言ったんだけど」
「ちょっ……ダサいも何も、見ての通り制服姿ですし? というか、何で見ず知らずの君に、そこまで言われないとならないわけ?」
顔に似合わず、言葉が悪い。表情も人を小馬鹿にしたようなそれで、見ていてイライラした。
「だから、その制服を基本通り真面目に着てるのが、ダサいんだって。おばさん」
「お、おば……!」
な、何? 何なのこの子! 初対面で、失礼な。
そういえば、いきなり呼び捨てにされていた気がする! しかも、お前って言っていた。
声を掛けられたという事実に驚き、思わず聞き流してしまっていたけれど……諸々併せて、ムカつく!
「――って、そんなことよりも……君、私が見えているの?」
「今更。ってか、それって確認しないといけないわけ?」
「む……」
いちいち鼻につく。私は、先程から終始半眼だった。
「見えてるし、声も聞こえてるよ、先輩。じゃなきゃ、会話成立しないでしょ」
「そうだけど……でも……」
「でも、何? 今までは、たとえ見えていても、誰もが見えないフリして、声掛けてこなかったのに――って?」
「そうよ。いきなり、何なの? それに、どうして私の名前を知っているの?」
「さあね。気が向いただけ。気紛れだよ」
「気紛れ?」
その気紛れで、私は暴言を浴びせられているってこと?
何でよ! というか、全然答えになっていないのだけど?
「……ムカつくから。僕、お前のこと嫌い。大っ嫌い」
「はあ? 何、いきなり……どうして、私がそんなことを言われないといけないの? 私が君に、何をしたっていうのよ」
「直接は何もされてない。だけど、そんなこと関係ない。だって、お前が死んでいるのが悪いんだから」
「――え?」
私は混乱する。私の死が、どうして悪いって言うの?
しかし、何も言えなかった。向けられる視線で射竦められてしまったかのように、動けない。
これが、憎悪か――その言葉がしっくりくるほどに、彼の視線は仄暗い炎のようだった。
「お前は死んだ。なのに、未だここにいる。……何でなんだよ! お前が、死んだくせにこんなところにいるから! だから、レオはお前に囚われたままなんだ!」
レオ……それって、彼のことだよね? この子、やっぱりレオくんの知り合い? だから、私の名前も知っているの?
もしかして――
「君も、レオくんのことが好きなの?」
「――は、はあ?」
私の問いに、途端声が裏返る美少年。みるみるうちに、その顔は真っ赤に染まった。先程までの迫力は、微塵も残っていない。
「もって、何だよ。もって! お前と一緒にするな!」
「……それって、私が想う気持ちよりも、君の方がレオくんのことを好きってこと? じゃあ、図星だったんだ。私がレオくんと付き合っているのが気にくわないとか、そういう話?」
「はあ? おっまえ! ふざけんなよ! 何言ってんだ! 僕とレオは、小学三年生の時からの幼なじみだ! 僕は、レオの保護者なんだからな!」
幼なじみなのに、保護者なの?
「えっと、とりあえず、友達ってことだよね」
「そんな生温いものか。僕たちは、親友だ」
「そう……」
とにかく、友達ということか。
「えっと、だから好きなんだよね? レオくんのこと」
だから、私のことを敵視していると。そういうことか。
「大丈夫。レオくんなら、同性だからって引かないでいてくれるよ。……たぶん」
「たぶんって何だよ。取ってつけたように言うな。ってか、大丈夫って何だ。僕は親友として、保護者として、レオのことが心配なだけだ。ややこしい方に話を持っていこうとするな!」
「え? 恋愛感情的な意味で好きだから、彼女の私が嫌いなんじゃないの?」
「お前……人の話をちゃんと聞いてたか? 芋な上に、馬鹿なのか?」
「馬鹿……あのさ、あんまり調子に乗っていると、いくら温厚な私でも怒るよ?」
「は? 調子乗ってんのは、お前だろうが。幽霊のくせに、何が彼女だ。レオは、生きた人間なんだよ。幽霊と人間がまっとうな恋愛なんてできるか。さっさと成仏しやがれ」
再び真剣な顔つきになる、目の前の美少年。その瞳は鋭くて、ただの暴言でないことが窺えた。
「……できるなら、とっくにやっている。好きで、十年もこんなところにいない」
ムッとして、睨み返す。そのまましばらく睨み合っていたが、やがて彼の視線がついと逸れた。
「そうかよ。だけどな、お前の事情なんか僕は知らない。知ったことか。それよりも、このままだとレオは不幸になる。僕は、それだけは見過ごせない。それだけは、許せない」
「どうして、不幸になるなんて……」
「どうして? じゃあ、逆に聞いてやろうか? お前は、どうしてこのままいけば、レオが幸せになれるなんて思えるんだ?」
「それは……」
私は、思わず口ごもる。目の前の彼が、片目を眇めた。腕を組んで、斜に構える。
「心当たりがあるから答えられないんだろ? 即答できないやつに、レオは渡せない。僕が、レオの目を覚まさせる。絶対に、別れさせてやる。つか、別れろ」
「嫌」
「レオのことが大事なら、別れるべきだ」
「絶対に嫌」
「別れろよ」
「嫌ったら嫌」
「強情だな」
「君に言われたくない」
互いに睨み合う。口火を切ったのは、私だった。
「ねえ」
「何だよ」
「授業、行かなくて良いの?」
鳴り響くのは、チャイム。このままでは、遅れてしまうのではないだろうか。
「――っ……仕方ない。僕は真面目だから行くけど、また来るからな! 絶対に別れさせてやる!」
そんな捨て台詞を吐いて、彼は校舎へと走っていった。
「もう来なくて良いんだけどな……」
そううんざりしながら、私は小さな背を見送る。名も知らない彼に言われた言葉が、目の前をちらついていた。
「このままだと、彼が不幸になる――か」
私は、とすりと桜の木に背を預けた。台風の日のことが、脳裏を掠める。あんな風に無茶を続ければ、いつかは――
そこまで思考して、頭をぶんぶんと横に振った。
「大丈夫。彼は約束してくれた。だから、大丈夫……」
自身へ言い聞かせるように、何度も繰り返した。まるで、何かの呪文のように。
「あ、名前を聞いていない」
これでは、彼に確認しづらい。いや、あれだけの美少年だ。容姿でわかるだろう。
「いや、それよりも……もしかしたら、怒るかな?」
敵視されているとはいえ、男の子だ。彼の友達らしいが、自分以外の人と、それも男の子と会話したと知れたら、機嫌を損ねるかもしれない。
「いや、まさかそこまで……でも……」
独占欲というか、嫉妬というか。少し、可愛いというレベルを超えている彼。あの美少年の言動も、不穏なものだ。まず、私自身が戸惑いと混乱の渦中にいる。心配の種は、これ以上増やしたくない。そのため、少し様子を見た方が良いかもしれない。
「あーあ、もう……いったい何なのよ……」
泣いて、笑って、怒って……本当に、忙しい日々だ。
「悔しいな……」
楽しいのに、悔しい。
彼と出会って、感情を取り戻したかのように、景色に色が咲いた。だからこそ、悔しい。
「レオくん……私たち、幸せだよね?」
即答したかった。胸を張って言いたかった。私たちは、幸せだって。
だけど、できなかった。どうしてか、言えなかった。
「幸せって、何? どうなったら、幸せ?」
私は、幸せだよ。だけど、レオくんは幸せ?
一緒だと思っていたけれど、本当にそうなの? 彼の言うとおり、このままだと不幸になるの?
「痛いなあ……」
あの子から向けられた数々の言葉たちが、ぐさぐさと私に刺さる。わかっているからこそ、尚更受け入れられなかった。
「私からは、別れない……絶対に……」
呟いた声音は、非常に弱々しいもので。それは、あっさりと吹く風に攫われていってしまった。
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