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#スイーツ男子のお相手は色彩鮮やかで繊細なマカロンのような彼
マカロン 2食目
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それから三日間は寄り道もせずカフェの前を通って甘い香りがしていても、学校終わるとすぐに帰宅した。家族と夜ご飯を食べて部屋に戻って机に向かう。
疲れたらちょっとベッドに横になってスマホを触って時々検索する"Tiger Channel"には相変わらず何の動きもなく沈黙だった。
レビューノートも引き出しにしまったまま空白のページはしばらく埋まりそうにもない。
甘い誘惑に打ち勝てば受験も上手くいく!そしてトラブルにも巻き込まれる事もない!
願掛けのように頭の中で繰り返し唱えた。
6月上旬にもなるといつも学校入口の傘立てが毎日パンパンに溢れ、本格的な梅雨を感じている。そんなじとじとした木曜日、僕は進路相談室にいた。
成績表に目を向け、右手のペンをくるくると回している担任の指の動きを僕はただ目で追っている。
「うーん。率直に言うと今の成績じゃ第一志望は厳しいかな。この間の模試もE判定だったよな」
『……はい』
定期的に行われる模試の結果は志望大学の大切な判断材料。もちろんE判定は合格には程遠い成績で予備校からすれば頭を悩ませる結果。
「第二志望は決めてるか?」
『いやまだ具体的には……』
「大学に入って何をしたい?」
『……それは、、』
言葉に詰まる。口籠る僕を見て先生はプリントを五枚をテーブルに並べた。"自宅学習カリキュラム"とタイトルのついた担任お手製の学習計画表。
「とにかくE判定は今の自分の実力だと受け入れる!だからといって落ち込んでる時間もない。一喜一憂せずに弱点や課題を把握する事。冷静にこれからの計画を練り直せばまだまだ幾らでも成績は上がる」
担任はそう言って改めて毎日の勉強や今からやるべき事を具体的に提示してくれた。僕みたいな到達点がぼんやりとしか見えてない生徒の為のプラン。ここでの授業はもちろん、それ以外での時間の使い方が合格にとても大事だと。
「ある意味、浪人生を出来る環境なんて贅沢なんだから感謝して応援してくれる人の為に結果で恩返しをしなくちゃな」
厳しく現実を突きつけても予備校講師は生徒を希望の大学に合格させる為に全力を尽くしてくれる。それなのに僕は他人事にようにふわふわと何となく授業受けて何となく大学生になりたくて何となく19歳を過ごしている、、、、
本当の僕はどこにいるのかな?
"失礼します"と進路指導室を出るとすっかり外は暗く、入り口の傘立てはビニール傘が数本だけになっていてすぐ自分の傘を見つけられた。空はまだ雨が止まずに肌寒い。
『雨、、まだ降ってる。早く帰ろ』
イヤホンを耳を付けて音楽を流すと傘を打ち付ける雨音は聞こえなくなった。
最寄りの駅で降りて自宅までは徒歩15分程。家に近づくに連れ少しずつ車通りや街灯も少なくなる。
ふとコンビニを通り過ぎた辺りから後ろから誰かにつけられてるような気がして傘の持ち手を両手で力強くギュッと握った。
後ろを振り向く勇気はない。少しでも距離を取ろうと傘で体を隠し身縮めて歩く速度を早める。
「……に、き!」
突然掴まれた肩と真後ろから聴こえた声に驚き、咄嗟に思いきり傘を振り回し後ろにいた誰を殴ってしまった。
「、、痛ってっ!!」
『ッ辞めて下さ、、、えっ!?……陽!?』
「何だよいきなり!痛てーな」
傘が当たった右腕を摩りながら声を上げた陽は学校帰りの制服姿で傘も持たずびしょ濡れだ。
『ごめん!いきなり肩触られてびっくりして。、、どうしたの?陽びしょ濡れじゃん!』
「さっきそこのコンビニで傘パクられた。そしたらちょうど兄貴が歩いてるのが見えて、声かけたのに無視したから」
『ごめん、、イヤホンしてたから……痛かった?』
「痛いに決まってんだろ。俺じゃなかったらどうしてたんだよっ」
そう言って傘を奪ってスタスタと歩いて行く陽を追った。"待って"叩いた勢いで少し曲がってしまった傘を奪い合いながら暗い道を歩いた。
家に着くとぐっしょりした靴を脱いで廊下に足跡をつけながら"ただいま"と二人で声を合わせた。
「おかえり。ちょっと!二人とも何でそんなにに濡れてるのよー!待ってなさい」
母親がタオルを持って二人の頭にフワッとかけた。そしてブツブツと文句を言いながら濡れた廊下を拭き始める。
「俺先に風呂入ってからご飯食べよっと!」
階段を登っていく陽を見ながら髪の水分を拭き取る。びしょ濡れになったけど変な人にあと付けるよりは全然マシ。最近何かと考える事が多くてちょっと疲れてたしご飯食べて早く寝ようかな
『お母さん、今日のご飯は何?』
「何言ってるの?暖は早く部屋行きなさい。さっきからお友達が待ってるわよ、約束してたんでしょ?」
『えっ……友達?』
疲れたらちょっとベッドに横になってスマホを触って時々検索する"Tiger Channel"には相変わらず何の動きもなく沈黙だった。
レビューノートも引き出しにしまったまま空白のページはしばらく埋まりそうにもない。
甘い誘惑に打ち勝てば受験も上手くいく!そしてトラブルにも巻き込まれる事もない!
願掛けのように頭の中で繰り返し唱えた。
6月上旬にもなるといつも学校入口の傘立てが毎日パンパンに溢れ、本格的な梅雨を感じている。そんなじとじとした木曜日、僕は進路相談室にいた。
成績表に目を向け、右手のペンをくるくると回している担任の指の動きを僕はただ目で追っている。
「うーん。率直に言うと今の成績じゃ第一志望は厳しいかな。この間の模試もE判定だったよな」
『……はい』
定期的に行われる模試の結果は志望大学の大切な判断材料。もちろんE判定は合格には程遠い成績で予備校からすれば頭を悩ませる結果。
「第二志望は決めてるか?」
『いやまだ具体的には……』
「大学に入って何をしたい?」
『……それは、、』
言葉に詰まる。口籠る僕を見て先生はプリントを五枚をテーブルに並べた。"自宅学習カリキュラム"とタイトルのついた担任お手製の学習計画表。
「とにかくE判定は今の自分の実力だと受け入れる!だからといって落ち込んでる時間もない。一喜一憂せずに弱点や課題を把握する事。冷静にこれからの計画を練り直せばまだまだ幾らでも成績は上がる」
担任はそう言って改めて毎日の勉強や今からやるべき事を具体的に提示してくれた。僕みたいな到達点がぼんやりとしか見えてない生徒の為のプラン。ここでの授業はもちろん、それ以外での時間の使い方が合格にとても大事だと。
「ある意味、浪人生を出来る環境なんて贅沢なんだから感謝して応援してくれる人の為に結果で恩返しをしなくちゃな」
厳しく現実を突きつけても予備校講師は生徒を希望の大学に合格させる為に全力を尽くしてくれる。それなのに僕は他人事にようにふわふわと何となく授業受けて何となく大学生になりたくて何となく19歳を過ごしている、、、、
本当の僕はどこにいるのかな?
"失礼します"と進路指導室を出るとすっかり外は暗く、入り口の傘立てはビニール傘が数本だけになっていてすぐ自分の傘を見つけられた。空はまだ雨が止まずに肌寒い。
『雨、、まだ降ってる。早く帰ろ』
イヤホンを耳を付けて音楽を流すと傘を打ち付ける雨音は聞こえなくなった。
最寄りの駅で降りて自宅までは徒歩15分程。家に近づくに連れ少しずつ車通りや街灯も少なくなる。
ふとコンビニを通り過ぎた辺りから後ろから誰かにつけられてるような気がして傘の持ち手を両手で力強くギュッと握った。
後ろを振り向く勇気はない。少しでも距離を取ろうと傘で体を隠し身縮めて歩く速度を早める。
「……に、き!」
突然掴まれた肩と真後ろから聴こえた声に驚き、咄嗟に思いきり傘を振り回し後ろにいた誰を殴ってしまった。
「、、痛ってっ!!」
『ッ辞めて下さ、、、えっ!?……陽!?』
「何だよいきなり!痛てーな」
傘が当たった右腕を摩りながら声を上げた陽は学校帰りの制服姿で傘も持たずびしょ濡れだ。
『ごめん!いきなり肩触られてびっくりして。、、どうしたの?陽びしょ濡れじゃん!』
「さっきそこのコンビニで傘パクられた。そしたらちょうど兄貴が歩いてるのが見えて、声かけたのに無視したから」
『ごめん、、イヤホンしてたから……痛かった?』
「痛いに決まってんだろ。俺じゃなかったらどうしてたんだよっ」
そう言って傘を奪ってスタスタと歩いて行く陽を追った。"待って"叩いた勢いで少し曲がってしまった傘を奪い合いながら暗い道を歩いた。
家に着くとぐっしょりした靴を脱いで廊下に足跡をつけながら"ただいま"と二人で声を合わせた。
「おかえり。ちょっと!二人とも何でそんなにに濡れてるのよー!待ってなさい」
母親がタオルを持って二人の頭にフワッとかけた。そしてブツブツと文句を言いながら濡れた廊下を拭き始める。
「俺先に風呂入ってからご飯食べよっと!」
階段を登っていく陽を見ながら髪の水分を拭き取る。びしょ濡れになったけど変な人にあと付けるよりは全然マシ。最近何かと考える事が多くてちょっと疲れてたしご飯食べて早く寝ようかな
『お母さん、今日のご飯は何?』
「何言ってるの?暖は早く部屋行きなさい。さっきからお友達が待ってるわよ、約束してたんでしょ?」
『えっ……友達?』
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