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𝐷𝐴𝑌 𝟞 ⇨ 𝐷𝐴𝑌 𝟙𝟘 𝑆𝐸𝐴
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「ありがとうございましたー!」
夕方Rock the Oceanの昼の営業は終わり、入り口のプレートは裏返され"CLOSE"に変わった。夜のバー営業に向けしばしの休憩と準備時間に入る。
『疲れたしお腹空いた』
客のいなくなった店内で、ぐでっとテーブルに突っ伏した麻比呂の腹の虫がなるとキッチンで料理をしていた父親が大きなどんぶりをにしてホールに戻ってきた。
「麻比呂これ食ってみろ」
『なにこれ?』
「新しく考案した新メニュー!その名もパワーダブルピリ辛ロコモコ丼だ」
名前の通り料理はロコモコ丼。分厚いハンバーグが2枚重なり、その横に目玉焼きに野菜そして辛味ペースト添えられ通常メニューの倍近い量になっている。
「今こういうデカ盛りみたいなのが流行ってんだろ。今日から販売するつもりだったが、間に合わなくて試食してみろっ」
『俺辛いの苦手だし』
「それなら今日はご飯なしだぞー」
しぶしぶ箸を持ってちょびちょびと口に運ぶ麻比呂。相当お腹空いていたのか気付いたら半分をあっという間に平げていた。
「どうもー!休憩中に悪いね。外暑くてさ何か飲む物もらおうかな」
外から声が聞こえ鍵の閉まってた入り口の隙間から見えた馴染みの顔に気づいた麻比呂は、口をモグモグと動かしながらドアを開けた。
日が暮れかかった夕方でも25度と高い温度をキープしている野外と、エアコンの効いた店内の差は大きく店内招き入れるとすぐに閉めた。
『んっ、高瀬さんこんにちは』
「麻比呂君、何食べてんの?美味しそうだね同じものもらおうかな」
『やめといたほうがいいですよ。毒味させられてるだけですから』
高瀬はこの店の常連でもあり店長の父親と同級生の腐れ縁だ。仕事の合間にふらっと立ち寄り飲食をしながらちょっとした世間話をするのが日課になっている。
「今頃ご飯食べてるって事は相当忙しかったんだね、海開き初日から景気が良くていいね」
『良くないです。ケチってバイト雇わないからこき使われてるんです」
「ははっ、そうなんだ?じゃその分しっかりバイト代もらいなよ」
「タカちゃんいらっしゃい!麻比呂、聞こえてたわよ。学生のバイトの子たちは、来週からくるから少し辛抱してって言ったでしょ」
そう言いながら奥の部屋から出てきた母親に"ヤバっ"の表情した麻比呂を見て高瀬はヒヒっと笑いながらカウンター席に座る。
ごまかすようにロコモコ丼の残りを口に運んでいく。高瀬にアイスコーヒーを出した母親と高瀬はリラックスモードで話始めた。
「ほら、あの取り壊し予定の古いアパートに入居者入ってさ」
「えっ?あそこに?どんな人?」
「それがライフセーバーのイケメン兄ちゃんなんだよ。確か29歳って若いのに落ち着いて大人っぽくて、あれはこの夏は彼目当ての女子達いっぱい来るぞ」
「へぇ~是非会いたいわ」
そんな高瀬と母親の会話を口を動かしながら耳だけ傾けて聞いていた麻比呂。そんな遠くから特にライフセーバーが不足しているとも思えない須野に新しい人が来るなんて何年ぶりだろう。
もしかして朝の祈願祭で見かけた人かな?とか風貌を思い出しながら。
「とりあえずこの店も宣伝しておいたから来たら安くしてやってよ」
「いいよ。その分タカちゃんのツケにしておくわね!」
外出中の父親を待ちながらキャハハと盛り上がる声をBGMに日の暮れかかった海をガラス越しに見て、気づけば空になったどんぶりを"ごちそうさま"とお皿と箸を持って席を立った麻比呂。皿洗いは慣れたものだ。
"お荷物二個ね~"キッチンの裏手の出入り口から配達員が段ボールを抱えて顔を出した。これもいつもの光景で馴染みの配達員が手渡した伝票にサインをして忙しく出て行った。
『お母さん荷物来たけど』
「あーそれ、ショップのやつだと思うから出しといてくれない」
『えー面倒くさい。あとでー…』
お喋りに夢中な母親には麻比呂の声は聞こえていない。仕方なく二つ重なった段ボールを同時に持ってショップに運んだ。
カフェの真横には水着や浮き輪や最低限の海水浴グッズなどをおいた小スペースがある。海開きとともにいつもより多く発注した荷物を開けた。
すると一番上に見えたのは"Wave Style 8月号"と大きくタイトルが書かれた雑誌、サーフィンの専門月刊誌だった。
"R-23 ウィングカップ選手権優勝!浦上周太朗2連覇!!"
デカデカと目に入った文字にページを捲らずにはいられなかった。毎年春に行われる23歳以下限定の大会の特集記事だ。
うねる波にピッタリと同化したロングボードに乗る、見た目はさほど麻比呂と変わらない年齢の男が表紙を飾っている。中には写真とインタビュー数ページに渡って掲載されてた。
――浦上選手、2連覇おめでとうございます。
「ありがとうございます」
――昨年に引き続き今年も優勝ということで素直な気持ちをお聞かせ下さい。
「波のコンディションも良くて自分の中でも2連覇を夢見て挑んだ今回の大会だったのでほんとにうれしいです」
インタビューでは喜びを語った後、これまでの苦悩や大会にかけた思い当日の試合の様子などを語っている。麻比呂の文字をなぞる視線は止まらず夢中に見入っていた。
――では最後に来年の挑戦を聞かせてください。
「はい、来年は23になる歳なのでウィングカップ選手権は挑戦ラストイヤー。もちろん3連覇狙っていますよ」
――3連覇と言えば過去に由井樹未斗が打ち立てて破られてない記録ですが、タイ記録に挑戦と言うわけですね。
「3連覇を達成した試合、ちょうど見に行ってました。その頃まだ僕はボードを触ったばかりの素人同然でただただ圧巻で感動したのを覚えています」
反応してしまうのは当たり前だ。若手サーファー大会3連覇の偉業を達成した"由井樹未斗"は麻比呂の実兄でプロサーファーで知らない者はいない。
――実際に過去最高点での優勝になったわけですが周りの期待やジュニアサーファーの憧れの的になってる実感ありますか?
「いえ、ありませんよ。でも自分自身も子供の頃に生で見た由井さんのチューブライディングは忘れません。それに憧れた気持ちと同じですかね。まだ気が早いですけど3連覇とるつもりで来年まで今以上の技術向上を目指していますし、もちろん他の大会にも積極的に出場します。僕にはサーフィンしかないですから」
『……ふざけんなっ、、』
麻比呂の雑誌を持つ手に力が入りクシャっと端が折れ曲がる。この界隈を離れてしばらく経っても目や耳に入る情報にはやはり感情が動いてしまう。
「おっ!タカちゃん来てたのか?仕事サボって人の嫁ナンパしき来たのかよっ、こいつめ!」
「いま不動産業は閑散期だからね。それに比べこの店は繁忙期の始まり、今日もお客さんいっぱい来たんだって?」
「まあな。暇ならたまに手伝いに来るか?タダ働きでいいなら。はははっ」
少しばかり外出していた父親が戻ってきた。子供の頃から仲の良い同級生の二人は家族ぐるみで仲良し。このお店ができた5年前、父親に物件を紹介したのも高瀬。
「あれっ?、、麻比呂は?」
「あっち。ショップで荷物やってる」
姿を見つけてショップに目をやると雑誌を手に真剣に見入っている麻比呂がいて後ろから近づいて覗いた。
「麻比呂っ、何見てんだ?」
『やっ別に何も、、!おかえり』
「おっ!新しいWave Style来たか。えーっと、R-23…浦上しゅうー…」
『お父さん、俺ちょっと奥で寝てるから!オープンしたら起こして』
段ボールの上にボンっと雑誌を置いて奥の部屋へ入っていった。そんな麻比呂の背中にはいろんな感情がにじみ出ていた。
日が沈んだ須野海岸には徐々に明かりが少なくなり海の家や付近のショップも閉店時間。海水浴客用の駐車場からも車の姿はなくなっていた。
Rock the Oceanの夜間営業はあと30分で始まる。深夜遅くまで灯りが灯るこの店には性別、年齢関係なく集まり常連も一見さんも仲間同然だ。
夕方Rock the Oceanの昼の営業は終わり、入り口のプレートは裏返され"CLOSE"に変わった。夜のバー営業に向けしばしの休憩と準備時間に入る。
『疲れたしお腹空いた』
客のいなくなった店内で、ぐでっとテーブルに突っ伏した麻比呂の腹の虫がなるとキッチンで料理をしていた父親が大きなどんぶりをにしてホールに戻ってきた。
「麻比呂これ食ってみろ」
『なにこれ?』
「新しく考案した新メニュー!その名もパワーダブルピリ辛ロコモコ丼だ」
名前の通り料理はロコモコ丼。分厚いハンバーグが2枚重なり、その横に目玉焼きに野菜そして辛味ペースト添えられ通常メニューの倍近い量になっている。
「今こういうデカ盛りみたいなのが流行ってんだろ。今日から販売するつもりだったが、間に合わなくて試食してみろっ」
『俺辛いの苦手だし』
「それなら今日はご飯なしだぞー」
しぶしぶ箸を持ってちょびちょびと口に運ぶ麻比呂。相当お腹空いていたのか気付いたら半分をあっという間に平げていた。
「どうもー!休憩中に悪いね。外暑くてさ何か飲む物もらおうかな」
外から声が聞こえ鍵の閉まってた入り口の隙間から見えた馴染みの顔に気づいた麻比呂は、口をモグモグと動かしながらドアを開けた。
日が暮れかかった夕方でも25度と高い温度をキープしている野外と、エアコンの効いた店内の差は大きく店内招き入れるとすぐに閉めた。
『んっ、高瀬さんこんにちは』
「麻比呂君、何食べてんの?美味しそうだね同じものもらおうかな」
『やめといたほうがいいですよ。毒味させられてるだけですから』
高瀬はこの店の常連でもあり店長の父親と同級生の腐れ縁だ。仕事の合間にふらっと立ち寄り飲食をしながらちょっとした世間話をするのが日課になっている。
「今頃ご飯食べてるって事は相当忙しかったんだね、海開き初日から景気が良くていいね」
『良くないです。ケチってバイト雇わないからこき使われてるんです」
「ははっ、そうなんだ?じゃその分しっかりバイト代もらいなよ」
「タカちゃんいらっしゃい!麻比呂、聞こえてたわよ。学生のバイトの子たちは、来週からくるから少し辛抱してって言ったでしょ」
そう言いながら奥の部屋から出てきた母親に"ヤバっ"の表情した麻比呂を見て高瀬はヒヒっと笑いながらカウンター席に座る。
ごまかすようにロコモコ丼の残りを口に運んでいく。高瀬にアイスコーヒーを出した母親と高瀬はリラックスモードで話始めた。
「ほら、あの取り壊し予定の古いアパートに入居者入ってさ」
「えっ?あそこに?どんな人?」
「それがライフセーバーのイケメン兄ちゃんなんだよ。確か29歳って若いのに落ち着いて大人っぽくて、あれはこの夏は彼目当ての女子達いっぱい来るぞ」
「へぇ~是非会いたいわ」
そんな高瀬と母親の会話を口を動かしながら耳だけ傾けて聞いていた麻比呂。そんな遠くから特にライフセーバーが不足しているとも思えない須野に新しい人が来るなんて何年ぶりだろう。
もしかして朝の祈願祭で見かけた人かな?とか風貌を思い出しながら。
「とりあえずこの店も宣伝しておいたから来たら安くしてやってよ」
「いいよ。その分タカちゃんのツケにしておくわね!」
外出中の父親を待ちながらキャハハと盛り上がる声をBGMに日の暮れかかった海をガラス越しに見て、気づけば空になったどんぶりを"ごちそうさま"とお皿と箸を持って席を立った麻比呂。皿洗いは慣れたものだ。
"お荷物二個ね~"キッチンの裏手の出入り口から配達員が段ボールを抱えて顔を出した。これもいつもの光景で馴染みの配達員が手渡した伝票にサインをして忙しく出て行った。
『お母さん荷物来たけど』
「あーそれ、ショップのやつだと思うから出しといてくれない」
『えー面倒くさい。あとでー…』
お喋りに夢中な母親には麻比呂の声は聞こえていない。仕方なく二つ重なった段ボールを同時に持ってショップに運んだ。
カフェの真横には水着や浮き輪や最低限の海水浴グッズなどをおいた小スペースがある。海開きとともにいつもより多く発注した荷物を開けた。
すると一番上に見えたのは"Wave Style 8月号"と大きくタイトルが書かれた雑誌、サーフィンの専門月刊誌だった。
"R-23 ウィングカップ選手権優勝!浦上周太朗2連覇!!"
デカデカと目に入った文字にページを捲らずにはいられなかった。毎年春に行われる23歳以下限定の大会の特集記事だ。
うねる波にピッタリと同化したロングボードに乗る、見た目はさほど麻比呂と変わらない年齢の男が表紙を飾っている。中には写真とインタビュー数ページに渡って掲載されてた。
――浦上選手、2連覇おめでとうございます。
「ありがとうございます」
――昨年に引き続き今年も優勝ということで素直な気持ちをお聞かせ下さい。
「波のコンディションも良くて自分の中でも2連覇を夢見て挑んだ今回の大会だったのでほんとにうれしいです」
インタビューでは喜びを語った後、これまでの苦悩や大会にかけた思い当日の試合の様子などを語っている。麻比呂の文字をなぞる視線は止まらず夢中に見入っていた。
――では最後に来年の挑戦を聞かせてください。
「はい、来年は23になる歳なのでウィングカップ選手権は挑戦ラストイヤー。もちろん3連覇狙っていますよ」
――3連覇と言えば過去に由井樹未斗が打ち立てて破られてない記録ですが、タイ記録に挑戦と言うわけですね。
「3連覇を達成した試合、ちょうど見に行ってました。その頃まだ僕はボードを触ったばかりの素人同然でただただ圧巻で感動したのを覚えています」
反応してしまうのは当たり前だ。若手サーファー大会3連覇の偉業を達成した"由井樹未斗"は麻比呂の実兄でプロサーファーで知らない者はいない。
――実際に過去最高点での優勝になったわけですが周りの期待やジュニアサーファーの憧れの的になってる実感ありますか?
「いえ、ありませんよ。でも自分自身も子供の頃に生で見た由井さんのチューブライディングは忘れません。それに憧れた気持ちと同じですかね。まだ気が早いですけど3連覇とるつもりで来年まで今以上の技術向上を目指していますし、もちろん他の大会にも積極的に出場します。僕にはサーフィンしかないですから」
『……ふざけんなっ、、』
麻比呂の雑誌を持つ手に力が入りクシャっと端が折れ曲がる。この界隈を離れてしばらく経っても目や耳に入る情報にはやはり感情が動いてしまう。
「おっ!タカちゃん来てたのか?仕事サボって人の嫁ナンパしき来たのかよっ、こいつめ!」
「いま不動産業は閑散期だからね。それに比べこの店は繁忙期の始まり、今日もお客さんいっぱい来たんだって?」
「まあな。暇ならたまに手伝いに来るか?タダ働きでいいなら。はははっ」
少しばかり外出していた父親が戻ってきた。子供の頃から仲の良い同級生の二人は家族ぐるみで仲良し。このお店ができた5年前、父親に物件を紹介したのも高瀬。
「あれっ?、、麻比呂は?」
「あっち。ショップで荷物やってる」
姿を見つけてショップに目をやると雑誌を手に真剣に見入っている麻比呂がいて後ろから近づいて覗いた。
「麻比呂っ、何見てんだ?」
『やっ別に何も、、!おかえり』
「おっ!新しいWave Style来たか。えーっと、R-23…浦上しゅうー…」
『お父さん、俺ちょっと奥で寝てるから!オープンしたら起こして』
段ボールの上にボンっと雑誌を置いて奥の部屋へ入っていった。そんな麻比呂の背中にはいろんな感情がにじみ出ていた。
日が沈んだ須野海岸には徐々に明かりが少なくなり海の家や付近のショップも閉店時間。海水浴客用の駐車場からも車の姿はなくなっていた。
Rock the Oceanの夜間営業はあと30分で始まる。深夜遅くまで灯りが灯るこの店には性別、年齢関係なく集まり常連も一見さんも仲間同然だ。
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