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センスは良いみたいです。
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あれから私たちは順調に仲良く過ごしている。
あの宿はその日も泊まり、翌日からは元のテント生活になった。なんでも臨時収入があったからあの宿に泊まっていただけで、もともとそんなに長く滞在する予定はなかったとのことだ。
彼はまだしばらくあのダンジョンでレベル上げをするということで、私も一緒にダンジョンに潜っている。最初は彼の後ろでビクビクしていたのだが、今では大分魔物にも慣れてきて、魔法攻撃も少しずつ出来るようになってきた。
パーティーとしても順調だ。やはり1人でやっていた時よりも効率的に依頼をこなせるようで、収入も上がり今日は町へと買い物にやってきている。
まあ収入が上がったのは私のあの異次元バックのおかげなのだが。普通は1度では運びきれないような量を持って帰っているのだ。他のパーティーの人たちに怪しまれてしまうので、一度テントに置いてから何回かに分けてギルドに納品している。
私としてはめんどくさいのだが、その能力が周りにバレたら厄介なことになると言われて大人しくしている。彼は普段ガサツなくせにそういった所は慎重なのだ。
◇
「今日は何かお祭りでもあるのかしら」
町の1番大きな通りでは屋台が何軒も連なり、支度をしているようだ。
「あぁ。確か今日はムーンの日だからな」
「ムーンの日?」
「この国では三日月の日に魔力が高まると言われてるだろう? だから三日月の晩にはこうしてお祭りをして、ムーンへの感謝を捧げたり、その魔力の恩恵にあやかろうとしたりするんだ。そんなことしなくても魔力が高まるのは変わらないんだけどな」
「そうなんだ。じゃあほぼ毎月ある祭りなのね」
「あぁ。でも秋の晩に行われるムーン祭は、最も三日月の力が強まると言われていて、その時の祭りはいつも以上に盛り上がるな」
「良いなぁ……。ねぇ! 私今日のお祭り見てみたい!!」
向こうの世界で暮らして居た時はなかなかお祭りに行けなかったのだ。そういったお祭りは休日にやっていることが多く、平日休みの私は行く機会がほとんどなかった。あったとしてもお祭りに一緒に行く相手も居なかったのだけど……やだ少し悲しくなってきた。
「お祭りは夜だぞ? 一回荷物置きに帰ってまたここに来るなんて面倒くさいから却下だ。行くならお前一人で……ってそんな目で見るなよ」
私は願いを込めて彼をじっと見つめる。高身長な彼には少し首を傾げただけで、上目遣いになっているはずだ。こんな可愛くもないおばさんの上目遣いを見ても効果無いかもしれないが、どうしてもお祭りに行ってみたい私はなりふり構わず彼を落としにかかる。
そしてそんな私に負けたようで、私の転移魔法を使うことを条件に見事祭りに行くことを約束してもらった。
「良いか、夜の森をフラフラするのは危険なんだ。魔物が出なくても、野生の危険な動物だって生息している。出掛けるのは今回だけだからな。テントからこっちの町の近くまで転移する、良いか?」
「うん! 転移なんていくらでもする! やったーー! お祭りなんてもう10年ぶりかしら? 楽しみ」
「全く……。そんなにはしゃぐ30歳がいるかよ」
「まだ29ですぅ! そこ間違えないでよね!」
「分かったから今日の目的を忘れるなよ。ほらとりあえずあそこの防具屋に行くぞ」
「うん!」
今日の目的は資金が貯まった為、新しい防具服や旅のグッズを揃えることだ! 彼の服はボロボロでもう限界だし、あのテントは2人で過ごすには狭いし寝袋も一つしかない。それらを一新する予定だ。
「これなんかどう?」
私が指したのは紺色のマント。マントはとても勇者らしいアイテムじゃないか?
「マントなんか実際には邪魔だろう。そういうのは魔法中心で戦うタイプの防具だ」
「そっかぁ。あっじゃあこっちなんかどう? 着てみてよ!」
そう私が指したのは、紺色のロングコートだ。これなら下に白のシャツなどシンプルなのを着ても見栄えが良い。それに革のような素材で出来ており丈夫そうだ。裾の所には白い刺繍で波のような模様が書いておりそれがアクセントになっている。
「ロングコートか……確かにこういう方が手っ取り早いか」
そう言ってコートを羽織ると、さすが美形の勇者とても様になっている。
「うん、絶対今の緑のヘンテコな服よりもそっちの方が似合うよ!! シャツとズボン何着か買えば着まわせるし! あとそっちのブーツも着けて!」
私の勢いに押されて、大人しく従う17歳。珍しく素直に聞いてくれるので、思う存分楽しませてもらう。
「うん、やっぱりロングコートにはブーツだわ。背が高いからブーツの丈も長いのにバランス良くて本当羨ましい……。足長すぎない? もうこれは買いだわ」
「本当に似合っていらっしゃいます。宜しければこちらのグローブもいかがですか? きっとお客様にお似合いだと思います」
「確かにグローブもつけなきゃね。あとはその腰に刺してる剣のベルトもボロボロだから新調しましょ」
「それではこちらの黒のベルトが良いかと。耐久性も強く優れて居ます」
店員さんとも意気投合しながら彼の衣服を整えて行く。
「おい、俺はこんなに今日揃えるつもりはない」
「黙って買う! あなたの服は防御力0よ! 冒険者の超初期装備だったの。ちゃんとした物を揃えなきゃダメよ」
そうなのだ。彼の服はゲームで一番最初に渡されるような防御力1くらいのボロボロの服だった。ちゃんとした物を揃えなくてはいくら彼が強くなっても強いモンスターには勝てない。ここでの場合魔物なのだが、同じような物だろう。ゲームの世界ではレベル上げと共に、装飾品も重要だったのだ。
「でも金が……」
「ここは年長者の意見に従いなさい! お金を掛けるべきところにケチってはいけないの。使うべき所に使うのが大事なの。今日の買い物はその使うべき物だから」
「そうですよ。このロングコートなら魔物の毒に当たっても肌を直接焼くことはありません。軽い火傷程度に抑えてくれます。流石にボロボロの状態ではそんなこと出来ないですが、大切に使って頂ければ長持ちしますよ。それに正直今のお客様の格好は町を歩いてる人と何ら変わりありません。やはりダンジョンに入るには身を守ってくれる服や靴が必要です」
「ほら、店員さんもそう言ってくれてることだし買いましょ? この前の臨時収入もまだあるからそれを買っても問題ないわよ」
「分かった……。だったらお前もちゃんとしたの買うんだぞ。ほら、俺が選んでやる」
そう言うと彼は女性用の衣服のコーナーへ向かう。
「これなんかどうだ?」
そう言ってニヤっと笑って彼が指したのは、ビキニのレザーアーマーだ。
ボカッ。
「いってぇ」
「ふざけてないでよ! あんなの着れる訳ないじゃない。真面目に選んでよ」
「分かったから殴るなって。ほらこれなんかどうだ?」
そう言って彼が指したのはベストタイプのレザーアーマー。動きやすそうなデザインでこれならこの白のブラウスの上に来ても違和感なさそうだ。
「うん、良いじゃない。これにする」
「あぁ、あとそこの編み上げのブーツが良いんじゃないか」
そう言って選んだブーツも彼のセンスにしては可愛らしい。
「意外に良いセンスをしてるのね。もっと壊滅的なのかと思ったわ」
「この服は安さで買ったんだよ。売れ残りで半額以下だったんだ」
あのカエルみたいな緑色のワンピースはそういう事情だったらしい。思春期の青年がそんな理由であの服を着ていたとは……少し泣けてくるではないか。
「よし! 今日はお姉さんが何でも買ってあげるから遠慮せず買いなさい」
「だから自分で買うって言ってるだろう。そういうのいいから次の店行くぞ」
支払いを済ませると彼はさっさと出てしまうので慌てて追いかける。買った荷物はさりげなく彼が持っていてくれる。そういう所があるからあんだけ憎まれ口を叩く彼を嫌いになれないのだ。
そうして私たちは新しい大きめのテントと寝袋を買って元の森の中へと帰って行った。大きめのテントは2人で寝て荷物を置いても余裕がある。
最初はもう一つ1人用のテントを買って別々に寝ようと提案したのだが、危険だからと断られてしまった。彼がそう言うなら大人しく従った方が良いと思い、寝袋を追加したのだ。
2人でのテント生活に慣れてしまい、今更別れて過ごそうとも思わせなくなって居た。しかしこれで彼も毛布の上で寝ないで済むから少しは快適になるだろう。
あの宿はその日も泊まり、翌日からは元のテント生活になった。なんでも臨時収入があったからあの宿に泊まっていただけで、もともとそんなに長く滞在する予定はなかったとのことだ。
彼はまだしばらくあのダンジョンでレベル上げをするということで、私も一緒にダンジョンに潜っている。最初は彼の後ろでビクビクしていたのだが、今では大分魔物にも慣れてきて、魔法攻撃も少しずつ出来るようになってきた。
パーティーとしても順調だ。やはり1人でやっていた時よりも効率的に依頼をこなせるようで、収入も上がり今日は町へと買い物にやってきている。
まあ収入が上がったのは私のあの異次元バックのおかげなのだが。普通は1度では運びきれないような量を持って帰っているのだ。他のパーティーの人たちに怪しまれてしまうので、一度テントに置いてから何回かに分けてギルドに納品している。
私としてはめんどくさいのだが、その能力が周りにバレたら厄介なことになると言われて大人しくしている。彼は普段ガサツなくせにそういった所は慎重なのだ。
◇
「今日は何かお祭りでもあるのかしら」
町の1番大きな通りでは屋台が何軒も連なり、支度をしているようだ。
「あぁ。確か今日はムーンの日だからな」
「ムーンの日?」
「この国では三日月の日に魔力が高まると言われてるだろう? だから三日月の晩にはこうしてお祭りをして、ムーンへの感謝を捧げたり、その魔力の恩恵にあやかろうとしたりするんだ。そんなことしなくても魔力が高まるのは変わらないんだけどな」
「そうなんだ。じゃあほぼ毎月ある祭りなのね」
「あぁ。でも秋の晩に行われるムーン祭は、最も三日月の力が強まると言われていて、その時の祭りはいつも以上に盛り上がるな」
「良いなぁ……。ねぇ! 私今日のお祭り見てみたい!!」
向こうの世界で暮らして居た時はなかなかお祭りに行けなかったのだ。そういったお祭りは休日にやっていることが多く、平日休みの私は行く機会がほとんどなかった。あったとしてもお祭りに一緒に行く相手も居なかったのだけど……やだ少し悲しくなってきた。
「お祭りは夜だぞ? 一回荷物置きに帰ってまたここに来るなんて面倒くさいから却下だ。行くならお前一人で……ってそんな目で見るなよ」
私は願いを込めて彼をじっと見つめる。高身長な彼には少し首を傾げただけで、上目遣いになっているはずだ。こんな可愛くもないおばさんの上目遣いを見ても効果無いかもしれないが、どうしてもお祭りに行ってみたい私はなりふり構わず彼を落としにかかる。
そしてそんな私に負けたようで、私の転移魔法を使うことを条件に見事祭りに行くことを約束してもらった。
「良いか、夜の森をフラフラするのは危険なんだ。魔物が出なくても、野生の危険な動物だって生息している。出掛けるのは今回だけだからな。テントからこっちの町の近くまで転移する、良いか?」
「うん! 転移なんていくらでもする! やったーー! お祭りなんてもう10年ぶりかしら? 楽しみ」
「全く……。そんなにはしゃぐ30歳がいるかよ」
「まだ29ですぅ! そこ間違えないでよね!」
「分かったから今日の目的を忘れるなよ。ほらとりあえずあそこの防具屋に行くぞ」
「うん!」
今日の目的は資金が貯まった為、新しい防具服や旅のグッズを揃えることだ! 彼の服はボロボロでもう限界だし、あのテントは2人で過ごすには狭いし寝袋も一つしかない。それらを一新する予定だ。
「これなんかどう?」
私が指したのは紺色のマント。マントはとても勇者らしいアイテムじゃないか?
「マントなんか実際には邪魔だろう。そういうのは魔法中心で戦うタイプの防具だ」
「そっかぁ。あっじゃあこっちなんかどう? 着てみてよ!」
そう私が指したのは、紺色のロングコートだ。これなら下に白のシャツなどシンプルなのを着ても見栄えが良い。それに革のような素材で出来ており丈夫そうだ。裾の所には白い刺繍で波のような模様が書いておりそれがアクセントになっている。
「ロングコートか……確かにこういう方が手っ取り早いか」
そう言ってコートを羽織ると、さすが美形の勇者とても様になっている。
「うん、絶対今の緑のヘンテコな服よりもそっちの方が似合うよ!! シャツとズボン何着か買えば着まわせるし! あとそっちのブーツも着けて!」
私の勢いに押されて、大人しく従う17歳。珍しく素直に聞いてくれるので、思う存分楽しませてもらう。
「うん、やっぱりロングコートにはブーツだわ。背が高いからブーツの丈も長いのにバランス良くて本当羨ましい……。足長すぎない? もうこれは買いだわ」
「本当に似合っていらっしゃいます。宜しければこちらのグローブもいかがですか? きっとお客様にお似合いだと思います」
「確かにグローブもつけなきゃね。あとはその腰に刺してる剣のベルトもボロボロだから新調しましょ」
「それではこちらの黒のベルトが良いかと。耐久性も強く優れて居ます」
店員さんとも意気投合しながら彼の衣服を整えて行く。
「おい、俺はこんなに今日揃えるつもりはない」
「黙って買う! あなたの服は防御力0よ! 冒険者の超初期装備だったの。ちゃんとした物を揃えなきゃダメよ」
そうなのだ。彼の服はゲームで一番最初に渡されるような防御力1くらいのボロボロの服だった。ちゃんとした物を揃えなくてはいくら彼が強くなっても強いモンスターには勝てない。ここでの場合魔物なのだが、同じような物だろう。ゲームの世界ではレベル上げと共に、装飾品も重要だったのだ。
「でも金が……」
「ここは年長者の意見に従いなさい! お金を掛けるべきところにケチってはいけないの。使うべき所に使うのが大事なの。今日の買い物はその使うべき物だから」
「そうですよ。このロングコートなら魔物の毒に当たっても肌を直接焼くことはありません。軽い火傷程度に抑えてくれます。流石にボロボロの状態ではそんなこと出来ないですが、大切に使って頂ければ長持ちしますよ。それに正直今のお客様の格好は町を歩いてる人と何ら変わりありません。やはりダンジョンに入るには身を守ってくれる服や靴が必要です」
「ほら、店員さんもそう言ってくれてることだし買いましょ? この前の臨時収入もまだあるからそれを買っても問題ないわよ」
「分かった……。だったらお前もちゃんとしたの買うんだぞ。ほら、俺が選んでやる」
そう言うと彼は女性用の衣服のコーナーへ向かう。
「これなんかどうだ?」
そう言ってニヤっと笑って彼が指したのは、ビキニのレザーアーマーだ。
ボカッ。
「いってぇ」
「ふざけてないでよ! あんなの着れる訳ないじゃない。真面目に選んでよ」
「分かったから殴るなって。ほらこれなんかどうだ?」
そう言って彼が指したのはベストタイプのレザーアーマー。動きやすそうなデザインでこれならこの白のブラウスの上に来ても違和感なさそうだ。
「うん、良いじゃない。これにする」
「あぁ、あとそこの編み上げのブーツが良いんじゃないか」
そう言って選んだブーツも彼のセンスにしては可愛らしい。
「意外に良いセンスをしてるのね。もっと壊滅的なのかと思ったわ」
「この服は安さで買ったんだよ。売れ残りで半額以下だったんだ」
あのカエルみたいな緑色のワンピースはそういう事情だったらしい。思春期の青年がそんな理由であの服を着ていたとは……少し泣けてくるではないか。
「よし! 今日はお姉さんが何でも買ってあげるから遠慮せず買いなさい」
「だから自分で買うって言ってるだろう。そういうのいいから次の店行くぞ」
支払いを済ませると彼はさっさと出てしまうので慌てて追いかける。買った荷物はさりげなく彼が持っていてくれる。そういう所があるからあんだけ憎まれ口を叩く彼を嫌いになれないのだ。
そうして私たちは新しい大きめのテントと寝袋を買って元の森の中へと帰って行った。大きめのテントは2人で寝て荷物を置いても余裕がある。
最初はもう一つ1人用のテントを買って別々に寝ようと提案したのだが、危険だからと断られてしまった。彼がそう言うなら大人しく従った方が良いと思い、寝袋を追加したのだ。
2人でのテント生活に慣れてしまい、今更別れて過ごそうとも思わせなくなって居た。しかしこれで彼も毛布の上で寝ないで済むから少しは快適になるだろう。
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