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第四章
魔への誘い エメラダの道
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「死ぬのはお前よっ!」
初っぱなから魔王化(覚醒)したエメラダが煌魔翠玉弓を手に前に出る。
だが、アシスターはドリブルをするかのように軽いステップでエメラダを抜き、俺に向かって剣を振り下ろす!
「うぐぅっ!」
刃を交えて受け止めたが、攻撃が重い。俺は両手だってのにアシスターは片手で剣を扱っている。じりじりと押されて刃が徐々に顔に迫る。
「ぐはっ!」
力がふっと抜けたと思ったら体に衝撃を受けてよろよろと尻餅をつく。
エメラダが矢を射り、アシスターは俺を蹴ってその反動で躱したのだ。
「やはりな」
なにか納得したように呟くと見下した目で俺を見て言葉を続ける。
「てめぇは魔剣の力をろくに引き出せていない。それどころか、俺の攻撃にいっぱいになって周りを見ることもできず、仲間の攻撃に気づかないせいで俺の回避行動にも対処できなかった」
アシスターは冷静に俺の行動を分析する。
「な、なんだよいきなり。 何が言いたいんだ!」
「雑魚が。お前のような実戦経験のない素人にその魔剣を持つ資格はない。ただの一般人が俺の計画にでしゃばって首を突っ込むな」
「ガーン!」
俺の気にしていることをズバリ指摘されて返す言葉もない。
「やっぱり俺なんかが物語の主役気取りで、世界を左右する出来事に関わろうとするのは間違いなのかな? ユイトのような主人公気質を持った選ばれた人間と違って、俺みたいなモブキャラは村のすみっこで一生同じセリフを繰り返してればいいんだ………」
鬱を発症して戦闘中にも関わらず三角座りをしてぶつぶつ………。
「しっかりしなさい!」
沈んだ心にエメラダの渇が飛んできた。
「周りがどう思おうがアンタにはこのアタシがついているでしょ。アタシに認められるなんて2つの世界合わせてもそうはいないんだからね!
フォックスは十分特別よ。敵の言葉に惑わされちゃダメ。自分が何をしたいのか、どういう自分でありたいのかを見失わないで。前を向かない者に己が納得できる道を歩むことはできないわよ」
「俺の望む自分………」
そうだった。確かに平凡な毎日に埋もれるのがイヤで、召喚魔法で戦う力を得ることができる学園に入学した。冒険で活躍して世の中の誰にも知られない“その他の存在”から、たくさんの人に認識してもらえる人間になることを夢見ていた。
今でもその憧れはあるが、それ以上にエメラダといることの方が楽しい。多くの人に認められるよりエメラダに認められる自分で在りたい。
平凡でも一緒に充実した日々を送っていきたいから今この場にいることを忘れていた。
「『黒竜獄滅剣』」
白銀の剣を鞘に戻し、代わりに霧のようにもやもやとした魔力がアシスターの手の中に凝縮していき黒い刀身の魔法剣となった。月の出ていない夜空よりも暗い暗黒はどこかで見たことがあるような気がする。
「くだらない」
手にした剣を構えて吐き捨てる。
「なんの役にも立たないゴミに生きる価値などない。
大人しく魔剣を渡す気がないのなら殺して奪うまでだ」
言うが早いか、地を蹴って真っ直ぐ俺に向かってくる。
「殺らせない!」
エメラダが連続で流れ星のような高速の矢を射る。
「ふん」
アシスターは軽いフットワークで半身を引いて的確に避けつつ、魔法剣で切り払って全ての矢をやり過ごした。
「ふっ」
不敵に笑う。
「どうやらその武器が魔力を吸収できるのは、放出系の魔法だけのようだな。武器化した固定魔力は吸収することができない」
アシスターの言うとおり、魔法剣は煌魔翠玉弓の影響を受けることなくアシスターの手の中に今も存在している。
「………」
エメラダがスッと隣に移動してきた。
「フォックス、その魔剣を絶対に手放すんじゃないわよ」
「分かってる。アシスターの手に渡れば、またとんでもないことに悪用されるに違いないもんな」
「そういう意味じゃないわ。
今のアンタはその魔剣の加護を受けて普通の人間より防御が上がっているけど、もし丸腰であいつの剣の攻撃を食らったら、かすっただけで周囲の肉が弾け飛んで四肢を1本失うわよ」
ぞぞぞー
シャレにならないくらい恐ろしい発言に血の気が引いた。
「そっ、そんなに危険な剣なのかあれは?」
「『黒竜殲滅波』を覚えているかしら?」
「リリルやミスリに使った強力な魔法だよな?」
「えぇ、特にね。消費魔力が激しくてアタシでもそう何発も使えるようなものじゃないわ。ましてや、人間の精神力では発動すらさせられないはず……。
あの邪悪な魔力のせいだろうけど、一体あの力は何なの………?
奇妙なところはあるけれど、凄まじい破壊の力をもったあの魔法を武器の形で固定化するのは並大抵の技術じゃ無理よ。それを使いこなせる技量はあいつ自身の強さの証。決して油断しないで」
額を汗が伝い、柄を握る手に力が入る。
「俺のこの力が気になるか? ならば俺の仲間になれ」
「何だってっ!?」
アシスターは構えていた剣を下げ、エメラダの攻撃で崩れた後方の岩壁を見ながら言葉を続ける。
「ここは召喚した力を試す場でもある。
特殊な魔法で強化したこの場所は並の攻撃で破壊されることは決してない」
アシスターは満足したように微笑む。
「これほどの強さなら俺の力となる。
お前も魔族なら分かるだろう? 他者を蹂躙しより強い力を求める。力をなにより重視するのが魔族の本質だ。
人間社会の中では窮屈だろう? 目の前の存在を邪魔だと、全て消し去りたいと思ったことがあるはずだ。
こんな“残りカス”どもと同列になる必要などない。俺の元で魔族らしく、本来の在り方を示せ」
アシスターの言葉はまるで人間のことを命を持った存在としてではなく、虫けらとか下等生物としか考えていないように思える。
それを当たり前の価値観としてエメラダと共有しようとしてる感じだ。
「分からないわね。ならどうして始めから魔族を召喚しなかった? 人間に力のみを与えるような回りくどいことをして、あんたの狙いは一体何なの?」
「お前も人間のくせに人を見下したような物言いしやがって。子供のときにシャルルに助けられたんだろ。世界中旅しながらいろんなことを教わって、独りになったお前に温もりを与えてくれたはずだ」
学園長から聞いた話を思い返す。
シャルル自身もモンスターに大切な家族を殺されているから、アシスターの気持ちが分かったに違いない。自分の技術と知識を惜しみなく与えたのは、ただ自分の手伝いをしてほしかったわけじゃない。アシスターの将来を考え、選べる幅を広げてやりたかったんじゃないだろうか?
「なのになんで恩人を裏切って人の平穏を壊そうとするんだ!」
「ちっ、世界の真実を知らない無知め」
苦々しそうに吐き捨て言葉を続ける。
「今の魔族は腑抜けばかりだ。貪欲さを失い保守的な争いばかりしやがって。人間のほうが強欲だとは思わないか、なぁ?」
アシスターがこちらに視線を送ってくる。確かに、人間のなかには自分の欲のためなら平気で他人を騙し傷つける連中が多くいる。命を奪うことでさえ何とも思っちゃいない奴らが。
そういう意味では人間のほうがよっぽどか悪魔らしいと言えるかもしれない。
悲しいことに否定できないでいる俺を見てニヤリと笑う。
「己のためだけに力を使ったあいつらは強かっただろう? あれこそが正しい力の使い道だ。
俺はこの世界の前世の姿を取り戻す。力ある者だけが生き残る争いに満ちた世界だ」
アシスターの表情がこれまでにないくらい邪悪に染まる。
「力こそが正義ってやつか? 戦争なんかゴメンだぜ。関係ない人間まで争いに巻き込まれて、住む場所や家族を失う悲しみはお前が一番分かってるんじゃないのか!」
「耳障りな奴だなっ!」
「がっ!」
アシスターの言葉が耳に届くと同時に肘が鋭く俺の腹にめり込んだ。
「ぶふぉぇっ!」
たまらず膝をついて胃液を吐き出し地面に粘稠性の透明な液体が散った。口の中が酸っぱさでいっぱいになる。
「キサマッ!!」
髪の毛を逆立たせアシスターにまっすぐと弓を向ける。
「コイツから魔剣を奪って殺すのは容易いことだ。
コイツだけじゃない。俺の計画に邪魔な人間は皆殺しにする。
だがお前が俺の仲間になるのなら、コイツだけは生かしといてやる。どうだ、他の人間などお前にとってはどうでもいいはずだ。別に悪い話じゃないだろ?」
エメラダは腹を抱えてうずくまる俺をちらりと見る。
「や、やめろ………。こんな奴の口車に乗るな……」
両手両足で踏ん張って立ち上がろうとする。
「争いだらけの世界なんで絶対にイヤだ………。そんなことにエメラダが協力させられるのも耐えられない。ひ…人質になんかなってたまるがぁっ!」
「フォックス!!」
中腰まで立ち上がりかけたところをアシスターに蹴り飛ばされエメラダに抱き止められる。
「勘違いするなよ。これは交渉だ。この俺が貴様のような雑魚を人質になぞするか」
「大丈夫?」
「あ、あぁ………」
いらない物を返すようにエメラダの方へ蹴られた。人質をとることはプライドが許さないようだ。
「さぁ、答えを聞かせろ。この命を狙うなら俺の願いが成就した暁に改めて勝負してやる。強い者が生き延びる世界こそが俺の望みなのだからな」
こいつ…、自分の命さえも弱肉強食の輪廻に組み込んで考えてやがる。それとも絶対に負けない自信でもあるのか?
「お前の言うとおり他の人間の命なんてどうでもいいわ。うっかり殺しそうになったこともあるもの」
「ってあるんかい!」
左手で痛む腹を押さえながらもう片方でツッコむ。
「我慢するな、殺したければ殺せばいい。そして戦え。生きるか死ぬかの争いの中でこそ生物は覚醒し進化するんだ。
お前も心が望むままに他者を破壊し更なる力を求めろ」
殺戮を繰り返しより強くなろうとすることが魔族の本質で、力こそが魔族の価値観の全てであるとアシスターは言う。強さ云々はともかく、普段のエメラダの発言から嘘を言っているのではないことがなんとなく分かる。
「………」
エメラダは考え込むようにじっと目を瞑る。
「迷う必要はない。この世界に来る前の……神々と争っていた頃の生活に戻るだけだ。
リリルとかいう神さえいなくなればこの世界にお前を邪魔する者はいなくなる。まずはそいつを殺せ」
「てめえっ! エメラダに仲間を殺させる気か!」
「貴様がどうわめこうが、どのみちそいつは魔の道に戻るさ」
「………どういうことだ?」
「力が全てを支配する種族の中で生まれた者が脆弱な人間世界に耐えられるわけがない。いずれ価値のない人間をこの世界から全て消し去りたくなる。俺はほんの少しだけその手伝いをしているにすぎない」
アシスターは腕を組み、余裕の笑みでエメラダの返答を待つ。
エメラダは何を考えているのか、ずっと目を瞑ったままだ。
「知ったふうな口を利くなよ」
「なんだと?」
「魔族について詳しいのか知らねぇけどな、エメラダのことは俺のほうがよく分かってるんだよ!」
腹の痛みも治まり、立ち上がって剣を構える。
「エメラダはお前なんかに協力しないし、魔王として世界を破壊することもない!
そりゃこの世界には気に入らないこともたくさんあるだろうさ。けどな、魔族の本能のまま戦いを欲しろと言われて、ハイハイって世界を争いの渦に巻き込んだりなんかしねーんだよ!
エメラダは言ったんだ。もう魔王には戻らないって。俺はエメラダを信じるぜっ!」
「その言葉を待ってたわ」
これまで沈黙していたエメラダが急に俺の言葉に反応してきた。
「エメラダ?」
「アタシはこれまでずっと戦ってきたわ。魔族だから。神だから。それだけではるか昔から続く争いを同じように繰り返してきた。
でも戦いは苦ではなかったわ。気に入らない相手が生き続けてることが気に食わなかったから思うがままに殺した」
エメラダの語る内容はまさにアシスターの言う魔族の生き方そのものだった。
「ハハハハハッ!」
突然アシスターが勝ち誇ったように笑いだした。
「どうだ、これが魔族だ。てめぇのような普通のガキが関わっていい存在じゃない! もし気分を損ねたらお前もたちまち殺されるぞ。
恐ろしくなったなら魔剣を置いてさっさとこの場を立ち去るんだな」
「興味ないね。どーだっていいんだよそんなコト!
これまでエメラダがどれだけ殺してようが、それは俺と出会う前の異世界での話だ。俺にはカンケーないね」
「こいつ………」
「それに気分を損ねて殺されるんだったら、もうとっくに死んでるっての。今まで何度もエメラダを怒らせてるからな。つーか、懲りずにまたやるしな。
今度は覚醒大人verでよろしく! ぜってーバレずにやってやるぜ!」
「なに堂々と宣言してんのよ変態!」
俺の言ってる意味を瞬時に理解してギロリと睨んでくる。
「まったく………」
ため息をつきつつも、俺のアホな発言に慣れてきたのか呆れ顔に笑みが滲んでいる。
「こんなバカだけどアタシのことを受け入れて信じてくれる。
………もし信じてくれてなかったら腹いせに町の一つや二つ滅ぼしていたけど」
「っておーいっ!」
「配下や敵しかいなかったから他人に興味を持つことなんてなかったけれど、戦いばかりのアタシの中に誰かを近くに感じる心地良さを教えてくれたから。
もう前の自分に戻りたいとは思わない。この世界でゆっくりと過ごしていく。それがアタシの選んだ道よ!」
迷いのない表情で前を見てはっきりと言い放つ。
「エメラダッ!」
アシスターの言葉なんかに惑わされない意思を改めて示してくれたことで俺たちの士気が上がる。
「はんっ! 魔王ともあろう者がまさかここまで堕ちていようとはな!」
反対にアシスターは反吐でも出そうに顔を歪ませる。
「もういい、魔族の魂を失った貴様も生きる価値などない。2人まとめてぶっ殺してやる」
殺気が高まり手にしていた魔法剣が火の玉サイズのゆらめく黒い魔法力へと戻る。
「剣が……。一体どういうつもりだ?」
「後悔しろ。てめぇらに俺の本気を見せてやる!」
そう言うとその魔力をみぞおちの辺りに押しつけた!
「はあぁぁーーーっ!」
魔法力が胸の中に消えていくと代わりにアシスターの身体全体を黒い魔力が覆っていく。
「あいつっ、何しやがった?」
「待ってやる必要はないわ。これで一気にケリをつける!」
弦を耳の後ろまで大きく引くのに合わせて光が矢の形をとる。
「はぁぁ!」
狙いを定め集中する。矢の輝きが一層増し、大気がエメラダの魔力に押し出されるように、彼女を中心に風が渦を巻く。そして変化を続けるアシスターに渾身の矢を放つ。
「ふん」
だがエネルギーの余波で地面を抉りながら迫る矢を異形と化した手で易々とキャッチしてそのまま握り潰してみせた。
「魔人化しやがったか!」
「違う……。武器化していた魔法を自分の身体に取り込んだのよ」
黒竜が半人化したかの姿に変身を遂げ、ゆらりと顔を上げて驚く俺達を見る。
「その通り。勘違いしているようだが、俺はこの身に召喚の力など宿していない」
言われてみれば、イーワンやニッツは肉体的な変化をしていた…。しかしアシスターは翼や尻尾から爪や牙にいたるまでが全て魔力のオーラだった。これはエメラダの変化と似ている。
「『黒竜覇闘衣』 攻守に優れたこの戦闘スタイルこそが俺の本気の姿だ!」
「させない!」
「っ!」
一瞬だった。反応する間もなく俺の息の根を止めようと接近したアシスターの前にエメラダが飛び出て攻撃を受け止める。
そしてそのまま近接戦が始まった。
「接近戦で俺に勝てると思うなぁ!」
肩にスプリングを利かせた素早い連続パンチ。上段から下段まで繰り出す拳の高さを変え、腕が6本も8本もあるように見える。
エメラダは自分の半身ほどの弓を巧みに操り攻撃を防いでいる。しかし拳の連打は勢いを落とすことなく、反撃の隙を許さない。
「どうした? 守ってばかりじゃ俺には勝てないぞ」
「……魔法のエネルギーを取り込んで闘気としただけではここまでの力の増幅はしないはず。さっきの一撃も防げるはずがないわ。一体何をした?」
「それを話してやる必要はない。貴様はもう殺すことに決めたんだからな」
「なら用はない。あの世へ行け!」
攻撃を防ぎつつ尻尾で足払いをかけた。
「ふっ」
膝を直角に曲げ軽く身体を浮かせる程度にジャンプして避ける。刹那、連撃の手が止む。
このタイミングでエメラダは左半身を捻り弓を持った腕を斜め下に引く。
「ハァッ!」
そして身体をしならせるように腰を回転させ体重を一気に右へ移動させながら弓を振り上げた!
「ちっ」
着地と同時にプロボクサーばりのスリッピングアウェーでこれを回避した。
「へぇ」
アシスターの頬に赤い筋が入り血がたらりと流れる。
「リムの部分が刃になっているのか。
弓という武器から接近戦は苦手かと思ったが、斬撃武器としても使えるのか」
手の甲で血を拭ってペロリと舐めるアシスターの表情は嬉しそうだ。
「この覇闘衣の上から傷をつけるとはな。そうでなくっちゃ面白くない。強者との戦いが俺をまた強くしてくれる」
エメラダの顔面めがけて右ブローを放つ。
防御に入った弓に当たる直前ピタリと拳が止まった。
「あぐっ!」
パンチはフェイントでエメラダの胴にアシスターの左脚がクリーンヒット。キックの威力のまま横へ数メートル飛ばされた。
「死ねぇいっ!」
アシスターの次の攻撃はエメラダに向かわず、援護のタイミングを掴めず突っ立っていた俺を狙った。
「え?」
「しまった!」
「『召獄竜咆拳』」
「ぐあぁーーーー」
痛恨の一撃が腹に深く食い込む。体を魔力が貫通した感覚に襲われ吹っ飛び、空洞の端の壁に叩きつけられた。
「あっ、あぎ、あぐぅっ、ブフォゥエッ!」
背骨が悲鳴を上げ、喉を押し広げて大量の血が吐き出た。
「フォックスーーー!!」
初っぱなから魔王化(覚醒)したエメラダが煌魔翠玉弓を手に前に出る。
だが、アシスターはドリブルをするかのように軽いステップでエメラダを抜き、俺に向かって剣を振り下ろす!
「うぐぅっ!」
刃を交えて受け止めたが、攻撃が重い。俺は両手だってのにアシスターは片手で剣を扱っている。じりじりと押されて刃が徐々に顔に迫る。
「ぐはっ!」
力がふっと抜けたと思ったら体に衝撃を受けてよろよろと尻餅をつく。
エメラダが矢を射り、アシスターは俺を蹴ってその反動で躱したのだ。
「やはりな」
なにか納得したように呟くと見下した目で俺を見て言葉を続ける。
「てめぇは魔剣の力をろくに引き出せていない。それどころか、俺の攻撃にいっぱいになって周りを見ることもできず、仲間の攻撃に気づかないせいで俺の回避行動にも対処できなかった」
アシスターは冷静に俺の行動を分析する。
「な、なんだよいきなり。 何が言いたいんだ!」
「雑魚が。お前のような実戦経験のない素人にその魔剣を持つ資格はない。ただの一般人が俺の計画にでしゃばって首を突っ込むな」
「ガーン!」
俺の気にしていることをズバリ指摘されて返す言葉もない。
「やっぱり俺なんかが物語の主役気取りで、世界を左右する出来事に関わろうとするのは間違いなのかな? ユイトのような主人公気質を持った選ばれた人間と違って、俺みたいなモブキャラは村のすみっこで一生同じセリフを繰り返してればいいんだ………」
鬱を発症して戦闘中にも関わらず三角座りをしてぶつぶつ………。
「しっかりしなさい!」
沈んだ心にエメラダの渇が飛んできた。
「周りがどう思おうがアンタにはこのアタシがついているでしょ。アタシに認められるなんて2つの世界合わせてもそうはいないんだからね!
フォックスは十分特別よ。敵の言葉に惑わされちゃダメ。自分が何をしたいのか、どういう自分でありたいのかを見失わないで。前を向かない者に己が納得できる道を歩むことはできないわよ」
「俺の望む自分………」
そうだった。確かに平凡な毎日に埋もれるのがイヤで、召喚魔法で戦う力を得ることができる学園に入学した。冒険で活躍して世の中の誰にも知られない“その他の存在”から、たくさんの人に認識してもらえる人間になることを夢見ていた。
今でもその憧れはあるが、それ以上にエメラダといることの方が楽しい。多くの人に認められるよりエメラダに認められる自分で在りたい。
平凡でも一緒に充実した日々を送っていきたいから今この場にいることを忘れていた。
「『黒竜獄滅剣』」
白銀の剣を鞘に戻し、代わりに霧のようにもやもやとした魔力がアシスターの手の中に凝縮していき黒い刀身の魔法剣となった。月の出ていない夜空よりも暗い暗黒はどこかで見たことがあるような気がする。
「くだらない」
手にした剣を構えて吐き捨てる。
「なんの役にも立たないゴミに生きる価値などない。
大人しく魔剣を渡す気がないのなら殺して奪うまでだ」
言うが早いか、地を蹴って真っ直ぐ俺に向かってくる。
「殺らせない!」
エメラダが連続で流れ星のような高速の矢を射る。
「ふん」
アシスターは軽いフットワークで半身を引いて的確に避けつつ、魔法剣で切り払って全ての矢をやり過ごした。
「ふっ」
不敵に笑う。
「どうやらその武器が魔力を吸収できるのは、放出系の魔法だけのようだな。武器化した固定魔力は吸収することができない」
アシスターの言うとおり、魔法剣は煌魔翠玉弓の影響を受けることなくアシスターの手の中に今も存在している。
「………」
エメラダがスッと隣に移動してきた。
「フォックス、その魔剣を絶対に手放すんじゃないわよ」
「分かってる。アシスターの手に渡れば、またとんでもないことに悪用されるに違いないもんな」
「そういう意味じゃないわ。
今のアンタはその魔剣の加護を受けて普通の人間より防御が上がっているけど、もし丸腰であいつの剣の攻撃を食らったら、かすっただけで周囲の肉が弾け飛んで四肢を1本失うわよ」
ぞぞぞー
シャレにならないくらい恐ろしい発言に血の気が引いた。
「そっ、そんなに危険な剣なのかあれは?」
「『黒竜殲滅波』を覚えているかしら?」
「リリルやミスリに使った強力な魔法だよな?」
「えぇ、特にね。消費魔力が激しくてアタシでもそう何発も使えるようなものじゃないわ。ましてや、人間の精神力では発動すらさせられないはず……。
あの邪悪な魔力のせいだろうけど、一体あの力は何なの………?
奇妙なところはあるけれど、凄まじい破壊の力をもったあの魔法を武器の形で固定化するのは並大抵の技術じゃ無理よ。それを使いこなせる技量はあいつ自身の強さの証。決して油断しないで」
額を汗が伝い、柄を握る手に力が入る。
「俺のこの力が気になるか? ならば俺の仲間になれ」
「何だってっ!?」
アシスターは構えていた剣を下げ、エメラダの攻撃で崩れた後方の岩壁を見ながら言葉を続ける。
「ここは召喚した力を試す場でもある。
特殊な魔法で強化したこの場所は並の攻撃で破壊されることは決してない」
アシスターは満足したように微笑む。
「これほどの強さなら俺の力となる。
お前も魔族なら分かるだろう? 他者を蹂躙しより強い力を求める。力をなにより重視するのが魔族の本質だ。
人間社会の中では窮屈だろう? 目の前の存在を邪魔だと、全て消し去りたいと思ったことがあるはずだ。
こんな“残りカス”どもと同列になる必要などない。俺の元で魔族らしく、本来の在り方を示せ」
アシスターの言葉はまるで人間のことを命を持った存在としてではなく、虫けらとか下等生物としか考えていないように思える。
それを当たり前の価値観としてエメラダと共有しようとしてる感じだ。
「分からないわね。ならどうして始めから魔族を召喚しなかった? 人間に力のみを与えるような回りくどいことをして、あんたの狙いは一体何なの?」
「お前も人間のくせに人を見下したような物言いしやがって。子供のときにシャルルに助けられたんだろ。世界中旅しながらいろんなことを教わって、独りになったお前に温もりを与えてくれたはずだ」
学園長から聞いた話を思い返す。
シャルル自身もモンスターに大切な家族を殺されているから、アシスターの気持ちが分かったに違いない。自分の技術と知識を惜しみなく与えたのは、ただ自分の手伝いをしてほしかったわけじゃない。アシスターの将来を考え、選べる幅を広げてやりたかったんじゃないだろうか?
「なのになんで恩人を裏切って人の平穏を壊そうとするんだ!」
「ちっ、世界の真実を知らない無知め」
苦々しそうに吐き捨て言葉を続ける。
「今の魔族は腑抜けばかりだ。貪欲さを失い保守的な争いばかりしやがって。人間のほうが強欲だとは思わないか、なぁ?」
アシスターがこちらに視線を送ってくる。確かに、人間のなかには自分の欲のためなら平気で他人を騙し傷つける連中が多くいる。命を奪うことでさえ何とも思っちゃいない奴らが。
そういう意味では人間のほうがよっぽどか悪魔らしいと言えるかもしれない。
悲しいことに否定できないでいる俺を見てニヤリと笑う。
「己のためだけに力を使ったあいつらは強かっただろう? あれこそが正しい力の使い道だ。
俺はこの世界の前世の姿を取り戻す。力ある者だけが生き残る争いに満ちた世界だ」
アシスターの表情がこれまでにないくらい邪悪に染まる。
「力こそが正義ってやつか? 戦争なんかゴメンだぜ。関係ない人間まで争いに巻き込まれて、住む場所や家族を失う悲しみはお前が一番分かってるんじゃないのか!」
「耳障りな奴だなっ!」
「がっ!」
アシスターの言葉が耳に届くと同時に肘が鋭く俺の腹にめり込んだ。
「ぶふぉぇっ!」
たまらず膝をついて胃液を吐き出し地面に粘稠性の透明な液体が散った。口の中が酸っぱさでいっぱいになる。
「キサマッ!!」
髪の毛を逆立たせアシスターにまっすぐと弓を向ける。
「コイツから魔剣を奪って殺すのは容易いことだ。
コイツだけじゃない。俺の計画に邪魔な人間は皆殺しにする。
だがお前が俺の仲間になるのなら、コイツだけは生かしといてやる。どうだ、他の人間などお前にとってはどうでもいいはずだ。別に悪い話じゃないだろ?」
エメラダは腹を抱えてうずくまる俺をちらりと見る。
「や、やめろ………。こんな奴の口車に乗るな……」
両手両足で踏ん張って立ち上がろうとする。
「争いだらけの世界なんで絶対にイヤだ………。そんなことにエメラダが協力させられるのも耐えられない。ひ…人質になんかなってたまるがぁっ!」
「フォックス!!」
中腰まで立ち上がりかけたところをアシスターに蹴り飛ばされエメラダに抱き止められる。
「勘違いするなよ。これは交渉だ。この俺が貴様のような雑魚を人質になぞするか」
「大丈夫?」
「あ、あぁ………」
いらない物を返すようにエメラダの方へ蹴られた。人質をとることはプライドが許さないようだ。
「さぁ、答えを聞かせろ。この命を狙うなら俺の願いが成就した暁に改めて勝負してやる。強い者が生き延びる世界こそが俺の望みなのだからな」
こいつ…、自分の命さえも弱肉強食の輪廻に組み込んで考えてやがる。それとも絶対に負けない自信でもあるのか?
「お前の言うとおり他の人間の命なんてどうでもいいわ。うっかり殺しそうになったこともあるもの」
「ってあるんかい!」
左手で痛む腹を押さえながらもう片方でツッコむ。
「我慢するな、殺したければ殺せばいい。そして戦え。生きるか死ぬかの争いの中でこそ生物は覚醒し進化するんだ。
お前も心が望むままに他者を破壊し更なる力を求めろ」
殺戮を繰り返しより強くなろうとすることが魔族の本質で、力こそが魔族の価値観の全てであるとアシスターは言う。強さ云々はともかく、普段のエメラダの発言から嘘を言っているのではないことがなんとなく分かる。
「………」
エメラダは考え込むようにじっと目を瞑る。
「迷う必要はない。この世界に来る前の……神々と争っていた頃の生活に戻るだけだ。
リリルとかいう神さえいなくなればこの世界にお前を邪魔する者はいなくなる。まずはそいつを殺せ」
「てめえっ! エメラダに仲間を殺させる気か!」
「貴様がどうわめこうが、どのみちそいつは魔の道に戻るさ」
「………どういうことだ?」
「力が全てを支配する種族の中で生まれた者が脆弱な人間世界に耐えられるわけがない。いずれ価値のない人間をこの世界から全て消し去りたくなる。俺はほんの少しだけその手伝いをしているにすぎない」
アシスターは腕を組み、余裕の笑みでエメラダの返答を待つ。
エメラダは何を考えているのか、ずっと目を瞑ったままだ。
「知ったふうな口を利くなよ」
「なんだと?」
「魔族について詳しいのか知らねぇけどな、エメラダのことは俺のほうがよく分かってるんだよ!」
腹の痛みも治まり、立ち上がって剣を構える。
「エメラダはお前なんかに協力しないし、魔王として世界を破壊することもない!
そりゃこの世界には気に入らないこともたくさんあるだろうさ。けどな、魔族の本能のまま戦いを欲しろと言われて、ハイハイって世界を争いの渦に巻き込んだりなんかしねーんだよ!
エメラダは言ったんだ。もう魔王には戻らないって。俺はエメラダを信じるぜっ!」
「その言葉を待ってたわ」
これまで沈黙していたエメラダが急に俺の言葉に反応してきた。
「エメラダ?」
「アタシはこれまでずっと戦ってきたわ。魔族だから。神だから。それだけではるか昔から続く争いを同じように繰り返してきた。
でも戦いは苦ではなかったわ。気に入らない相手が生き続けてることが気に食わなかったから思うがままに殺した」
エメラダの語る内容はまさにアシスターの言う魔族の生き方そのものだった。
「ハハハハハッ!」
突然アシスターが勝ち誇ったように笑いだした。
「どうだ、これが魔族だ。てめぇのような普通のガキが関わっていい存在じゃない! もし気分を損ねたらお前もたちまち殺されるぞ。
恐ろしくなったなら魔剣を置いてさっさとこの場を立ち去るんだな」
「興味ないね。どーだっていいんだよそんなコト!
これまでエメラダがどれだけ殺してようが、それは俺と出会う前の異世界での話だ。俺にはカンケーないね」
「こいつ………」
「それに気分を損ねて殺されるんだったら、もうとっくに死んでるっての。今まで何度もエメラダを怒らせてるからな。つーか、懲りずにまたやるしな。
今度は覚醒大人verでよろしく! ぜってーバレずにやってやるぜ!」
「なに堂々と宣言してんのよ変態!」
俺の言ってる意味を瞬時に理解してギロリと睨んでくる。
「まったく………」
ため息をつきつつも、俺のアホな発言に慣れてきたのか呆れ顔に笑みが滲んでいる。
「こんなバカだけどアタシのことを受け入れて信じてくれる。
………もし信じてくれてなかったら腹いせに町の一つや二つ滅ぼしていたけど」
「っておーいっ!」
「配下や敵しかいなかったから他人に興味を持つことなんてなかったけれど、戦いばかりのアタシの中に誰かを近くに感じる心地良さを教えてくれたから。
もう前の自分に戻りたいとは思わない。この世界でゆっくりと過ごしていく。それがアタシの選んだ道よ!」
迷いのない表情で前を見てはっきりと言い放つ。
「エメラダッ!」
アシスターの言葉なんかに惑わされない意思を改めて示してくれたことで俺たちの士気が上がる。
「はんっ! 魔王ともあろう者がまさかここまで堕ちていようとはな!」
反対にアシスターは反吐でも出そうに顔を歪ませる。
「もういい、魔族の魂を失った貴様も生きる価値などない。2人まとめてぶっ殺してやる」
殺気が高まり手にしていた魔法剣が火の玉サイズのゆらめく黒い魔法力へと戻る。
「剣が……。一体どういうつもりだ?」
「後悔しろ。てめぇらに俺の本気を見せてやる!」
そう言うとその魔力をみぞおちの辺りに押しつけた!
「はあぁぁーーーっ!」
魔法力が胸の中に消えていくと代わりにアシスターの身体全体を黒い魔力が覆っていく。
「あいつっ、何しやがった?」
「待ってやる必要はないわ。これで一気にケリをつける!」
弦を耳の後ろまで大きく引くのに合わせて光が矢の形をとる。
「はぁぁ!」
狙いを定め集中する。矢の輝きが一層増し、大気がエメラダの魔力に押し出されるように、彼女を中心に風が渦を巻く。そして変化を続けるアシスターに渾身の矢を放つ。
「ふん」
だがエネルギーの余波で地面を抉りながら迫る矢を異形と化した手で易々とキャッチしてそのまま握り潰してみせた。
「魔人化しやがったか!」
「違う……。武器化していた魔法を自分の身体に取り込んだのよ」
黒竜が半人化したかの姿に変身を遂げ、ゆらりと顔を上げて驚く俺達を見る。
「その通り。勘違いしているようだが、俺はこの身に召喚の力など宿していない」
言われてみれば、イーワンやニッツは肉体的な変化をしていた…。しかしアシスターは翼や尻尾から爪や牙にいたるまでが全て魔力のオーラだった。これはエメラダの変化と似ている。
「『黒竜覇闘衣』 攻守に優れたこの戦闘スタイルこそが俺の本気の姿だ!」
「させない!」
「っ!」
一瞬だった。反応する間もなく俺の息の根を止めようと接近したアシスターの前にエメラダが飛び出て攻撃を受け止める。
そしてそのまま近接戦が始まった。
「接近戦で俺に勝てると思うなぁ!」
肩にスプリングを利かせた素早い連続パンチ。上段から下段まで繰り出す拳の高さを変え、腕が6本も8本もあるように見える。
エメラダは自分の半身ほどの弓を巧みに操り攻撃を防いでいる。しかし拳の連打は勢いを落とすことなく、反撃の隙を許さない。
「どうした? 守ってばかりじゃ俺には勝てないぞ」
「……魔法のエネルギーを取り込んで闘気としただけではここまでの力の増幅はしないはず。さっきの一撃も防げるはずがないわ。一体何をした?」
「それを話してやる必要はない。貴様はもう殺すことに決めたんだからな」
「なら用はない。あの世へ行け!」
攻撃を防ぎつつ尻尾で足払いをかけた。
「ふっ」
膝を直角に曲げ軽く身体を浮かせる程度にジャンプして避ける。刹那、連撃の手が止む。
このタイミングでエメラダは左半身を捻り弓を持った腕を斜め下に引く。
「ハァッ!」
そして身体をしならせるように腰を回転させ体重を一気に右へ移動させながら弓を振り上げた!
「ちっ」
着地と同時にプロボクサーばりのスリッピングアウェーでこれを回避した。
「へぇ」
アシスターの頬に赤い筋が入り血がたらりと流れる。
「リムの部分が刃になっているのか。
弓という武器から接近戦は苦手かと思ったが、斬撃武器としても使えるのか」
手の甲で血を拭ってペロリと舐めるアシスターの表情は嬉しそうだ。
「この覇闘衣の上から傷をつけるとはな。そうでなくっちゃ面白くない。強者との戦いが俺をまた強くしてくれる」
エメラダの顔面めがけて右ブローを放つ。
防御に入った弓に当たる直前ピタリと拳が止まった。
「あぐっ!」
パンチはフェイントでエメラダの胴にアシスターの左脚がクリーンヒット。キックの威力のまま横へ数メートル飛ばされた。
「死ねぇいっ!」
アシスターの次の攻撃はエメラダに向かわず、援護のタイミングを掴めず突っ立っていた俺を狙った。
「え?」
「しまった!」
「『召獄竜咆拳』」
「ぐあぁーーーー」
痛恨の一撃が腹に深く食い込む。体を魔力が貫通した感覚に襲われ吹っ飛び、空洞の端の壁に叩きつけられた。
「あっ、あぎ、あぐぅっ、ブフォゥエッ!」
背骨が悲鳴を上げ、喉を押し広げて大量の血が吐き出た。
「フォックスーーー!!」
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