11 / 35
11.東京一輪車演技大会
しおりを挟む
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
依田俊介・・・悦子の父親。ホテル支配人。
依田慶子・・・悦子の母親。ホテル副支配人。
草薙あきら・・・元EITO出向の警視庁事務官。
大文字伝子・・・おさむの母。EITO東京本部隊長。翻訳家。
大文字学・・・伝子の夫。おさむの父。小説家。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※恒例の、「東京一輪車演技大会」が足立区総合スポーツセンターで行われていた。
ミラクル9のメンバー、依田悦子は、Bグループ(初心者の部)のS1(ソロ演技小学生以下の部)に出場していた。それで、悦子の親である依田夫婦が応援に来ていた。
午後2時。足立区総合スポーツセンター。
依田と、他の出場者の親が、審判に詰め寄っていた。
普通乗車、前進、バック走行、片足、タイヤ乗りまでを2分00秒持続することが、合格の条件らしい。
悦子が合格したのに、他の出場者片山継男の父親透が、審判に食ってかかった。
継男は、悦子の前の順番で、惜しくも2分持たなかった。
透は、悦子が、途中、足を突いたから失格だと言い出したのだ。
審判は、そんな筈はない、と思いながらも、透のあまりの勢いに戸惑っていた。
そこへ、草薙がデジカメで撮影していたので、審判に差し出した。
片山透は、舌打ちをして、渋々継男を連れて退場した。
途中で、継男は引き返して、悦子に「父が失礼なこと言って申し訳ない。君の演技は、素晴らしかった。来年は負けないからね。継いでみたいで恐縮ですが、僕と付き合って下さい。」と、手製の名刺を悦子に渡して、深くお辞儀をした。
「いいよ。友達からね。まだ、『大人のお付き合い』は出来ないからね。」と言い、継男と握手した。
草薙は、拍手をした。草薙に連られて場内からも拍手が起った。
透は、バツの悪そうな顔をした。
「健太郎君。大工の棟梁に認められたんだって?ちょっと、手伝ってくれないかな?見ての通り、指を怪我しちゃったんだ。」「喜んで。」
午後4時半。ホームセンター。
競技を見終わった、ミラクル9は、大きなホームセンターの店内を見ながら健太郎と草薙について行った。
悦子は、合格はしたものの、総合点で優勝は叶わなかったので、丁度いい気晴らしだと思った。
午後5時半。草薙発明研究所。
健太郎は、草薙が指示する通りに、引き戸の戸車を外し、勝って来た戸車と交換した。
「やっぱり、健太郎君は器用だな。助かったよ。煎餅しかないけど、皆で食べて行って。」
そう言うと、草薙はジュースと煎餅を用意した。
午後7時。伝子のマンション。
「おさむ。ひょっとして、競技始まる前、草薙さんは包帯していなかったとか?」
「よく分かったね、父さん。」「お前の解説の仕方から、簡単に推理出来たよ。お前は気がついてた。でも、黙ってた。」
「偉いぞ、おさむ。今夜はかあさんと風呂入ろうか?」「やだ、思春期の息子だよ。」
大文字夫婦は、大笑いした。
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
依田俊介・・・悦子の父親。ホテル支配人。
依田慶子・・・悦子の母親。ホテル副支配人。
草薙あきら・・・元EITO出向の警視庁事務官。
大文字伝子・・・おさむの母。EITO東京本部隊長。翻訳家。
大文字学・・・伝子の夫。おさむの父。小説家。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
※恒例の、「東京一輪車演技大会」が足立区総合スポーツセンターで行われていた。
ミラクル9のメンバー、依田悦子は、Bグループ(初心者の部)のS1(ソロ演技小学生以下の部)に出場していた。それで、悦子の親である依田夫婦が応援に来ていた。
午後2時。足立区総合スポーツセンター。
依田と、他の出場者の親が、審判に詰め寄っていた。
普通乗車、前進、バック走行、片足、タイヤ乗りまでを2分00秒持続することが、合格の条件らしい。
悦子が合格したのに、他の出場者片山継男の父親透が、審判に食ってかかった。
継男は、悦子の前の順番で、惜しくも2分持たなかった。
透は、悦子が、途中、足を突いたから失格だと言い出したのだ。
審判は、そんな筈はない、と思いながらも、透のあまりの勢いに戸惑っていた。
そこへ、草薙がデジカメで撮影していたので、審判に差し出した。
片山透は、舌打ちをして、渋々継男を連れて退場した。
途中で、継男は引き返して、悦子に「父が失礼なこと言って申し訳ない。君の演技は、素晴らしかった。来年は負けないからね。継いでみたいで恐縮ですが、僕と付き合って下さい。」と、手製の名刺を悦子に渡して、深くお辞儀をした。
「いいよ。友達からね。まだ、『大人のお付き合い』は出来ないからね。」と言い、継男と握手した。
草薙は、拍手をした。草薙に連られて場内からも拍手が起った。
透は、バツの悪そうな顔をした。
「健太郎君。大工の棟梁に認められたんだって?ちょっと、手伝ってくれないかな?見ての通り、指を怪我しちゃったんだ。」「喜んで。」
午後4時半。ホームセンター。
競技を見終わった、ミラクル9は、大きなホームセンターの店内を見ながら健太郎と草薙について行った。
悦子は、合格はしたものの、総合点で優勝は叶わなかったので、丁度いい気晴らしだと思った。
午後5時半。草薙発明研究所。
健太郎は、草薙が指示する通りに、引き戸の戸車を外し、勝って来た戸車と交換した。
「やっぱり、健太郎君は器用だな。助かったよ。煎餅しかないけど、皆で食べて行って。」
そう言うと、草薙はジュースと煎餅を用意した。
午後7時。伝子のマンション。
「おさむ。ひょっとして、競技始まる前、草薙さんは包帯していなかったとか?」
「よく分かったね、父さん。」「お前の解説の仕方から、簡単に推理出来たよ。お前は気がついてた。でも、黙ってた。」
「偉いぞ、おさむ。今夜はかあさんと風呂入ろうか?」「やだ、思春期の息子だよ。」
大文字夫婦は、大笑いした。
―完―
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
星渦のエンコーダー
山森むむむ
ライト文芸
繭(コクーン)というコックピットのような機械に入ることにより、体に埋め込まれたチップで精神を電脳世界に移行させることができる時代。世界は平和の中、現実ベースの身体能力とアバターの固有能力、そして電脳世界のありえない物理法則を利用して戦うレースゲーム、「ネオトラバース」が人気となっている。プロデビューし連戦連勝の戦績を誇る少年・東雲柳は、周囲からは順風満帆の人生を送っているかのように見えた。その心の断片を知る幼馴染の桐崎クリスタル(クリス)は彼を想う恋心に振り回される日々。しかしある日、試合中の柳が突然、激痛とフラッシュバックに襲われ倒れる。搬送先の病院で受けた治療のセッションは、彼を意のままに操ろうとする陰謀に繋がっていた。柳が競技から離れてしまうことを危惧して、クリスは自身もネオトラバース選手の道を志願する。
二人は名門・未来ノ島学園付属高専ネオトラバース部に入部するが、その青春は部活動だけでは終わらなかった。サスペンスとバーチャルリアリティスポーツバトル、学校生活の裏で繰り広げられる戦い、そしてクリスの一途な恋心。柳の抱える過去と大きな傷跡。数々の事件と彼らの心の動きが交錯する中、未来ノ島の日々は一体どう変わるのか?
鳥に追われる
白木
ライト文芸
突然、町中を埋め尽くし始めた鳥の群れ。
海の上で燃える人たち。不気味な心臓回収人。死人の乗る船。僕たち三人は助かるの?僕には生きる価値があるの?旅の最後に選ばれるのは...【第一章】同じ会社に務める気弱な青年オオミと正義感あふれる先輩のアオチ、掴みどころのない年長のオゼは帰省のため、一緒に船に乗り込む。故郷が同じこと意外共通点がないと思っていた三人には、過去に意外なつながりがあった。疑心暗鬼を乗せたまま、もう、陸地には戻れない。【第二章】突然ぶつかってきた船。その船上は凄惨な殺人が起きた直後のようだった。二つ目の船の心臓回収人と乗客も巻き込んで船が進む先、その目的が明かされる。【第三章】生き残れる乗客は一人。そんなルールを突きつけられた三人。全員で生き残る道を探し、ルールを作った張本人からの罠に立ち向かう。【第四章】減っていく仲間、新しく加わる仲間、ついに次の世界に行く者が決まる。どうして選別は必要だったのか?次の世界で待ち受けるものは?全てが明かされる。
モノクロに君が咲く
琴織ゆき
ライト文芸
〝死ぬ前に、先輩の世界に触れてみたかった──〟
美術部唯一の活動部員〝小鳥遊鈴〟は、天才モノクロ画家〝春永結生〟に恋をしている。
一方、色のない世界を生きていた結生もまた、毎日のように「好きです」と伝えてくる鈴が気になっていた。
しかし、鈴は〝枯桜病〟という病を患っていて──?
残りわずかな命の時間。
ふたりは、いずれきたる〝別れ〟を見据えながらも心を通わせていく。
──その憧れは、生きる力になった。
──その恋は、生きたい理由になった。
──その想いは、生きた証になった。
「ねえ、先輩。贈り物、受け取ってくれました?」
四月の忘れ事
佐武ろく
ライト文芸
九十三 蓮はたまに変な夢を見ていた。そこには知らない少年と少女がいて一緒に楽しそうに遊んでる。かと思えば真っ黒な手が現れその二人を連れ去ってしまう。そして最後には決まって少女がこう言う。「助けて――蓮」
ある日、蓮は幼稚園からの付き合いである莉緒と夕晴と共に子どもの頃に作った秘密基地へ向かった。そこには錆びたお菓子の缶がありそこには子どもの頃に入れた物が詰まっていた。だがそこにあった見知らぬ懐中時計。それを手に取った瞬間、蓮の頭に知らない記憶が蘇る。しかもそこには夢で見るあの少年の姿があった。莉緒と夕晴はそんな蓮に首を傾げるが、蓮から夢の話を聞いた次の日。二人も同じ夢を見たと口を揃えた。
それから三人は、その知らない少年と少女の事を調べ始めるが……。
※この物語はフィクションです。実在の団体や人物と一切関係はありません。また心霊関係の情報は創作であり、心霊現象の検証および心霊スポット等へ行くことは危険ですので絶対に真似しないでください。
森野探偵事務所物語~1~
巳狐斗
ライト文芸
『藍色の探偵』と呼ばれるほど有名な女子大生探偵の森野藍里。彼女の前に立ちはだかる数々の事件。時に仲間達や、周りの人達から知恵や協力を得て、事件解決へと奮闘する。
空手バックパッカー放浪記
冨井春義
ライト文芸
空手はほんの少し齧った程度。まったく強くはない、むしろ弱い私は、好奇心から軽率にもスリランカにできたばかりの空手道場の指導員として、空手指導普及の任務を引き受けてしまいました。
しかも「もし誰かと戦うことになったら、どんな卑怯な手を使っても絶対に負けてはならない」という厳命を受けて。
腕前はからきしのインチキ空手家の私が、ハッタリと機転と卑怯な手を駆使して、バンコクのムエタイ使い、身長2mのフランス人空手家、スリランカのソルジャー、プノンペンのショットガン強盗、チェンマイ・マフィアなど数々の難敵を退け任務を果たそうとアジア各地を奔走する命がけ旅行記。
後半部では少々切ないロマンスもあります。
※エブリスタ、カクヨムにも同時連載中です。
~巻き込まれ少女は妖怪と暮らす~【天命のまにまに。】
東雲ゆゆいち
ライト文芸
選ばれた七名の一人であるヒロインは、異空間にある偽物の神社で妖怪退治をする事になった。
パートナーとなった狛狐と共に、封印を守る為に戦闘を繰り広げ、敵を仲間にしてゆく。
非日常系日常ラブコメディー。
※両想いまでの道のり長めですがハッピーエンドで終わりますのでご安心ください。
※割りとダークなシリアス要素有り!
※ちょっぴり性的な描写がありますのでご注意ください。
思い出を売った女
志波 連
ライト文芸
結婚して三年、あれほど愛していると言っていた夫の浮気を知った裕子。
それでもいつかは戻って来ることを信じて耐えることを決意するも、浮気相手からの執拗な嫌がらせに心が折れてしまい、離婚届を置いて姿を消した。
浮気を後悔した孝志は裕子を探すが、痕跡さえ見つけられない。
浮気相手が妊娠し、子供のために再婚したが上手くいくはずもなかった。
全てに疲弊した孝志は故郷に戻る。
ある日、子供を連れて出掛けた海辺の公園でかつての妻に再会する。
あの頃のように明るい笑顔を浮かべる裕子に、孝志は二度目の一目惚れをした。
R15は保険です
他サイトでも公開しています
表紙は写真ACより引用しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる