二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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帰宅求む

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 そろそろ水汲みに行くかと腰を上げようとした瞬間、袖を引かれる感覚に下を見る。

 「ん?どうした2人とも」

 縁もジークもいないせいか、少し元気がなさそうな双子がこちらを見上げて来ていた。

 「「………お外行きたい」」

 基本的に外に出る時はジークとが殆んどだったため双子が自分に言ってきたのには少し驚いた。
 
 「外?狩りにか?それならママたちが帰ってきてからーー」

 「「ううん。ママ元気にするミとりに行きたい」」

 「………元気、にするミ?」

 ミ?み?み、み、実、か?
 そういえば以前、縁が妊娠していた時にそんな話しを聞いた覚えがあった。
 確か2人が元気を運んできてくれたと縁が喜んでいた。
 出かける時縁が子どもたちに簡単に説明はしていたが、その様子からママに元気がないと2人は感じとったのだろう。
 
 「にしても今からか?ママたちが帰ってきてからでもいいだろう?大体俺は場所を知らなーー」

 「リルいっしょに行ってくれるって」

 「スノーもいっしょ」

 「…………」

 よく見れば双子の背に隠れていたが、足下にはリルの姿があった。隣りにはスノーの姿まである。
 用意周到である。
 2人だけで外に行かないという縁の約束を守りながら、道案内兼護衛にリルとスノーを事前に連れて来るというセインも反対し辛い状況。
 チラリとリルに視線を送れば、諦めろとばかりに首を振り溜め息をつかれてしまった。
 繋ほどではないがこういう抜け目ないところは縁に似たとしか言いようがない。

 「………はぁ。分かった分かった。なら出かける用意と、繋たちにも一緒に行くか聞いてきてくれるか?」

 「「うん!」」

 やったぁ!!と駆けていく2人に少しは元気が出たようで良かったと一息つく。
 セインたちの影響もあるのか、子どもたちも縁の反応に敏感な時があるのだ。
 特に元気がないと分かった時は側にいたり、自分たちのご飯やオヤツを分けたりと子どもながらにママを元気付けようと頑張っている。
 ただそこまで量を必要としない縁は断るのに毎回苦労していたが。
 いい子に育ってくれたなと考えながらも、ちゃんと親離れ出来るのかと考えてもしまう。

 「と言っても今の縁にあの実はきついんじゃないか?」

 妊娠中だったからこそ美味しく感じていたのだろうが、今それを食べたところでかなり酸っぱく食べきれるか分からないと思う。

 「なんとか上手いこと言って他の実で誤魔化すしかないか」

 縁のことだ、子どもたちに薦められれば頑張って食べると思うが、どうせなら美味しく食べ子どもたちを褒めてやってほしい。
 縁の好きな実は何だったかと思い出しつつ部屋を出れば、パタパタという足音と共に足に何かがぶつかってきた。

 「ん?翔?泣くのは終わったのか…って、すごい顔だな」

 それまで泣いていたのことが分かる涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔に、張り付かれた足はすごいことになってしまっている。
 ずっと泣いてはいるなと思っていたが、父親であるルーが泣き止ませられないなら自分には無理だろうと思ったため放っておいたのだが……

 「じょうにょいぐぅにょん」

 「…………」

 たぶん、自分も行くと主張しているのだろうことは掴んでくる腕の力で分かるのだが、最早何を言っているのか分からないほどの涙声だった。

 「分かったからいい加減泣き止め。あと一緒に行くならちゃんとパパにも行ってこい。いきなりいなくなったら今度はパパが泣くぞ?」

 「ゔーゔー」

 なぜ自分がこんなことをと思いながらも促すが、よほど不安になっているのか付いて来てとばかりに腕を引かれる。
 世話が焼ける親子である。
 父親の方にはもう少ししっかりしろと今度言っておかなければ。
 
 「翔はもう少し強くなれ。ずっと泣いてたらママが帰ってきた時驚いて泣くぞ」

 「ゔぅー」

 ぐしぐしと涙を拭くのはいいのだが、拭く場所はもう少し考えてもらいたい。
 おかげでセインの服が涙と鼻水でぐしゃぐしゃである。
 繋の時にはなかった状況に、子育てとは大変だなと何故か自身の子ではない今実感する。

 「はぁ……着替えるか」

 縁がいない今、娘の笑顔に癒されたいなと思うセインであった。

 「というかアレンはどこに行ったんだ?」

 自分だけ犠牲になるのは不公平だろうと、道連れにアレンの姿を探すのだった。
 
 

 


 





 
 


 

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