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何がいいかな?
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なんだかんだで夜遅くまで話しに付き合ってくれたマーガレットたちのおかげで少女も再び眠りについてくれたため、縁も身体を休めることが出来た。
「うーん、今日は何をしましょうかねぇ」
翌朝目を覚まし、今日の予定を考える。
現在借りている一室は掃除もされているためその必要はなく、洗濯をしようにも自分と少女の2人分しかないためそう時間もかからない。
外に出ようにも少女がもう少し落ち着いてからにしたい。
何をしようかなと少女と手を繋ぎながらギルド内を歩いて回る。
途中途中、職員や冒険者たちと挨拶を交わしながらも普段あまりじっくり見ることがないギルドを探検していく。
「エニシくんっ!おはようございます!」
何かすることはないかと見ていれば、朝にもかかわらず元気よく挨拶しながら入ってきたククルに苦笑いしながら挨拶を返す。
「おはようございます。お約束はお昼のはずだったんですけど、何かありましたか?」
そう、ククルも呼んで一緒に食べようと昨夜マーガレットたちと話していたのだが、あくまで約束したのは昼であり朝ではない。
現在朝8時。
「いえ!エニシくんからのお誘いと聞き待ちきれずに走ってきました!」
「…………そう、ですか」
来ましたって………喜ぶべきなのだろうか?
そもそも走ってきたからと笑顔で言われても、用意すら何もしていないのだが。
期待するような眼差しが痛い。
「えーと、では……少し早いですが用意しましょうか」
「はい!私に出来ることがあればなんなりと!なんなりとお申し付け下さい!」
「……………」
何だろう。
会う度彼への謎が深まっていく気がする。
「ヨナちゃんもお手伝いしてくれると嬉しいんですが。お願い出来ますか?」
ククルの勢いに怯え縁の背に隠れるように張り付いていたヨナに大丈夫だからと微笑む。
この人は怖い人じゃないよと震える身体を抱きしめ背を撫でる。
「あ……お、驚かせたようですいません」
マーガレットたちに話しは聞いているのか少女について聞かれることはなく、驚かせたことを謝られた。
「大丈夫ですよ。今日は唐揚げにしようと思ってたんです。時間にも余裕があるので、多めに作って職員のみなさんにも試食してもらいましょうか」
「「「「っ!?」」」」
「えっ……」
時間も時間のため、お腹が空くにはまだ時間がかかるだろうと提案したのだが、一斉にこちらを振り向いた職員たちに少女だけでなく縁も驚いた。
「あの……勿論無理にとは言わなーー」
「「「「ありがとうございますっ!」」」」
人それぞれ好き嫌いもあるため無理に食べなくていいと言おうとしたのだが、言わせてなるものかとばかりにこれまた一斉に頭を下げられ、どこか懐かしさを感じたのは何故だろうか?
そしてそんな職員たちの姿に冒険者たちまでもが引いている。
「みんなも食べたいみたいですね。よし、ヨナちゃん頑張りましょう!」
これは頑張らねばと腕の中の少女に頑張ろうと笑えば、戸惑いながらも頷いてくれた。
仲良く手を繋ぎ調理場に向かうと、ククルが持ってきてくれた材料を広げていく。
「ではククルさんには一口大の大きさに切っていてもらうとして、ヨナちゃんは粉をつけるのをお願いしましょう」
汚れないようにと髪を結び袖を捲ってやると、抱えていた人形は近くの椅子に座らせてやる。
「ヨナちゃんが頑張っているところを見ていてもらいましょうね」
とりあげるわけではないよと少女に伝え、いつでも見える位置に椅子を配置した。
「そういえば以前エニシくんが提案してくれた包丁ですが、妻が喜んでいました。なんでもっと早く教えてくれなかったのと」
「それは良かったです。ほとんど私の我儘で作ってもらったものなので他の方にも受け入れてもらえるか不安だったんですが」
日本にいた頃の包丁を知っていたからこそ、こちらのものに不安を感じ作ってもらったのだ。
だからこそそれを知らない彼らがどこまで必要としてくれるか心配していた。
「なんのなんの!店でも特に人気の商品ですよ。私も何度か使わせてもらったんですが、あの切れ味は素晴らしかったです」
「それは良かった。では1つおまけに、当たり前ですがあれも剣などと一緒で刃物なので使っていくと刃こぼれや錆なんかも出てきて切れ味が悪くなってきます。その手入れを引き受けることも含めて販売すればお客様も喜んでくれると思いますよ」
切れ味が悪くなったから買い替えるのではなく、いつでも手入れを受けますよと言っておけば客も多少値が張っても安心して買うことが出来る。
「なるほど。客の信頼を買うわけですね」
「その内今のものを真似て他の店も似た商品を出してくると思います。けど、初めにそうやってお客様の信頼を獲得しておけば後で困ることもきっとそうないと思いますよ」
「…………やはりエニシくんには頭が上がりませんね」
ククルのためというのもあるが、作ってくれたゼスのためにも仕事という形で恩返し出来ればいいなと思うのだった。
「うーん、今日は何をしましょうかねぇ」
翌朝目を覚まし、今日の予定を考える。
現在借りている一室は掃除もされているためその必要はなく、洗濯をしようにも自分と少女の2人分しかないためそう時間もかからない。
外に出ようにも少女がもう少し落ち着いてからにしたい。
何をしようかなと少女と手を繋ぎながらギルド内を歩いて回る。
途中途中、職員や冒険者たちと挨拶を交わしながらも普段あまりじっくり見ることがないギルドを探検していく。
「エニシくんっ!おはようございます!」
何かすることはないかと見ていれば、朝にもかかわらず元気よく挨拶しながら入ってきたククルに苦笑いしながら挨拶を返す。
「おはようございます。お約束はお昼のはずだったんですけど、何かありましたか?」
そう、ククルも呼んで一緒に食べようと昨夜マーガレットたちと話していたのだが、あくまで約束したのは昼であり朝ではない。
現在朝8時。
「いえ!エニシくんからのお誘いと聞き待ちきれずに走ってきました!」
「…………そう、ですか」
来ましたって………喜ぶべきなのだろうか?
そもそも走ってきたからと笑顔で言われても、用意すら何もしていないのだが。
期待するような眼差しが痛い。
「えーと、では……少し早いですが用意しましょうか」
「はい!私に出来ることがあればなんなりと!なんなりとお申し付け下さい!」
「……………」
何だろう。
会う度彼への謎が深まっていく気がする。
「ヨナちゃんもお手伝いしてくれると嬉しいんですが。お願い出来ますか?」
ククルの勢いに怯え縁の背に隠れるように張り付いていたヨナに大丈夫だからと微笑む。
この人は怖い人じゃないよと震える身体を抱きしめ背を撫でる。
「あ……お、驚かせたようですいません」
マーガレットたちに話しは聞いているのか少女について聞かれることはなく、驚かせたことを謝られた。
「大丈夫ですよ。今日は唐揚げにしようと思ってたんです。時間にも余裕があるので、多めに作って職員のみなさんにも試食してもらいましょうか」
「「「「っ!?」」」」
「えっ……」
時間も時間のため、お腹が空くにはまだ時間がかかるだろうと提案したのだが、一斉にこちらを振り向いた職員たちに少女だけでなく縁も驚いた。
「あの……勿論無理にとは言わなーー」
「「「「ありがとうございますっ!」」」」
人それぞれ好き嫌いもあるため無理に食べなくていいと言おうとしたのだが、言わせてなるものかとばかりにこれまた一斉に頭を下げられ、どこか懐かしさを感じたのは何故だろうか?
そしてそんな職員たちの姿に冒険者たちまでもが引いている。
「みんなも食べたいみたいですね。よし、ヨナちゃん頑張りましょう!」
これは頑張らねばと腕の中の少女に頑張ろうと笑えば、戸惑いながらも頷いてくれた。
仲良く手を繋ぎ調理場に向かうと、ククルが持ってきてくれた材料を広げていく。
「ではククルさんには一口大の大きさに切っていてもらうとして、ヨナちゃんは粉をつけるのをお願いしましょう」
汚れないようにと髪を結び袖を捲ってやると、抱えていた人形は近くの椅子に座らせてやる。
「ヨナちゃんが頑張っているところを見ていてもらいましょうね」
とりあげるわけではないよと少女に伝え、いつでも見える位置に椅子を配置した。
「そういえば以前エニシくんが提案してくれた包丁ですが、妻が喜んでいました。なんでもっと早く教えてくれなかったのと」
「それは良かったです。ほとんど私の我儘で作ってもらったものなので他の方にも受け入れてもらえるか不安だったんですが」
日本にいた頃の包丁を知っていたからこそ、こちらのものに不安を感じ作ってもらったのだ。
だからこそそれを知らない彼らがどこまで必要としてくれるか心配していた。
「なんのなんの!店でも特に人気の商品ですよ。私も何度か使わせてもらったんですが、あの切れ味は素晴らしかったです」
「それは良かった。では1つおまけに、当たり前ですがあれも剣などと一緒で刃物なので使っていくと刃こぼれや錆なんかも出てきて切れ味が悪くなってきます。その手入れを引き受けることも含めて販売すればお客様も喜んでくれると思いますよ」
切れ味が悪くなったから買い替えるのではなく、いつでも手入れを受けますよと言っておけば客も多少値が張っても安心して買うことが出来る。
「なるほど。客の信頼を買うわけですね」
「その内今のものを真似て他の店も似た商品を出してくると思います。けど、初めにそうやってお客様の信頼を獲得しておけば後で困ることもきっとそうないと思いますよ」
「…………やはりエニシくんには頭が上がりませんね」
ククルのためというのもあるが、作ってくれたゼスのためにも仕事という形で恩返し出来ればいいなと思うのだった。
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