二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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オ、オレは?

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 そわそわ、チラチラ。
 朝から落ち着きがないルーに首を傾げる。
 
 「ねぇ、アイツなんなの?ウザイんだけど」

 耐えきれなかったエルが苛ついたように言ってくるが、縁にも理由が分からない。
 だが明らかにこちらを見てくることから何かしら縁に言いたいことがあるのだろう。
 ごめんねとエルの頭を撫でながら、彼の精神安定をはかるためにも話しを聞くことにするのだった。

 「それで?どうしたんですか?何か言いたいことがあるんでしょ?」

 「う…あ、あの……身体もう大丈夫?」

 キョロキョロと視線を彷徨わせながらも心配そうに尋ねてくるルーに笑って頷く。
 帰ってきてからというもの子どもたちの相手はまだしも、セインたちの相手を連日したため少々疲れてはいたが、それもゆっくり休めばすぐに癒えた。

 「大丈夫ですよ。心配してくれてありがとう」

 「う、うん。いや、あの、その…えっと、そうじゃなくて…」

 なぜ先程より挙動不審になるのか。
 
 「どうしました?」

 躊躇うように口をパクパクさせるルーに心配になってくる。

 「言って。何か言いたいことがあるならちゃんと聞きますから」

 「う…うぇ、オ、オレあとどんだけ待ってればいい?」

 「?」

 縋るように手を握られたかと思えば、泣きそうな……いや、泣きながらそう言われた。
 ……………………………何を?

 「オ、オレだって、番だもん。縁の番なんだもん。ジークたちばっかズルい。オレだって縁に触りたいんだもん」

 もんって……………エルが聞いてたら殴られてたかも。
 言い方はさておき、どうやら縁がセインたちとばかり触れ合うのに我慢出来なくなったらしい。
 だが元々の気の弱さと縁の身体を気遣って言えなかったのだろう。
 別にルーを蔑ろにしていたわけではない。ないのだが………

 「ルーも私と触れ合いたかったんですか?」

 「うん」

 それは………申し訳ない。
 どうにもルーの気持ちはいまいち読みにくいというか、はっきり言ってルーはあまりそういう行為を望んでいないのではないかと勝手に思っていた。

 「ごめんね。ごめんなさい。ルーはその、いつもそういう行為をする時躊躇っているように見えてたからそれほど関心がないのかと思ってました」

 確かにセインともジークともいたしたが、それは彼らの甘え半分、縁が安心したいという甘え半分だった。
 縁が求めた以上に愛してくれるジークたちはある意味分かりやすかった。
 そのためそこまで欲求がないルーにそういうことを押し付けるのは申し訳ないと手を伸ばさなかったのだ。

 「ち、ちがっ!ちがうもん。オレだってしたいもん。縁のこと大好きだもん。縁のこと気持ちよくしたいし、いっぱい舐めて、中突いてーー」

 「ちょっと落ち着きましょうか」

 素直に言ってくれるのはいいが時と場所を考えて欲しい。
 このままでは子どもたちにまで聞かれてしまうとルーの手を引くと部屋へ向かうことにした。

 「ごめんね。ちゃんとルーに確認しなかった私が悪かったです」

 確かにルーは今まで言葉にしてイヤだと言ったことも、したくないと振り払うこともなかった。
 ジークたちに比べれば回数こそ少なくはあったが、毎回一度で済むことはなかった。
 
 「オレも縁のこと抱きたい」

 「いいですよ」

 手を伸ばせば引き寄せられ抱きしめられる。
 
 「オレのだもん。今はオレだけのだもん」

 「ええ。ルーも私の大事な番です。気付いて上げられなくてごめんなさい」

 「ううん。オレいやじゃない、いやじゃないから。縁のこと大好き。すっごく大好き。でも身体がつらいならって、縁に無理してほしくなくて………」

 縁を気遣って言えなかったというルーが愛おしい。
 ジークたちとはまた違った優しさがルーにはある。

 「ありがとうルー。私のために我慢してくれてたんですね。でも前に言ったでしょ?ちゃんと言って下さいって」

 「で、でも縁腰痛いって……」

 まぁ確かに連日セインたちの相手に少々腰が辛くはあった。
 
 「そうですね。だからその時は少し待ってもらわないといけませんけど、言うだけは言って下さい。今回みたいに私が気付いて上げられないこともあるかもしれませんから言って」

 アレンたちのように積極的になれとは言わないが、遠慮ばかりされては縁も気付いて上げられないかもしれない。

 「大丈夫だと思ったらすぐ言いますから。ルーが求めてくれることを嫌だなんて思いません。嬉しいから、怒らないからこれからはちゃんと言って」

 優しく頭を撫でてやれば、肩で頷いたのが分かった。

 「ね、今日はする前に一緒にお風呂に入りましょうか。久しぶりにルーの頭洗って上げます」

 「へへっ。うん、入る」

 漸く笑ったルーはその後ご機嫌で頭を洗われると、それまでの気遣いはどこへやら縁が泣いて止めるまで求めてくるのだった。
 一体今までどれほど我慢していたのやら。
 我慢のさせ過ぎは良くないと身を持って知るのだった。

 


 
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