二度目の人生ゆったりと⁇

minmi

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申し訳ない

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 突如上から落ちてきた子どもたちには驚いたが、怪我もないようで安心した。

 「ママおさかなさんやいてないの?」

 「え?」

 ………おさかなさん?少し考えそういうことかと振り向けばエルがさっと顔を逸らすのが見えた。
 彼が以前の縁の所業をバラしたに違いない。

 「…………そうですね。パパたちが来るまでまだかかるでしょうから作って待ってましょうか」

 「開き直ったよこの人」

 言われてしまったなら仕方ないと開き直ると作って待ってようと提案し準備することに。
 きっとセインたちも心配していることだろうから連絡をとりたいのだが、悲しいかな連絡手段を持っている人間がこちら側に全員来てしまっていることから出来なかった。
 唯一セインたちと一緒にいるだろうリルだが、リルと話せるのは縁しかいないため伝えるのも難しいだろう。
 探しに行くのも難しい中、ならばその場から動かず待っているのが一番だ。

 「焼くのもいいですけど今日はちょっと変わったものにしてみましょうか」

 「変わったもの?」

 何をするんだとエルが若干呆れていたが、手伝ってほしいと言えば嫌がることなく手を貸してくれた。
 エルには次々に魚を捌いてもらうと、醤油やみりんで味付けしたものの中にボトボトと入れていく。
 
 「………生で食べるの?」

 味付けはしているが焼かないと言った縁にエルが大丈夫なのかと心配していた。

 「鞄のおかげで鮮度には問題ないので大丈夫ですよ。ご飯にも合いますし、流石に今は飲めませんけどお酒にも合いますよ」

 「だから飲めないのになんでそんな知識だけはあるわけ?」

 にっこりと笑うと今度は細かく刻んでほしいと頼んでいく。

 「ネギトロ好きだったんですよ」

 「刻むのもったいなくない?そのまま食べればいいじゃん」

 それも美味しい。

 「勿論全てじゃないですよ。好みもあると思うので私の分だけ……念のため真のためにも作っておきましょうか」

 真の魚好きがどこまで適用されるかは分からないが、もしかしたらと少しだけ多めに作っておくことにし残りは漬け丼に。
 海苔がないのが残念だが作り方を知らないため宝箱から出てきてくれるのを願っておこう。ついでに山葵。

 「繋にはなめろうにしましょうか」

 「?、なめなめするの?」

 名前から魚を舐めるものだと思ったようだ。

 「なめなめじゃなくて、なめろうね。細かくしたお魚さんと味噌を混ぜ混ぜするんですよ」

 「たべる!」

 作りたいという繋のため材料を用意してやると混ぜるのをお願いすることにする。

 「ママあーん」

 「ひと口だけですよ。あとはパパたちが来てからーー」

 「「ママっ!!」」

 待ちきれないのだろう、口を開けて待つ繋に味見としてひと口だけと約束し食べさせてやろうとし、しかし突如凄い勢いで何かが体当たりしてきたため倒れ込んでしまった。
 
 「うぇ?な、なに?ちょっ、え?エニシ大丈夫?」

 あまりの速さにエルも驚いていたが、それが何か分かると怪我はないか確認された。
 見れば腹辺りに双子が張り付いており、これはかなり心配させてしまったようだと反省した。

 「思ったより早かったですね」

 「こいつらが泣いて騒がなきゃもう少し早く来れたんだがな」

 遅くなって悪かったと謝りながらジークが歩いてくるが、どことなくお疲れのように見えた。
 聞けば縁と繋たちがいなくなったことにより双子が泣き喚き、その声によってモンスターが集まってくるため倒すが泣き止まないため更にモンスターが集まってきてしまい悪循環に陥っていたようだ。
 双子につられ玲も泣いてしまい、その声に翔まで泣き始めてしまいパパたちはかなりお疲れだったらしい。
 
 「お疲れ様でした。あと心配かけてごめんなさい」

 そう言い腕を伸ばせば確かめるようにきつく抱きしめられた。
 落ちたのはわざとではなかったが、安否を確かめられないまま子どもたちを抱えての道のりはかなり大変だったことだろう。
 
 「無事でよかった。繋とアズまで落ちた時は肝が冷えた」

 「どうにか連絡出来ればよかったんですけどね。ごめんなさい」

 落ちていく娘の姿にセインは心配で仕方がなかっただろう。
 本人はそんなこと知りもせず元気に降りてきたものだが。

 「耳が痛い」

 「オレも」

 「俺もだ」

 耳元での大合唱にアレン、ルー、ロンがぐったりしてしまっている。
 こちらもお疲れ様と労ってやり、玲と翔を受け取り泣き止ませると用意しておいたご飯をみんなで仲良く食べるのだった。
 
 「リルもありがとう」

 「………我はやはり子を育てるのには向かんようだ」

 アレンたちより更に耳がいいだろうリルは疲れからか普段より一回り小さな姿になっており、それが我が子のせいかと思うと申し訳なくなってしまうのだった。
 少しでも早く合流出来るようにと頑張ってくれただろうリルにはギュッと抱きしめると満たされるまで魔力を注いでやるのだった。


 


 
 


 
 
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