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まぁ…そういうこともありますよね
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目覚めて早々目に入った見知らぬ子どもに混乱したが、抱きついてきた力強い腕にホッとした。
「アレン……すいません。もしかして倒れちゃいました?」
「心臓が止まるかと思った!」
これはかなり心配をかけたようだ。
大丈夫かと声をかけてくるセインたちにも笑顔を返しつつ、エルが運んできてくれた水を飲み一息付く。
「心配かけてごめんなさい。危ないなぁとは分かって中に入ろうとしたんですけど間に合わなかったみたいです」
自覚はあったが対処が遅れたと謝ればもっと気を付けろと注意された。
「それで……先程の子は?もしかしてあの子が助けてくれ…たわけないですよね。私が倒れたのは庭先だったはずなので」
他所様の子が庭先に倒れていた縁を外から発見し助けに入ってきたとは考えにくい。
だがそうなると他に理由が思い付かず、もしかして誰かと見間違えたかと首を傾げる。
「あっ、真と愛依の新しい友だーー」
「………ない?い、た…い?」
「………………………………ん?」
双子の友達が遊びに来ていたのかと納得しようとしたが、、次の瞬間膝に飛び乗ってきた猫がポンと子どもの姿になった。
理解が追いつかず、隣にいたアレンを見上げれば苦い顔で縁の膝に乗る子どもを見つめていた。
「た、い?な、い?」
「………大丈夫、ですよ。心配してくれて…ありがとう」
まだ上手く話せないようだが、心配してくれているようなのは分かったため感謝し頭を撫でてやれば猫のように手に擦り寄ってくる姿に戸惑う。
「……君は獣人だったんですか?」
「?」
何のこと?と不思議そうに見上げてくる瞳は本人に自覚がないようで、まだ小さいその手を握ってやれば嬉しそうに笑っていた。
「耳も尻尾もありますね」
「ああ。俺たちも驚いたが…見た感じ獣人だな」
「コイツが倒れてる縁を見つけて俺に知らせに来たんだ。助けてくれってその姿になって驚いた」
元々獣人だったのか、縁を助けようと今の姿になったのか本当のところは分からないが、元々獣人だったのが縁がきっかけで姿を変えたのだとすればこちらの言葉を理解していたことも肯ける。
「何にしろ私が助かったのは君のおかげみたいですね。助けてくれてありがとう」
彼が助けを呼びに行ってくれたおかげで、軽く倒れるだけで済んだのだ。
あのまま放っておかれれば下手をすれば数日寝込むことになったかもしれず、下手をすれば死んでいた可能性もある。
色々考えることはあれど命の恩人である彼にありがとうと言えば、抱きついてきた小さな身体を抱きしめてやる。
「そういえば翔も人型がとれるようになったんですよ。ルーとロンは見ました?」
「うん。ちっちゃくて可愛かった」
「この年でここまで出来るのは上出来だ」
2人にお褒めの言葉をもらい翔も嬉しそうだ。
ポンと再び姿を変えると縁に抱きついてこようとしーー
「や!」
未だ膝に乗っていた彼にダメだと振り払われてしまい泣いてしまった。
「こら。それはダメだと教えましたよね?」
いくら彼のおかげで助かったとはいえ、それと我が子に対する暴力を許すかは別である。
まだ少しダルい身体を起こしつつ、膝に乗っていたのを下ろすと泣き叫ぶ翔を抱えあげる。
「びっくりしましたね。大丈夫ですよ」
「ゔぇーん。みゃんみゃ、ひっく、みゃんみゃ。ゔぇーん」
泣き抱き付いてくる翔をあやしつつ、怒られたせいか猫の姿に戻るとしゅんとする猫の頭に手を乗せる。
「私に懐いてくれるのはとても嬉しいですが、この子たちは私の大切な子なんです。傷付けられたら私はとても悲しい」
「ミャー」
「いい子」
ごめんなさいと言うように鳴く猫に苦笑いする。
もう少し家族に慣れてくれたらと思うのだが、そんな縁の想いとは裏腹に人をまだ信用出来ないのか縁以外に心を開かない猫に悲しくなる。
「少しずつでいいんです。大丈夫、この子たちは君を傷付けたりなんてしません。私が愛した人たちは君を傷付けたりしない。ね?だから少しずつでいいからみんなを信じて」
「…………ミャー」
傷付けられた心はすぐに治せるものではないだろう。
完璧とは言わずとも少しでもいいから縁以外にも心を開いてくれたら嬉しい。
「いつまでも君と呼ぶのもおかしいですね。何か似合う名前を考えておきましょう」
子猫とも呼べなくなり、いつまでも名無しでは皆も呼びにくいだろうと名前を考えると言えば嬉しそうに鳴くのだった。
「すんなり受け入れんのは縁だからとしか言えねぇが、もう一つ話し合うことがあんだろ」
「話し合うこと?」
何のことだろうか?
やはりこの子は受け入れられないないから捨ててこいと言う気だろうか?
いつかは誰かに頼まなければいけないとは思っているが、出来ればもう少し待ってほしい。
「この子もこれから頑張りますからもう少し待ってくーー」
「じゃねぇよ。そいつじゃなくてお前だ。なんで倒れたか分かってねぇだろ」
はて?
まさか自分のことを言われるとは思っておらず、きょとんとする縁にやっぱりなとジークが苦笑いするのであった。
「アレン……すいません。もしかして倒れちゃいました?」
「心臓が止まるかと思った!」
これはかなり心配をかけたようだ。
大丈夫かと声をかけてくるセインたちにも笑顔を返しつつ、エルが運んできてくれた水を飲み一息付く。
「心配かけてごめんなさい。危ないなぁとは分かって中に入ろうとしたんですけど間に合わなかったみたいです」
自覚はあったが対処が遅れたと謝ればもっと気を付けろと注意された。
「それで……先程の子は?もしかしてあの子が助けてくれ…たわけないですよね。私が倒れたのは庭先だったはずなので」
他所様の子が庭先に倒れていた縁を外から発見し助けに入ってきたとは考えにくい。
だがそうなると他に理由が思い付かず、もしかして誰かと見間違えたかと首を傾げる。
「あっ、真と愛依の新しい友だーー」
「………ない?い、た…い?」
「………………………………ん?」
双子の友達が遊びに来ていたのかと納得しようとしたが、、次の瞬間膝に飛び乗ってきた猫がポンと子どもの姿になった。
理解が追いつかず、隣にいたアレンを見上げれば苦い顔で縁の膝に乗る子どもを見つめていた。
「た、い?な、い?」
「………大丈夫、ですよ。心配してくれて…ありがとう」
まだ上手く話せないようだが、心配してくれているようなのは分かったため感謝し頭を撫でてやれば猫のように手に擦り寄ってくる姿に戸惑う。
「……君は獣人だったんですか?」
「?」
何のこと?と不思議そうに見上げてくる瞳は本人に自覚がないようで、まだ小さいその手を握ってやれば嬉しそうに笑っていた。
「耳も尻尾もありますね」
「ああ。俺たちも驚いたが…見た感じ獣人だな」
「コイツが倒れてる縁を見つけて俺に知らせに来たんだ。助けてくれってその姿になって驚いた」
元々獣人だったのか、縁を助けようと今の姿になったのか本当のところは分からないが、元々獣人だったのが縁がきっかけで姿を変えたのだとすればこちらの言葉を理解していたことも肯ける。
「何にしろ私が助かったのは君のおかげみたいですね。助けてくれてありがとう」
彼が助けを呼びに行ってくれたおかげで、軽く倒れるだけで済んだのだ。
あのまま放っておかれれば下手をすれば数日寝込むことになったかもしれず、下手をすれば死んでいた可能性もある。
色々考えることはあれど命の恩人である彼にありがとうと言えば、抱きついてきた小さな身体を抱きしめてやる。
「そういえば翔も人型がとれるようになったんですよ。ルーとロンは見ました?」
「うん。ちっちゃくて可愛かった」
「この年でここまで出来るのは上出来だ」
2人にお褒めの言葉をもらい翔も嬉しそうだ。
ポンと再び姿を変えると縁に抱きついてこようとしーー
「や!」
未だ膝に乗っていた彼にダメだと振り払われてしまい泣いてしまった。
「こら。それはダメだと教えましたよね?」
いくら彼のおかげで助かったとはいえ、それと我が子に対する暴力を許すかは別である。
まだ少しダルい身体を起こしつつ、膝に乗っていたのを下ろすと泣き叫ぶ翔を抱えあげる。
「びっくりしましたね。大丈夫ですよ」
「ゔぇーん。みゃんみゃ、ひっく、みゃんみゃ。ゔぇーん」
泣き抱き付いてくる翔をあやしつつ、怒られたせいか猫の姿に戻るとしゅんとする猫の頭に手を乗せる。
「私に懐いてくれるのはとても嬉しいですが、この子たちは私の大切な子なんです。傷付けられたら私はとても悲しい」
「ミャー」
「いい子」
ごめんなさいと言うように鳴く猫に苦笑いする。
もう少し家族に慣れてくれたらと思うのだが、そんな縁の想いとは裏腹に人をまだ信用出来ないのか縁以外に心を開かない猫に悲しくなる。
「少しずつでいいんです。大丈夫、この子たちは君を傷付けたりなんてしません。私が愛した人たちは君を傷付けたりしない。ね?だから少しずつでいいからみんなを信じて」
「…………ミャー」
傷付けられた心はすぐに治せるものではないだろう。
完璧とは言わずとも少しでもいいから縁以外にも心を開いてくれたら嬉しい。
「いつまでも君と呼ぶのもおかしいですね。何か似合う名前を考えておきましょう」
子猫とも呼べなくなり、いつまでも名無しでは皆も呼びにくいだろうと名前を考えると言えば嬉しそうに鳴くのだった。
「すんなり受け入れんのは縁だからとしか言えねぇが、もう一つ話し合うことがあんだろ」
「話し合うこと?」
何のことだろうか?
やはりこの子は受け入れられないないから捨ててこいと言う気だろうか?
いつかは誰かに頼まなければいけないとは思っているが、出来ればもう少し待ってほしい。
「この子もこれから頑張りますからもう少し待ってくーー」
「じゃねぇよ。そいつじゃなくてお前だ。なんで倒れたか分かってねぇだろ」
はて?
まさか自分のことを言われるとは思っておらず、きょとんとする縁にやっぱりなとジークが苦笑いするのであった。
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