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暫しの休憩
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その日は天気が良く、庭で走り回る子どもたちを見ながら日向ぼっこをしていた。
「理想の老後かもしれない」
「まだ早いだろ」
同じく隣で日向ぼっこをしていたセインが呆れている。
「それは繋か愛依が子どもでも産んでからだろ」
走り回っているのが孫やひ孫でもあれば老後と言っても問題ないのだろうが、残念(?)ながら彼らは我が子である。
「雰囲気ですよ、雰囲気。こんな風にのんびり出来たら嬉しいなと」
縁側(庭)で走り回る孫(息子娘)を見ながらのんびり日向ぼっこ。
いいじゃないか。
「いや、なんでそう歳取りたがるんだ?今を生きろよ」
「………そんな気分だったんですよ」
もしかしたら前世では出来なかった老後ののんびりが出来るかもしれないと想像に浸ってしまっていた。
「練習ですよ。子どもたちが巣立って残った月日をのんびり寂しく…………寂しく?あれ?」
「ないだろ。寂しくは」
元気な番たちに囲まれ、大人になった子どもたち、その子どもである孫たちに囲まれ賑やかな未来しか思いつかなかった。
「そもそも今はこの人数だけどな、これからもっと増えるんだから縁が休まる日はこないと思うぞ」
「……………(増えるんだ)」
というか増やす予定なのか。
縁は自分の体力がもつかかなり不安になるのだった。
「頑張ってくれよママ」
「手加減お願いしますねパパ」
妊娠率が低いことに感謝する縁であった。
「「セーパパだっこ!」」
「はいはい」
双子に呼ばれ木登りの手伝いに行ったセインの後ろ姿を眺めていれば、いつの間に来ていたのかスノーが後ろから縁に巻き付いてきた。
「おはようスノー」
「シューシュー」
返事をするように鳴くスノーの頭を撫でてやり、顔を寄せれば頬に擦り寄ってくる。
今や縁どころかジークたちより数倍大きく成長したスノーだが、まだ中身は子どもでありこうして会いにきては縁に巻き付き甘えてくる。
「今日は木登りするみたいですよ。スノーも行って来ては?」
「シュー」
ふるふると首を振ると、ここにいるとばかりに巻き付く身体に力が籠る。
「そうですか。なら今日は一緒にごろごろしてましょう」
その大きな身体に縁も背を預け力を抜く。
「なんだか悪の親玉にでもなった気分ですね」
「シュ?」
大蛇に寄りかかりふんぞりかえる自分。
………いいかもしれない。
「こんなことなら髪は黒にしてもらうんでしたね」
悪といえば黒だろと子どものようなことを考える縁であった。
「あー、でもスノーはやはり白がいいですね。黒だとスノーの可愛さが半減しちゃいます」
のんびりしていても己が子の可愛いさは自慢したい親バカであった。
金色もカッコイイがそれも可愛くないと真剣にバカなことを考える。
「ああでも日本では白蛇は神の使いと言いますからね。可愛くて綺麗なスノーに相応しいです」
あまりののんびりさと眠気に頭がバカになりつつある。
「あの2人今頃どうしてーー」
「オレも一緒に寝る~」
そんな声と共に上空から舞い降りてきたルーにより押し潰される未来が見えた縁は「あ、死ぬかも」と青褪めた瞬間ーー
「え、ちょっ、ちょっ待ーーーぐぇ!」
凄い速さでスノーの尾にハエの如く叩き落とされ地面に激突していた。
「「「「「…………」」」」」
突然のことにセインたちも驚き固まっている。
「…………うーーん、よくやりましたスノー」
「シューシュー」
助けてくれてありがとうと撫でてやれば嬉しそうにバチンバチンと尾を振るわせていた。
ただその真下には今も倒れるルーの姿があったが。
「縁、ケガは!?」
「スノーのおかげで無事です。私は」
「そいつはまぁ、自業自得だな。えらいなスノー」
セインにも褒められ喜びから尾の揺れが増した。
「ちょ、だ、誰か助けーーぐぇ」
苦しそうではあるが怪我をしているようには見えないのでとりあえず反省として暫くそのままにしておくのだった。
「「ママー、ルーうごかなーい」」
数分後、無事(?)救出されピクピクと横たわるルーの姿に双子が楽しそうに突いて遊んでいる。
「おねんねしたみたいですね。ルーは放っておいてパパと木登りの続きでもしてきたらどうですか?」
「「する!」」
もう興味なしとばかりに駆けていく2人を見送り、膝に繋を抱えながら目の前に倒れるルーを見下ろす。
「ママにいたいいたいするからよ」
「ですね。危うく押し潰されるところでした。私はルーと違って頑丈ではないんですから考えて近づいてきて下さい」
「はい、ごめんなさい」
繋と縁の言葉に即座に謝るルーであった。
反省したならばいいだろうと隣をポンポンと叩いてやれば今の今までやられていたとは思えぬ速さで駆け寄ってくると嬉しそうに抱きついてくる。
「部屋は出来そうですか?」
「もうほとんど出来たよ!あとは縁に見てもらって必要なもの揃えようってジークが」
ルーたちには地下部屋作りを頼んでおいたのだが上手く出来上がったらしい。
「なんかブツブツ言いながらだけど兄貴もベッド作ってくれたし、大体のものは揃ってるからいつでもヤレーー痛っ!」
「時と場所を考えましょうね?」
にっこりと笑いながら注意してやれば無言で音が鳴るほど首を振るルーであった。
教育は時には厳しく!
「理想の老後かもしれない」
「まだ早いだろ」
同じく隣で日向ぼっこをしていたセインが呆れている。
「それは繋か愛依が子どもでも産んでからだろ」
走り回っているのが孫やひ孫でもあれば老後と言っても問題ないのだろうが、残念(?)ながら彼らは我が子である。
「雰囲気ですよ、雰囲気。こんな風にのんびり出来たら嬉しいなと」
縁側(庭)で走り回る孫(息子娘)を見ながらのんびり日向ぼっこ。
いいじゃないか。
「いや、なんでそう歳取りたがるんだ?今を生きろよ」
「………そんな気分だったんですよ」
もしかしたら前世では出来なかった老後ののんびりが出来るかもしれないと想像に浸ってしまっていた。
「練習ですよ。子どもたちが巣立って残った月日をのんびり寂しく…………寂しく?あれ?」
「ないだろ。寂しくは」
元気な番たちに囲まれ、大人になった子どもたち、その子どもである孫たちに囲まれ賑やかな未来しか思いつかなかった。
「そもそも今はこの人数だけどな、これからもっと増えるんだから縁が休まる日はこないと思うぞ」
「……………(増えるんだ)」
というか増やす予定なのか。
縁は自分の体力がもつかかなり不安になるのだった。
「頑張ってくれよママ」
「手加減お願いしますねパパ」
妊娠率が低いことに感謝する縁であった。
「「セーパパだっこ!」」
「はいはい」
双子に呼ばれ木登りの手伝いに行ったセインの後ろ姿を眺めていれば、いつの間に来ていたのかスノーが後ろから縁に巻き付いてきた。
「おはようスノー」
「シューシュー」
返事をするように鳴くスノーの頭を撫でてやり、顔を寄せれば頬に擦り寄ってくる。
今や縁どころかジークたちより数倍大きく成長したスノーだが、まだ中身は子どもでありこうして会いにきては縁に巻き付き甘えてくる。
「今日は木登りするみたいですよ。スノーも行って来ては?」
「シュー」
ふるふると首を振ると、ここにいるとばかりに巻き付く身体に力が籠る。
「そうですか。なら今日は一緒にごろごろしてましょう」
その大きな身体に縁も背を預け力を抜く。
「なんだか悪の親玉にでもなった気分ですね」
「シュ?」
大蛇に寄りかかりふんぞりかえる自分。
………いいかもしれない。
「こんなことなら髪は黒にしてもらうんでしたね」
悪といえば黒だろと子どものようなことを考える縁であった。
「あー、でもスノーはやはり白がいいですね。黒だとスノーの可愛さが半減しちゃいます」
のんびりしていても己が子の可愛いさは自慢したい親バカであった。
金色もカッコイイがそれも可愛くないと真剣にバカなことを考える。
「ああでも日本では白蛇は神の使いと言いますからね。可愛くて綺麗なスノーに相応しいです」
あまりののんびりさと眠気に頭がバカになりつつある。
「あの2人今頃どうしてーー」
「オレも一緒に寝る~」
そんな声と共に上空から舞い降りてきたルーにより押し潰される未来が見えた縁は「あ、死ぬかも」と青褪めた瞬間ーー
「え、ちょっ、ちょっ待ーーーぐぇ!」
凄い速さでスノーの尾にハエの如く叩き落とされ地面に激突していた。
「「「「「…………」」」」」
突然のことにセインたちも驚き固まっている。
「…………うーーん、よくやりましたスノー」
「シューシュー」
助けてくれてありがとうと撫でてやれば嬉しそうにバチンバチンと尾を振るわせていた。
ただその真下には今も倒れるルーの姿があったが。
「縁、ケガは!?」
「スノーのおかげで無事です。私は」
「そいつはまぁ、自業自得だな。えらいなスノー」
セインにも褒められ喜びから尾の揺れが増した。
「ちょ、だ、誰か助けーーぐぇ」
苦しそうではあるが怪我をしているようには見えないのでとりあえず反省として暫くそのままにしておくのだった。
「「ママー、ルーうごかなーい」」
数分後、無事(?)救出されピクピクと横たわるルーの姿に双子が楽しそうに突いて遊んでいる。
「おねんねしたみたいですね。ルーは放っておいてパパと木登りの続きでもしてきたらどうですか?」
「「する!」」
もう興味なしとばかりに駆けていく2人を見送り、膝に繋を抱えながら目の前に倒れるルーを見下ろす。
「ママにいたいいたいするからよ」
「ですね。危うく押し潰されるところでした。私はルーと違って頑丈ではないんですから考えて近づいてきて下さい」
「はい、ごめんなさい」
繋と縁の言葉に即座に謝るルーであった。
反省したならばいいだろうと隣をポンポンと叩いてやれば今の今までやられていたとは思えぬ速さで駆け寄ってくると嬉しそうに抱きついてくる。
「部屋は出来そうですか?」
「もうほとんど出来たよ!あとは縁に見てもらって必要なもの揃えようってジークが」
ルーたちには地下部屋作りを頼んでおいたのだが上手く出来上がったらしい。
「なんかブツブツ言いながらだけど兄貴もベッド作ってくれたし、大体のものは揃ってるからいつでもヤレーー痛っ!」
「時と場所を考えましょうね?」
にっこりと笑いながら注意してやれば無言で音が鳴るほど首を振るルーであった。
教育は時には厳しく!
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