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ちがう
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初めてドラゴンに乗った感想。
・ゴツゴツする
・高くて怖い
・不安定
結果=乗り心地は良いとは言えない。
「オレも聞いたことないよ~。ってか乗れるヤツなんてほとんどいないけどね」
「え、資格みたいなものでもあるんですか?」
ある意味乗り物の分類に入るドラゴンに、もしや騎乗許可証的なものでもあるのかと聞けばそんなものあるわけないと笑われる。
「じゃなくてドラゴンって…あーなんて言うの?ホコリダカイ生き物だから誰も乗せてやらないんだって」
「……貴方もドラゴンですよね?」
自分もそのドラゴンであるにもかかわらず縁たちを乗せているのはどういうことだろうか。
「えー、それぐらい見たら分かんでしょ」
若干バカにしたような言い方に、べしべしと鱗を叩いて抗議しておいた。
「まだ着かないんですか?みんな心配していると思いますし、眠たいので早く帰って寝たいんですが」
最後のが一番の理由だが。
まだ泣いてはいないが、そろそろ繋にもミルクをやり寝かしつけてやりたい。
「寝てていいよ~。もう少しかかるし、帰す気もないから」
「は?」
「そのガキ連れてくるつもりなかったんだよね~。邪魔だし、まぁアンタにとってはいい人質になってくれそうだけど
「なに言っーー」
「ソイツ大事なら大人しくしてろってこと。アンタを殺すつもりないけどソイツは別。邪魔になるようなら殺すから」
今までの間延びした声はどこへやら、笑いながらそう冷たく言い放つ男に背中を冷たい何かが伝っていった。
「アンタにはオレたちの子を産んでもらう。ドラゴンになるかは賭けだけど、オレも兄貴もいるから可能性は高いでしょ」
……何を言っている?
意味が分からない。
彼らの子を産む?誰が?…私が?なぜ?
「人間の女を攫ってくるのも考えたけどアイツらうるさいし、俺らの魔力に耐えられるヤツなんてそうそういないからね。アンタが魔力持ちでよかったよ」
「………」
良かった?何が?
先程から楽しそうに話す男に、しかし縁は理解が出来ず何を言えばいいのかも分からない。
ただ守らなければと繋を抱える手だけに力を込めた。
「あれ?緊張してる?大丈夫大丈夫。さっきの獣人たちアンタの番なんでしょ?アイツら相手に耐えられるんなら大丈夫だよ」
「……貴方は、私の番じゃ、ない」
「だから?番じゃなきゃできないと思ってんの?そんなわけないじゃん」
「私はっ、貴方の子なんて産みたくない!」
「したいしたくないじゃないの。産めってオレが言ってんの。アンタがイヤかどうかなんて関係ない」
関係ない?なぜ?
もう訳がわからない。
なぜ縁が彼らの子を産まなければいけない?
なぜ自分なのだ?
「貴方の番は?」
「……いない。ドラゴンはオレたちで最後。じゃなきゃアンタにいうわけないでしょ」
仲間を増やすため?
家族が欲しい?
だがそれは彼らの都合であり縁には関係ない。
「いやです。産みたくありません」
繋を産むのでさえかなりの痛みだったのだ。
それに耐えられたのはセインたちの愛故であり、その愛する人の子であるからだ。
「私は貴方を愛してなんかいない。貴方だってそうでしょう?」
子は親の宝だ。
望まず出来ることもあれど、縁は望み繋を産んだ。
愛する番、愛する我が子がいるのに何故愛しもしない相手の子を産まなければならない?
「だからそんなのどうでもいいの!アンタはただ言われた通りオレたちドラゴンを産めばいいんだよ!」
苛立ち混じりにそう怒鳴られると、飛ぶ速さが増したため魔法を使い風の抵抗を殺す。
降りることも考えたが、相手が相手だけにすぐにまた捕まってしまうだろうと繋の安全のためにも大人しくしておく。
ジークたちが今も必死に探してくれているはずだ。
それまでの辛抱と繋を抱き1人不安に耐えるのだった。
「……着いた。こっち」
かなりの距離を飛び下されたかと思えば、人型に戻った男に逃げ出さないよう腕を掴まれ歩かされる。
「ここは……」
建ち並ぶ建物は明らかに人が住んでいたものだったが、かなり朽ちて崩れかかっており、物音一つしない静まり返る周囲は今はもう誰も住んでいないことが分かる。
「オレたちの国……国だった、かな。もうオレと兄貴しかいなしね。まぁアンタがどんどん産めばそれも気にならなくなるよ」
「………」
笑いながらそう言う男を睨みつけるが、それさえ楽しいとばかりに笑っている。
大通りを掴まれながらも黙々と歩いていけば、遠目にも見えていた一際大きな建物に入っていく。
派手ではないが整えられた調度品に、かなり身分がある者が住む場所のように思えた。
「疲れたでしょ。ここで少し休んでて。オレは兄貴を探してくる」
数ある部屋の一室に入れられたかと思えば、それだけ言い男は部屋を後にする。
カチリと鍵をかける音が聞こえ逃げるの無理そうだが、逆に言えば開けられるまでは安全ということだ。
「……繋、大丈夫ですか?」
足音が聞こえなくるのを確認すると、大きく息を吐き抱きしめていた繋の様子を窺う。
指を咥えこちらを見る表情はいつも通りだ。
ホッとしながらも腹を空かせているだろう繋にミルクをやり、何とかバレずに逃げ出せないかと部屋を見渡すのだった。
・ゴツゴツする
・高くて怖い
・不安定
結果=乗り心地は良いとは言えない。
「オレも聞いたことないよ~。ってか乗れるヤツなんてほとんどいないけどね」
「え、資格みたいなものでもあるんですか?」
ある意味乗り物の分類に入るドラゴンに、もしや騎乗許可証的なものでもあるのかと聞けばそんなものあるわけないと笑われる。
「じゃなくてドラゴンって…あーなんて言うの?ホコリダカイ生き物だから誰も乗せてやらないんだって」
「……貴方もドラゴンですよね?」
自分もそのドラゴンであるにもかかわらず縁たちを乗せているのはどういうことだろうか。
「えー、それぐらい見たら分かんでしょ」
若干バカにしたような言い方に、べしべしと鱗を叩いて抗議しておいた。
「まだ着かないんですか?みんな心配していると思いますし、眠たいので早く帰って寝たいんですが」
最後のが一番の理由だが。
まだ泣いてはいないが、そろそろ繋にもミルクをやり寝かしつけてやりたい。
「寝てていいよ~。もう少しかかるし、帰す気もないから」
「は?」
「そのガキ連れてくるつもりなかったんだよね~。邪魔だし、まぁアンタにとってはいい人質になってくれそうだけど
「なに言っーー」
「ソイツ大事なら大人しくしてろってこと。アンタを殺すつもりないけどソイツは別。邪魔になるようなら殺すから」
今までの間延びした声はどこへやら、笑いながらそう冷たく言い放つ男に背中を冷たい何かが伝っていった。
「アンタにはオレたちの子を産んでもらう。ドラゴンになるかは賭けだけど、オレも兄貴もいるから可能性は高いでしょ」
……何を言っている?
意味が分からない。
彼らの子を産む?誰が?…私が?なぜ?
「人間の女を攫ってくるのも考えたけどアイツらうるさいし、俺らの魔力に耐えられるヤツなんてそうそういないからね。アンタが魔力持ちでよかったよ」
「………」
良かった?何が?
先程から楽しそうに話す男に、しかし縁は理解が出来ず何を言えばいいのかも分からない。
ただ守らなければと繋を抱える手だけに力を込めた。
「あれ?緊張してる?大丈夫大丈夫。さっきの獣人たちアンタの番なんでしょ?アイツら相手に耐えられるんなら大丈夫だよ」
「……貴方は、私の番じゃ、ない」
「だから?番じゃなきゃできないと思ってんの?そんなわけないじゃん」
「私はっ、貴方の子なんて産みたくない!」
「したいしたくないじゃないの。産めってオレが言ってんの。アンタがイヤかどうかなんて関係ない」
関係ない?なぜ?
もう訳がわからない。
なぜ縁が彼らの子を産まなければいけない?
なぜ自分なのだ?
「貴方の番は?」
「……いない。ドラゴンはオレたちで最後。じゃなきゃアンタにいうわけないでしょ」
仲間を増やすため?
家族が欲しい?
だがそれは彼らの都合であり縁には関係ない。
「いやです。産みたくありません」
繋を産むのでさえかなりの痛みだったのだ。
それに耐えられたのはセインたちの愛故であり、その愛する人の子であるからだ。
「私は貴方を愛してなんかいない。貴方だってそうでしょう?」
子は親の宝だ。
望まず出来ることもあれど、縁は望み繋を産んだ。
愛する番、愛する我が子がいるのに何故愛しもしない相手の子を産まなければならない?
「だからそんなのどうでもいいの!アンタはただ言われた通りオレたちドラゴンを産めばいいんだよ!」
苛立ち混じりにそう怒鳴られると、飛ぶ速さが増したため魔法を使い風の抵抗を殺す。
降りることも考えたが、相手が相手だけにすぐにまた捕まってしまうだろうと繋の安全のためにも大人しくしておく。
ジークたちが今も必死に探してくれているはずだ。
それまでの辛抱と繋を抱き1人不安に耐えるのだった。
「……着いた。こっち」
かなりの距離を飛び下されたかと思えば、人型に戻った男に逃げ出さないよう腕を掴まれ歩かされる。
「ここは……」
建ち並ぶ建物は明らかに人が住んでいたものだったが、かなり朽ちて崩れかかっており、物音一つしない静まり返る周囲は今はもう誰も住んでいないことが分かる。
「オレたちの国……国だった、かな。もうオレと兄貴しかいなしね。まぁアンタがどんどん産めばそれも気にならなくなるよ」
「………」
笑いながらそう言う男を睨みつけるが、それさえ楽しいとばかりに笑っている。
大通りを掴まれながらも黙々と歩いていけば、遠目にも見えていた一際大きな建物に入っていく。
派手ではないが整えられた調度品に、かなり身分がある者が住む場所のように思えた。
「疲れたでしょ。ここで少し休んでて。オレは兄貴を探してくる」
数ある部屋の一室に入れられたかと思えば、それだけ言い男は部屋を後にする。
カチリと鍵をかける音が聞こえ逃げるの無理そうだが、逆に言えば開けられるまでは安全ということだ。
「……繋、大丈夫ですか?」
足音が聞こえなくるのを確認すると、大きく息を吐き抱きしめていた繋の様子を窺う。
指を咥えこちらを見る表情はいつも通りだ。
ホッとしながらも腹を空かせているだろう繋にミルクをやり、何とかバレずに逃げ出せないかと部屋を見渡すのだった。
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