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ケンカはダメ
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それからとくに問題もなく、大人しく風呂に入り眠りについたアズ。
「本当にどうしたんですかね?」
「うーん本当にな。我儘言うわけでもないし」
「……明日もこの調子なら困んだけど」
約束の休みに喜んでいたアレンだが、アズたちの様子に焦り出す。
心配する縁とセインに、早くどうにかしてくれと言わんばかりに腰に回っていた腕の力が増す。
「そうですねぇ。でも悪いことをしているわけでもないのでーー、ってアレン痛いです、力緩めて」
「え、うそ。わ、悪い」
少々息苦しさを感じそう注意すれば、すぐさま腕が緩んだ。
「無理矢理離すというのも可哀想ですし、できれば理由だけでも分かればいいんですが……」
未だにアズが離れないポワポワの理由が分からず、スノーにいたっては魔力譲渡すらしていないため尚更分からないのであった。
そのスノーは今までなら縁の頭の上近くに寝ていたのだが、離れなくなった最近は縁の服の胸元に隠れるように潜り込んで眠っていたりする。
どうしたものかと悩みながら縁たちも眠りにつくのであった。
「だめ!」
「でもなアズ…」
やはりというか、なんというか、朝起きて食事を終えた縁たちは、早々に縁を連れていこうとしたアレンをアズとスノーが抱きついて離れなかったのだ。
血が繋がっておらずとも自分の子とも言えるアズと、同じ親を持って生まれた兄弟であるスノーに阻まれアレンは途方に暮れていた。
「アズとスノーは俺が嫌いか?」
「ううん。アズ、パパすき」
「キュアー、キュウ」
「うわ、何その顔。キモっ」
好きと言われだらしない顔になるアレンに、ちょうど通りかかったエルが気持ち悪いと驚いている。
「うっせぇ!それよりお前もアズの兄貴ってんなら何とかしろ」
「別にいいんじゃない?その内治るでしょ」
「それを今すぐ治せってんだよ!」
八つ当たりとはいただけないが、アレンにしても我慢していた今日の約束にそう簡単に諦めきれないのだろう。
「縁は俺の番だぞ。今日まで我慢したんだから、アズ頼むぜ」
「ダメ!」
あららら。
ここまでくると本当にどうしたものかと戸惑ってしまう。
「アズ何がダメなんですか?」
「アズがママ守るの!」
「うーん」
それはとても可愛いのだが、何から守ろうとしてくれているのか。
「アズもこの調子ですし今日は諦めてくれませんか?」
「ゔーー、わかったよ」
「まぁ、縁も体調悪いみたいだしな。治ってからでもいいだろ」
「え?大丈夫なの?」
口を尖らせながらも我慢するアレンを何とか宥めていれば、体調が良くないと聞きエルが心配そうに寄ってくる。
「少し食欲がないだけで風邪だと思います」
「嘘つけ、ダルいんだろ。今日は寝てろ」
大丈夫だと言う縁に、しかしジークは動きがおかしいのに気付いたのか大人しくしていろと言う。
驚くアレンとセインに謝りつつ、申し訳ないが今日は休ませてもらうことにした。
「な、なにかしてほしいことないか?」
「食べたいものは?欲しいものがあるなら言ってくれ」
心配する2人に大丈夫だと微笑むと、何もしないのも落ち着かないだろうとセインは仕事に行かせ、アレンには水を持ってきてほしい頼む。
「ママいたい?」
泣きそうなアズにごめんねと謝り、ジークにお願いしようとしたが嫌だと離れないため看病してくれるアレンに任せる。
アレンは休みのため申し訳ないが甘えることにした。
「気付けなくてごめん」
「本当に大丈夫ですよ。少し怠いだけでどこも痛くはないので気にしないで下さい。それより約束守れなくてごめんなさい」
「そんなこといい!だから休んでろ。軽い風邪ならゆっくり寝れば治るだろ」
「ありがとうございます」
軽くアレンの頰にキスするとベッドに横になり、身体が求めるまま眠りにつくのであった。
「縁、大丈夫か?昼飯食べられそうか?」
優しく頭を撫でられる感触に目を開ければ、こちらを見下ろすジークがいた。
あれから眠り続け、すでに昼になっていたらしい。
「すいません。無理そうなのでアズとスノーをお願いしていいですか?」
食欲もわかず、眠たい頭で何とかそう頼む。
アズが少し渋ったのでジュースを作ってきて欲しいと頼めば元気よく走っていきジークが慌てて後を追っていった。
「アレンも食べてきて下さい」
「俺は後でいい。それよりつらくないか?痛いとこは?」
「大丈夫です。すごく眠いですが他は平気です」
不安そうなアレンに両手を伸ばせば、何を言いたいのか分かったのかギュッと抱きしめてくれる。
「心配かけてごめんなさい。アレンがいてくれてとても心強いです」
あまり体調を崩すことがないらしい獣人に、薬らしい薬は置いておらず何もしてやれないとアレンは落ち込んでいた。
「元気になったらアレンの好きなお肉料理でも作りましょうか。アズにも心配かけましたし何か甘いものでも作ってあげてもいいですね」
「そうだな。楽しみにしてるから早く良くなってくれ」
体温の高いアレンに抱きしめられホッとすれば、再びくる眠気にそっと目を閉じるのだった。
「おやすみ縁。俺の大切な番」
静かに寝息をたてる縁に祈るように額に口付けするのであった。
「本当にどうしたんですかね?」
「うーん本当にな。我儘言うわけでもないし」
「……明日もこの調子なら困んだけど」
約束の休みに喜んでいたアレンだが、アズたちの様子に焦り出す。
心配する縁とセインに、早くどうにかしてくれと言わんばかりに腰に回っていた腕の力が増す。
「そうですねぇ。でも悪いことをしているわけでもないのでーー、ってアレン痛いです、力緩めて」
「え、うそ。わ、悪い」
少々息苦しさを感じそう注意すれば、すぐさま腕が緩んだ。
「無理矢理離すというのも可哀想ですし、できれば理由だけでも分かればいいんですが……」
未だにアズが離れないポワポワの理由が分からず、スノーにいたっては魔力譲渡すらしていないため尚更分からないのであった。
そのスノーは今までなら縁の頭の上近くに寝ていたのだが、離れなくなった最近は縁の服の胸元に隠れるように潜り込んで眠っていたりする。
どうしたものかと悩みながら縁たちも眠りにつくのであった。
「だめ!」
「でもなアズ…」
やはりというか、なんというか、朝起きて食事を終えた縁たちは、早々に縁を連れていこうとしたアレンをアズとスノーが抱きついて離れなかったのだ。
血が繋がっておらずとも自分の子とも言えるアズと、同じ親を持って生まれた兄弟であるスノーに阻まれアレンは途方に暮れていた。
「アズとスノーは俺が嫌いか?」
「ううん。アズ、パパすき」
「キュアー、キュウ」
「うわ、何その顔。キモっ」
好きと言われだらしない顔になるアレンに、ちょうど通りかかったエルが気持ち悪いと驚いている。
「うっせぇ!それよりお前もアズの兄貴ってんなら何とかしろ」
「別にいいんじゃない?その内治るでしょ」
「それを今すぐ治せってんだよ!」
八つ当たりとはいただけないが、アレンにしても我慢していた今日の約束にそう簡単に諦めきれないのだろう。
「縁は俺の番だぞ。今日まで我慢したんだから、アズ頼むぜ」
「ダメ!」
あららら。
ここまでくると本当にどうしたものかと戸惑ってしまう。
「アズ何がダメなんですか?」
「アズがママ守るの!」
「うーん」
それはとても可愛いのだが、何から守ろうとしてくれているのか。
「アズもこの調子ですし今日は諦めてくれませんか?」
「ゔーー、わかったよ」
「まぁ、縁も体調悪いみたいだしな。治ってからでもいいだろ」
「え?大丈夫なの?」
口を尖らせながらも我慢するアレンを何とか宥めていれば、体調が良くないと聞きエルが心配そうに寄ってくる。
「少し食欲がないだけで風邪だと思います」
「嘘つけ、ダルいんだろ。今日は寝てろ」
大丈夫だと言う縁に、しかしジークは動きがおかしいのに気付いたのか大人しくしていろと言う。
驚くアレンとセインに謝りつつ、申し訳ないが今日は休ませてもらうことにした。
「な、なにかしてほしいことないか?」
「食べたいものは?欲しいものがあるなら言ってくれ」
心配する2人に大丈夫だと微笑むと、何もしないのも落ち着かないだろうとセインは仕事に行かせ、アレンには水を持ってきてほしい頼む。
「ママいたい?」
泣きそうなアズにごめんねと謝り、ジークにお願いしようとしたが嫌だと離れないため看病してくれるアレンに任せる。
アレンは休みのため申し訳ないが甘えることにした。
「気付けなくてごめん」
「本当に大丈夫ですよ。少し怠いだけでどこも痛くはないので気にしないで下さい。それより約束守れなくてごめんなさい」
「そんなこといい!だから休んでろ。軽い風邪ならゆっくり寝れば治るだろ」
「ありがとうございます」
軽くアレンの頰にキスするとベッドに横になり、身体が求めるまま眠りにつくのであった。
「縁、大丈夫か?昼飯食べられそうか?」
優しく頭を撫でられる感触に目を開ければ、こちらを見下ろすジークがいた。
あれから眠り続け、すでに昼になっていたらしい。
「すいません。無理そうなのでアズとスノーをお願いしていいですか?」
食欲もわかず、眠たい頭で何とかそう頼む。
アズが少し渋ったのでジュースを作ってきて欲しいと頼めば元気よく走っていきジークが慌てて後を追っていった。
「アレンも食べてきて下さい」
「俺は後でいい。それよりつらくないか?痛いとこは?」
「大丈夫です。すごく眠いですが他は平気です」
不安そうなアレンに両手を伸ばせば、何を言いたいのか分かったのかギュッと抱きしめてくれる。
「心配かけてごめんなさい。アレンがいてくれてとても心強いです」
あまり体調を崩すことがないらしい獣人に、薬らしい薬は置いておらず何もしてやれないとアレンは落ち込んでいた。
「元気になったらアレンの好きなお肉料理でも作りましょうか。アズにも心配かけましたし何か甘いものでも作ってあげてもいいですね」
「そうだな。楽しみにしてるから早く良くなってくれ」
体温の高いアレンに抱きしめられホッとすれば、再びくる眠気にそっと目を閉じるのだった。
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