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どちら様で?
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それから3人(+1匹)で薬草を集めるとそのままギルドに向かった。
当初はエルには町の外で待ってもらおうと思っていたのだが、ついていくと聞かなかったため仕方なく見せかけの首輪を着けると3人でギルドに向かう。
久しぶりの訪問に笑顔で挨拶すれば、泣きながら駆け寄ってくる男の姿が。
「エニシさーん今までどこいってたんですか!」
「え?」
もはや顔見知りのその職員は目の前まで迫って来たかと思えば、確保!とばかりに抱きついてこようとしーー
バタンッ!
「「「「「……え?」」」」」
反射的に投げ飛ばしてしまった。
あまりのことに周りの誰もが反応できず、アズもエルも目を丸くしている。
見事決まった一本背負い。
「「「「「………」」」」」
ギルド内がしーんと静まりかえる中縁だけが普通だった。
「すいません。怪我はありませんでしたか?」
床に倒れこむ男に手を貸すと立ち上がらせ怪我がないか確認する。
「……あ…ありま…せん」
それは良かったと背中についた汚れを払ってやっていれば、バタバタと誰かが走りこんでくる音がした。
「ーーこんの、バカたれがっ!」
「がっ!」
あらら。
せっかく汚れを払ってやったかと思えば、駆け込んできた年配の女性によって殴り飛ばされ男は再び床に倒れこんでしまった。
「大きな声を出すんじゃないよっ!オチオチ寝てもいられないじゃないか!」
「仕事中に寝ちゃダメでしょ。あと君の声の方が大きいから」
「お黙りジン!」
「「「………」」」
いったい何が起こっているのだろう。
殴り飛ばされ床に沈む職員の男に、その原因を作ったであろう男らしい年配女性。
その後ろからは片眼鏡(モノクル)を掛け笑顔でツッコミをいれるこれまた年配の男性。
何が何やら。
「ごめんね。突然で驚いたと思うけど大丈夫かい?ああ見えてあの人優しいよ。そうだ、飴でも食べるかい?」
「……いえ、結構です」
飴って。
貴方はどこぞのおばちゃんか誘拐犯ですか。
見た目はあれだが中身はおじいちゃんの縁は丁重にお断りすると、説明を求めるように男性を見る。
「あぁ色々とありすぎて訳わかんないよね。こちらへどうぞ、少し話しをしようじゃないか」
おいでと優しい笑顔(若干胡散臭い)だがやや強引に手を引かれ、基本中の基本知らない人にはついていってはいけないと踏み止まると少しばかり距離をとる。
「申し訳ありませんが見知らぬ人についていくことはできませんし、今日は依頼を受けにきただけなので用がないのであれば早々に去りますのでこれ以上は結構です」
「………ほぅ」
「「「「「………」」」」」
またもや静まりかえる室内に何事かとは思ったが、これ以上縁に出来ることはないだろうと怯えて先程から足に張り付いていたアズを抱え踵を返そうとする。
「ーーあははははははははっ、アンタすごいじゃないか。このジン相手に見知らぬジジイと言い返すとは。あはははははっ、こりゃ恐れ入った気に入ったよ!」
ジジイって……
そこまで言ってはいないのだが、ある意味言いたいことはあっていたので黙っておく。
豪快に笑い声を上げるその女性は先程の不機嫌さはどこへやら、ご機嫌でジンと呼ばれた男の背中をバンバンと勢いよく叩いている。
痛くないんですかね?
「痛いので止めて。あと、自己紹介もなしにごめんね。そりゃ怪しいジジイとババアにしか見えなかったよね。改めて私はここのサブギルドマスターのジンで、こちらの笑い声がうるさいババアがギルドマスターのマーガレットです。似合わない名前でしょ?」
あははと笑う男にババアと言われたマーガレットはその腹に拳をお見舞いしていた。
「素敵なお名前ですね。綺麗なその明るい髪色と瞳にとてもお似合いです」
「「「「「………」」」」」
なんだろう?
呆けたように口を開けた皆が縁を凝視してくる。
綺麗に編み込まれ纏められた茶髪というには明る過ぎるオレンジ色のマーガレットの髪色は、年老いて尚元気に声を上げる彼女にはとても似合っていた。
と思ったのでそのまま伝えたのだが静まり返る皆に、こりゃダメだと立ち去ろうとしーー
「どこ行くんだい?」
捕まった。
背後から肩に置かれた手は女性にしては思いの外強く、前に進もうにも逃がさないとばかりに押さえ込まれている。
「あの~~、ぐぇっ」
「アンタは今日から私の孫だっ!」
どうにか離してもらえないかと声をかけようとし、その瞬間何故か後ろから抱きつかれた縁は首がしまり変な声が出てしまった。
女性とは思えない力強さにギブギブと腕を叩けば、先に我に返ったジンが慌てて引き離してくれた。
「ご、ごめんね。大丈夫だったかい?」
天に召されそうになりました。
「だ、だい…大丈夫……です」
見るから大丈夫ではなかったが。
背中をさすってくれるエルに礼を言うと、やっと我に返ったらしいマーガレットが慌てて駆け寄ってくる。
「す、すまなかった。怪我してないかい?」
心配そうにこちらを見てくるその表情に大丈夫だと再度告げれば、何を思ったかジンが部屋で少し休んで行きなさいと言う。
そこまで重症ではなかったため縁は遠慮したが、それは名案だとばかりマーガレットとジンによって連行されるのであった。
………どうしてこうなった?
首を捻る縁であった。
当初はエルには町の外で待ってもらおうと思っていたのだが、ついていくと聞かなかったため仕方なく見せかけの首輪を着けると3人でギルドに向かう。
久しぶりの訪問に笑顔で挨拶すれば、泣きながら駆け寄ってくる男の姿が。
「エニシさーん今までどこいってたんですか!」
「え?」
もはや顔見知りのその職員は目の前まで迫って来たかと思えば、確保!とばかりに抱きついてこようとしーー
バタンッ!
「「「「「……え?」」」」」
反射的に投げ飛ばしてしまった。
あまりのことに周りの誰もが反応できず、アズもエルも目を丸くしている。
見事決まった一本背負い。
「「「「「………」」」」」
ギルド内がしーんと静まりかえる中縁だけが普通だった。
「すいません。怪我はありませんでしたか?」
床に倒れこむ男に手を貸すと立ち上がらせ怪我がないか確認する。
「……あ…ありま…せん」
それは良かったと背中についた汚れを払ってやっていれば、バタバタと誰かが走りこんでくる音がした。
「ーーこんの、バカたれがっ!」
「がっ!」
あらら。
せっかく汚れを払ってやったかと思えば、駆け込んできた年配の女性によって殴り飛ばされ男は再び床に倒れこんでしまった。
「大きな声を出すんじゃないよっ!オチオチ寝てもいられないじゃないか!」
「仕事中に寝ちゃダメでしょ。あと君の声の方が大きいから」
「お黙りジン!」
「「「………」」」
いったい何が起こっているのだろう。
殴り飛ばされ床に沈む職員の男に、その原因を作ったであろう男らしい年配女性。
その後ろからは片眼鏡(モノクル)を掛け笑顔でツッコミをいれるこれまた年配の男性。
何が何やら。
「ごめんね。突然で驚いたと思うけど大丈夫かい?ああ見えてあの人優しいよ。そうだ、飴でも食べるかい?」
「……いえ、結構です」
飴って。
貴方はどこぞのおばちゃんか誘拐犯ですか。
見た目はあれだが中身はおじいちゃんの縁は丁重にお断りすると、説明を求めるように男性を見る。
「あぁ色々とありすぎて訳わかんないよね。こちらへどうぞ、少し話しをしようじゃないか」
おいでと優しい笑顔(若干胡散臭い)だがやや強引に手を引かれ、基本中の基本知らない人にはついていってはいけないと踏み止まると少しばかり距離をとる。
「申し訳ありませんが見知らぬ人についていくことはできませんし、今日は依頼を受けにきただけなので用がないのであれば早々に去りますのでこれ以上は結構です」
「………ほぅ」
「「「「「………」」」」」
またもや静まりかえる室内に何事かとは思ったが、これ以上縁に出来ることはないだろうと怯えて先程から足に張り付いていたアズを抱え踵を返そうとする。
「ーーあははははははははっ、アンタすごいじゃないか。このジン相手に見知らぬジジイと言い返すとは。あはははははっ、こりゃ恐れ入った気に入ったよ!」
ジジイって……
そこまで言ってはいないのだが、ある意味言いたいことはあっていたので黙っておく。
豪快に笑い声を上げるその女性は先程の不機嫌さはどこへやら、ご機嫌でジンと呼ばれた男の背中をバンバンと勢いよく叩いている。
痛くないんですかね?
「痛いので止めて。あと、自己紹介もなしにごめんね。そりゃ怪しいジジイとババアにしか見えなかったよね。改めて私はここのサブギルドマスターのジンで、こちらの笑い声がうるさいババアがギルドマスターのマーガレットです。似合わない名前でしょ?」
あははと笑う男にババアと言われたマーガレットはその腹に拳をお見舞いしていた。
「素敵なお名前ですね。綺麗なその明るい髪色と瞳にとてもお似合いです」
「「「「「………」」」」」
なんだろう?
呆けたように口を開けた皆が縁を凝視してくる。
綺麗に編み込まれ纏められた茶髪というには明る過ぎるオレンジ色のマーガレットの髪色は、年老いて尚元気に声を上げる彼女にはとても似合っていた。
と思ったのでそのまま伝えたのだが静まり返る皆に、こりゃダメだと立ち去ろうとしーー
「どこ行くんだい?」
捕まった。
背後から肩に置かれた手は女性にしては思いの外強く、前に進もうにも逃がさないとばかりに押さえ込まれている。
「あの~~、ぐぇっ」
「アンタは今日から私の孫だっ!」
どうにか離してもらえないかと声をかけようとし、その瞬間何故か後ろから抱きつかれた縁は首がしまり変な声が出てしまった。
女性とは思えない力強さにギブギブと腕を叩けば、先に我に返ったジンが慌てて引き離してくれた。
「ご、ごめんね。大丈夫だったかい?」
天に召されそうになりました。
「だ、だい…大丈夫……です」
見るから大丈夫ではなかったが。
背中をさすってくれるエルに礼を言うと、やっと我に返ったらしいマーガレットが慌てて駆け寄ってくる。
「す、すまなかった。怪我してないかい?」
心配そうにこちらを見てくるその表情に大丈夫だと再度告げれば、何を思ったかジンが部屋で少し休んで行きなさいと言う。
そこまで重症ではなかったため縁は遠慮したが、それは名案だとばかりマーガレットとジンによって連行されるのであった。
………どうしてこうなった?
首を捻る縁であった。
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