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獣人
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家族との愛情の確認もし、夕食、風呂と後は寝るだけとなった。
スノーは意外なことになんでも食べ、ネズミでも捕まえてこなければと思っていた縁の心配は無用だった。
それでも味つけの濃いものは避けてやり、なるべく野菜や果物といったものを食べさせてやる。
「アズ、俺たちは縁と話しがあるから先にスノーと寝ていてくれるか?」
セインはそう言うとアズを寝室に連れて行こうとする。
寂しそうにこちらを見るアズに後でちゃんと行くことと、額におやすみのキスをしてやれば大人しく部屋へ入っていった。
「それで話しってなんですか?」
何か頼みでもあるのかと問えば、セインの隣に座らさせられたアレンも訝しげにセインを見ていた。
アズを寝かしつけ戻ってきたセインは、なぜか定位置の縁の隣に座らず正面にある、机を挟んだ反対側の椅子に腰かけていた。
何も聞いてなかったらしいアレンも不服そうながら、引きづられるようにセインの隣に座っている。
「縁は俺たちに番になってくれって言ってくれたよな。その気持ちを疑うわけじゃないし、もう離してなんてやれないけど、それでももう一度聞かさせてくれ。縁は本当に俺の、俺たちの番になってくれるか?」
真剣な声で尋ねるセインに縁は驚き、隣にいたアレンも不服そうだった顔から真剣な顔で縁を見てくる。
「はい。何度聞かれても私の答えは変わりません。私がずっと一緒ににいたと思うのはセイン、アレン君たち2人だけです。もちろんアズやスノーもそうですが、番として夫婦として一緒にいたいのは君たちだけなんです」
迷うことなく、しっかりと2人の目を見ながら答えればセインはようやく肩の力を抜いた。
アレンも嬉しそうに見てくる。
「ありがとう。縁が番で俺は本当にうれしい。これからもよろしく頼む」
「俺もうれしい。絶対幸せにしてやるからな」
自信満々に言うアレンにセインは呆れ気味だが、これはこれでアレンの良いところでもある。
ブレない心を示してくれているようで安心できる。
「……じゃあ安心して言える。獣人の愛は重たいと言ったが、人間とはちがって普段のそれとは別に、獣人だけが定期的にくるものがある」
「くるもの?」
発作かなにかだろうか?
でもそんな持病があるなんて言ってなかった気がする。
「発情期だ」
「はつじょうき?」
嬉しそうに教えてくれたアレンは目をギラギラさせて、今にも縁に飛びかからんばかりである。
もちろんセインにその首根っこを捕まえているため無理のようだが。
「獣人は見た通り半分が獣だ。子を、子孫を残そうと強制的に発情する時がくる。そのため番がいる場合、相手は大変なんだ」
どうやら獣人には定期的に発情期がくるらしい。
それ自体に問題はないらしく、相手がいなければある程度部屋にでもこもっていれば終わるらしい。
だが相手が、番がいるものはそうでない。
心の底から番を求め、衝動が治るまで無心で貪り食う。
この場合の食うは、もちろん交尾でありSEXのことだ。
番の匂い、姿、存在全てを自分のものにするまで治らず、その間はお互い離れることができないらしい。
「えーと、恥ずかしながら今までそういった行為をしたことがないんですが、私でも大丈夫なんですかね?」
こちらに来てからはもちろん、元の世界でも殆どないに等しい。
ないわけでもないが、相手は女性であり抱くことはあっても抱かれたことはまだなかった。
「それ以前に私は、その……どちら側なんでしょう?2人は私に、その、抱かれたいんですかね?それとも抱きたいんですかね」
同性愛者と自覚してからも中々そういった相手ができなかったこともあり縁は未だに自分がどちら側になるのかが判断できていない。
「抱きたい」
「縁がいいなら抱かせてほしい」
2人とも縁を抱くことしか考えてないらしい。
縁にしても2人ならどちらでもいいので、それほど欲しがってくれるなら抱かれることに問題はない。
問題はないのだがーー
「そこまで思ってくれるのは嬉しいんですが、その、体格が……かなり違うわけで、アレが入…入りますかね?」
そういったことを調べたこともあったので同性でもできることは知っているし想像したこともあるが、それも人間の、日本人の一般男性の大きさであって明らかに外国人並みの、獣のようにギラギラした絶倫かもしれない相手は考えたことがない。
「それは…頑張ってくれとしか言えないが不可能ではないはずだ。俺も初めてだからよく分からないが」
「え?」
はじめて?
「俺も」
「え?」
こちらも?
「獣人だからな」
まさかの3人とも初めてに驚いたが、苦笑いのセインは奴隷で獣人だったためそういうこともなかったと言い、アレンもずっと森で大蛇と暮らしていたためなかったらしい。
「まぁ、慣れていても複雑なので良かったとしましょうか。それで、発情期はどれくらいの頻度なんですか?」
「俺は半年に一回くらいかな。5日くらいで治ってた気がする」
「俺は…3回、ぐらいか。2,3日だったと思うが…その、今はわからない」
分からない?
体調によって変わるのかと思ったが違うらしい。
「言っただろう?俺と縁は運命の番だ。普段の発情期とは少し変わってくる」
「………」
聞くのが怖いが、一緒にいるためにも聞いておかなければいけない。
いつものように聞いてませんでしたでは後々大変なことになりそうだ。
「俺も番のいる初めての発情期だから分からんが、たぶん今までの比じゃない。なるべく抑えたいとは思うが約束は…できない」
それほど番の存在は大きいようだ。
「それと、これが一番重要なことだが、運命の番は相手が男であっても妊娠できる」
「……妊、娠?…子ども、が、できるということですか?」
無意識にお腹をさすってしまう。
私が?男なのに?
「そうだ。身体が作り変わる、らしい。それがその時限りかずっとなのか分からないし、相手が人間でもそうなるかは分からないがーー」
そう言い、それまで正面に座っていたセインが縁の隣にくるとそっと抱きしめられた。
「俺は縁に俺の子どもを産んでほしい」
祈るようなその声に、混乱しながらも縁は拒否する考えなど浮かばなかった。
スノーは意外なことになんでも食べ、ネズミでも捕まえてこなければと思っていた縁の心配は無用だった。
それでも味つけの濃いものは避けてやり、なるべく野菜や果物といったものを食べさせてやる。
「アズ、俺たちは縁と話しがあるから先にスノーと寝ていてくれるか?」
セインはそう言うとアズを寝室に連れて行こうとする。
寂しそうにこちらを見るアズに後でちゃんと行くことと、額におやすみのキスをしてやれば大人しく部屋へ入っていった。
「それで話しってなんですか?」
何か頼みでもあるのかと問えば、セインの隣に座らさせられたアレンも訝しげにセインを見ていた。
アズを寝かしつけ戻ってきたセインは、なぜか定位置の縁の隣に座らず正面にある、机を挟んだ反対側の椅子に腰かけていた。
何も聞いてなかったらしいアレンも不服そうながら、引きづられるようにセインの隣に座っている。
「縁は俺たちに番になってくれって言ってくれたよな。その気持ちを疑うわけじゃないし、もう離してなんてやれないけど、それでももう一度聞かさせてくれ。縁は本当に俺の、俺たちの番になってくれるか?」
真剣な声で尋ねるセインに縁は驚き、隣にいたアレンも不服そうだった顔から真剣な顔で縁を見てくる。
「はい。何度聞かれても私の答えは変わりません。私がずっと一緒ににいたと思うのはセイン、アレン君たち2人だけです。もちろんアズやスノーもそうですが、番として夫婦として一緒にいたいのは君たちだけなんです」
迷うことなく、しっかりと2人の目を見ながら答えればセインはようやく肩の力を抜いた。
アレンも嬉しそうに見てくる。
「ありがとう。縁が番で俺は本当にうれしい。これからもよろしく頼む」
「俺もうれしい。絶対幸せにしてやるからな」
自信満々に言うアレンにセインは呆れ気味だが、これはこれでアレンの良いところでもある。
ブレない心を示してくれているようで安心できる。
「……じゃあ安心して言える。獣人の愛は重たいと言ったが、人間とはちがって普段のそれとは別に、獣人だけが定期的にくるものがある」
「くるもの?」
発作かなにかだろうか?
でもそんな持病があるなんて言ってなかった気がする。
「発情期だ」
「はつじょうき?」
嬉しそうに教えてくれたアレンは目をギラギラさせて、今にも縁に飛びかからんばかりである。
もちろんセインにその首根っこを捕まえているため無理のようだが。
「獣人は見た通り半分が獣だ。子を、子孫を残そうと強制的に発情する時がくる。そのため番がいる場合、相手は大変なんだ」
どうやら獣人には定期的に発情期がくるらしい。
それ自体に問題はないらしく、相手がいなければある程度部屋にでもこもっていれば終わるらしい。
だが相手が、番がいるものはそうでない。
心の底から番を求め、衝動が治るまで無心で貪り食う。
この場合の食うは、もちろん交尾でありSEXのことだ。
番の匂い、姿、存在全てを自分のものにするまで治らず、その間はお互い離れることができないらしい。
「えーと、恥ずかしながら今までそういった行為をしたことがないんですが、私でも大丈夫なんですかね?」
こちらに来てからはもちろん、元の世界でも殆どないに等しい。
ないわけでもないが、相手は女性であり抱くことはあっても抱かれたことはまだなかった。
「それ以前に私は、その……どちら側なんでしょう?2人は私に、その、抱かれたいんですかね?それとも抱きたいんですかね」
同性愛者と自覚してからも中々そういった相手ができなかったこともあり縁は未だに自分がどちら側になるのかが判断できていない。
「抱きたい」
「縁がいいなら抱かせてほしい」
2人とも縁を抱くことしか考えてないらしい。
縁にしても2人ならどちらでもいいので、それほど欲しがってくれるなら抱かれることに問題はない。
問題はないのだがーー
「そこまで思ってくれるのは嬉しいんですが、その、体格が……かなり違うわけで、アレが入…入りますかね?」
そういったことを調べたこともあったので同性でもできることは知っているし想像したこともあるが、それも人間の、日本人の一般男性の大きさであって明らかに外国人並みの、獣のようにギラギラした絶倫かもしれない相手は考えたことがない。
「それは…頑張ってくれとしか言えないが不可能ではないはずだ。俺も初めてだからよく分からないが」
「え?」
はじめて?
「俺も」
「え?」
こちらも?
「獣人だからな」
まさかの3人とも初めてに驚いたが、苦笑いのセインは奴隷で獣人だったためそういうこともなかったと言い、アレンもずっと森で大蛇と暮らしていたためなかったらしい。
「まぁ、慣れていても複雑なので良かったとしましょうか。それで、発情期はどれくらいの頻度なんですか?」
「俺は半年に一回くらいかな。5日くらいで治ってた気がする」
「俺は…3回、ぐらいか。2,3日だったと思うが…その、今はわからない」
分からない?
体調によって変わるのかと思ったが違うらしい。
「言っただろう?俺と縁は運命の番だ。普段の発情期とは少し変わってくる」
「………」
聞くのが怖いが、一緒にいるためにも聞いておかなければいけない。
いつものように聞いてませんでしたでは後々大変なことになりそうだ。
「俺も番のいる初めての発情期だから分からんが、たぶん今までの比じゃない。なるべく抑えたいとは思うが約束は…できない」
それほど番の存在は大きいようだ。
「それと、これが一番重要なことだが、運命の番は相手が男であっても妊娠できる」
「……妊、娠?…子ども、が、できるということですか?」
無意識にお腹をさすってしまう。
私が?男なのに?
「そうだ。身体が作り変わる、らしい。それがその時限りかずっとなのか分からないし、相手が人間でもそうなるかは分からないがーー」
そう言い、それまで正面に座っていたセインが縁の隣にくるとそっと抱きしめられた。
「俺は縁に俺の子どもを産んでほしい」
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