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幸か不幸か
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あれから縁さんを観さ…ゴホンッ、見守ってはいたがどうやら仲間を見つけたようで一安心だ。
「な.に.が.一安心なの?」
「………(うわ、うるさいのがきた)」
面倒くさいという態度を隠すことなく振り返れば、眉間に皺を寄せた神(笑)がいた。
「今失礼なこと考えたでしょ」
「そんなことありますよ」
「ありますよ!?そこはないって言うところでしょ!」
やはり面倒くさい。
そんなことより縁さん…と思ったがグッと肩を掴まれた。
「なんでこんなことになってるの!仲間ができるのはいいことだけどその内2人が番なんて聞いてないっ」
そりゃそうだ言ってない。
というか何をそんなに怒っているのか分からない。
まぁ、またバカな理由だと思うが。
「僕の、僕の縁さんなのに!誰だよ、獣人なんて作ったやつ!」
あなたで……お前だよ。
お前が楽しそうに「色んな種族いた方が楽しいよね」って後先考えず作ったんだろうが。
「……ねぇ、僕が思考も読めるって分かっててわざと喋らないで考えてるの?」
頷けばガクリと膝をついた。
伝わったようでなによりだ。
縁に会ってから2人は変わった。
神は真面目に仕事をこなし始め、アルフォートは少し不真面…うーん、人に頼ることを覚えた。
ほとんどをアルに任せていた仕事も元に戻り、今更ながらアルの有難さを痛感していることだろう。
アル自身は自分の仕事が減ったことを喜び、この機会をくれた縁に感謝しながらもその恩人観察するのが今一番の楽しみだったりする。
「何をそんなに怒ってるんですか?予想とは違いましたが縁さんに身を守る術が増えたことは喜ばしいことじゃないですか」
「そうだけど、そうなんだけど~。僕の方が早く縁さんを見つけたのに……」
つまりお母さん(縁)が他の人に取られた気分なのだろう。
ガキかよ……
「聞こえてる」
「知ってます」
「………」
確かに色んな人に懐かれる縁に何も感じないとは言わないが、それでも縁が幸せならそれでいい。
我儘を言ってあちらに行ってもらったが、今のところ楽しそう?でなによりだ。
「そんなことは置いといて、縁さんは私たちの説明を半分も聞いてなかったみたいですね。マジックバックに気付いてくれたのはよかったですけど使い方がそもそも違います」
「まぁね。いちいち○○くださいって言って出してるのは見ている分にはかわいいけど、気付いた時めちゃくちゃ時恥ずかしいよ」
ある程度の持ち物や使い方を教えたはずなのだが、縁は全くもってそれらを使いこなせていない。
食うに困らないようにと大量の食料やお金、着替えや武器、防具、ポーションなどの回復薬。
普通であれば一生遊んで暮らしていけるぐらいの物を持たせているはずなのだが。
水袋(いくら使っても減らない)には気付いたらしいが、食料には気付かず道々拾った木の実を食べ、お金にも気付いたが自分に使うことはほとんどせず獣人たちに使うばかり。
そもそもステータスを見ることができていないので、自分の能力も与えた加護も持ち物も分かっていない。
2人が頑張って考えうる限りの全てを与えたのにそれを使うはずの縁自身が分かっていないのだ。
頭を悩ませる2人に気付くことなく、危険に自分から頭を突っ込み、蛇の親になり、変態(アレン)には懐かれ、運命の番(セイン)に出会い、10代で子(アズ)持ちになるとは誰が想像できただろうか。いや、誰もできない。
できたらこんなに苦労していない。
「なにかあった時の連絡手段を考えておくべきでしたね。この調子だと教会に来れば会えると教えたことも聞いてな…忘れてるかもしれません」
「だろうね。困ったことでもあれば思いだ、す、かな?」
「……(無理ですね)」
「……(無理だな)」
期待することは諦めた。
「縁さん帰ってきてくれないかな?」
またバカなこと言い出した。
「聞こえてる」
「知ってます」
「………」
寂しいのはわかるが帰ってきてどうするんだ。
「また頭撫でてほしい…」
「………」
それはわかる。
そっと優しく撫でられれば、褒められているような認められたような不思議な安心感があった。
「だよね。昔の縁さんも大好きだけど、今の姿になった縁さんに笑って撫でられたらみんな惚れちゃうんじゃないかな?」
「頑張って考えましたからね」
ギリギリまで2人であーでもない、こーでもない言いながら縁の新しい身体を考えていた。
元の縁の優しい顔を崩さないように、でも中途半端に平凡な顔も納得できず、美人過ぎても襲われる可能もあるから派手にはできず、可愛いくするには落ち着いた中身とは合わない気がする。
なので一見それなりに整ったどこかにいそうな美人だが、笑うと華のように美しい綺麗な美人を目指した。
髪の色はアルとお揃いにし、瞳の色は神からもらった。
2人の努力の結晶を、だがされた本人は未だに見てくれていない。
「少しでも長生きしてほしいな。縁さん見てるとハラハラするけど楽しいんだよね。できれば子どもでも作ってくれれば嬉しいけど……うわ、想像しただけで可愛い過ぎて悶える。あーでも縁さん同性愛者だったっけ?」
「えぇ。でもまだ諦めるのは早いかもしれませんよ。運命の番であれば男性でも妊娠できますから」
「それは…嬉しいけど、嬉しくない。僕の縁さんが…僕の大好きな縁さんが誰かのものになるなんてっ!ムリ!」
うっせぇなぁ。
「だから聞こえてるって!」
「だから知ってますって」
「………」
「………」
縁に言われ手を出すことを控えるようになったアルだが、代わりに口がでるようになったため身体的な痛みはなくなったが、逆に精神的痛みが倍に増えた神なのだった。
「な.に.が.一安心なの?」
「………(うわ、うるさいのがきた)」
面倒くさいという態度を隠すことなく振り返れば、眉間に皺を寄せた神(笑)がいた。
「今失礼なこと考えたでしょ」
「そんなことありますよ」
「ありますよ!?そこはないって言うところでしょ!」
やはり面倒くさい。
そんなことより縁さん…と思ったがグッと肩を掴まれた。
「なんでこんなことになってるの!仲間ができるのはいいことだけどその内2人が番なんて聞いてないっ」
そりゃそうだ言ってない。
というか何をそんなに怒っているのか分からない。
まぁ、またバカな理由だと思うが。
「僕の、僕の縁さんなのに!誰だよ、獣人なんて作ったやつ!」
あなたで……お前だよ。
お前が楽しそうに「色んな種族いた方が楽しいよね」って後先考えず作ったんだろうが。
「……ねぇ、僕が思考も読めるって分かっててわざと喋らないで考えてるの?」
頷けばガクリと膝をついた。
伝わったようでなによりだ。
縁に会ってから2人は変わった。
神は真面目に仕事をこなし始め、アルフォートは少し不真面…うーん、人に頼ることを覚えた。
ほとんどをアルに任せていた仕事も元に戻り、今更ながらアルの有難さを痛感していることだろう。
アル自身は自分の仕事が減ったことを喜び、この機会をくれた縁に感謝しながらもその恩人観察するのが今一番の楽しみだったりする。
「何をそんなに怒ってるんですか?予想とは違いましたが縁さんに身を守る術が増えたことは喜ばしいことじゃないですか」
「そうだけど、そうなんだけど~。僕の方が早く縁さんを見つけたのに……」
つまりお母さん(縁)が他の人に取られた気分なのだろう。
ガキかよ……
「聞こえてる」
「知ってます」
「………」
確かに色んな人に懐かれる縁に何も感じないとは言わないが、それでも縁が幸せならそれでいい。
我儘を言ってあちらに行ってもらったが、今のところ楽しそう?でなによりだ。
「そんなことは置いといて、縁さんは私たちの説明を半分も聞いてなかったみたいですね。マジックバックに気付いてくれたのはよかったですけど使い方がそもそも違います」
「まぁね。いちいち○○くださいって言って出してるのは見ている分にはかわいいけど、気付いた時めちゃくちゃ時恥ずかしいよ」
ある程度の持ち物や使い方を教えたはずなのだが、縁は全くもってそれらを使いこなせていない。
食うに困らないようにと大量の食料やお金、着替えや武器、防具、ポーションなどの回復薬。
普通であれば一生遊んで暮らしていけるぐらいの物を持たせているはずなのだが。
水袋(いくら使っても減らない)には気付いたらしいが、食料には気付かず道々拾った木の実を食べ、お金にも気付いたが自分に使うことはほとんどせず獣人たちに使うばかり。
そもそもステータスを見ることができていないので、自分の能力も与えた加護も持ち物も分かっていない。
2人が頑張って考えうる限りの全てを与えたのにそれを使うはずの縁自身が分かっていないのだ。
頭を悩ませる2人に気付くことなく、危険に自分から頭を突っ込み、蛇の親になり、変態(アレン)には懐かれ、運命の番(セイン)に出会い、10代で子(アズ)持ちになるとは誰が想像できただろうか。いや、誰もできない。
できたらこんなに苦労していない。
「なにかあった時の連絡手段を考えておくべきでしたね。この調子だと教会に来れば会えると教えたことも聞いてな…忘れてるかもしれません」
「だろうね。困ったことでもあれば思いだ、す、かな?」
「……(無理ですね)」
「……(無理だな)」
期待することは諦めた。
「縁さん帰ってきてくれないかな?」
またバカなこと言い出した。
「聞こえてる」
「知ってます」
「………」
寂しいのはわかるが帰ってきてどうするんだ。
「また頭撫でてほしい…」
「………」
それはわかる。
そっと優しく撫でられれば、褒められているような認められたような不思議な安心感があった。
「だよね。昔の縁さんも大好きだけど、今の姿になった縁さんに笑って撫でられたらみんな惚れちゃうんじゃないかな?」
「頑張って考えましたからね」
ギリギリまで2人であーでもない、こーでもない言いながら縁の新しい身体を考えていた。
元の縁の優しい顔を崩さないように、でも中途半端に平凡な顔も納得できず、美人過ぎても襲われる可能もあるから派手にはできず、可愛いくするには落ち着いた中身とは合わない気がする。
なので一見それなりに整ったどこかにいそうな美人だが、笑うと華のように美しい綺麗な美人を目指した。
髪の色はアルとお揃いにし、瞳の色は神からもらった。
2人の努力の結晶を、だがされた本人は未だに見てくれていない。
「少しでも長生きしてほしいな。縁さん見てるとハラハラするけど楽しいんだよね。できれば子どもでも作ってくれれば嬉しいけど……うわ、想像しただけで可愛い過ぎて悶える。あーでも縁さん同性愛者だったっけ?」
「えぇ。でもまだ諦めるのは早いかもしれませんよ。運命の番であれば男性でも妊娠できますから」
「それは…嬉しいけど、嬉しくない。僕の縁さんが…僕の大好きな縁さんが誰かのものになるなんてっ!ムリ!」
うっせぇなぁ。
「だから聞こえてるって!」
「だから知ってますって」
「………」
「………」
縁に言われ手を出すことを控えるようになったアルだが、代わりに口がでるようになったため身体的な痛みはなくなったが、逆に精神的痛みが倍に増えた神なのだった。
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