43 / 244
第42話 亜父の刺客
しおりを挟む
亜父にはピットたちを仕留める自信があった。
彼らを葬るために、大王の武将熊2頭と部下のコボルト500匹。
300のコボルトで屋敷を包囲し、武将とコボルト200にて突入する。
これであのウサギも終わりだ…亜父は確信し、吉報を待った。
小1時間も過ぎ、武将たちが返ってきた。
「ご苦労であった、首尾よく討ち果たせたか?」
亜父の言葉に熊たちが答える。
「屋敷はもぬけの空だったが?」
「あいつらもう逃げだしたみたいですぞ?」
しまった!
亜父は自分の策が読まれていることを瞬時に理解する。
そして、内部に協力者がいることも…
「皆の者!急いで追撃を行うのじゃ!」
亜父は武将たちに指示を出す、が、武将たちは困惑する。
「亜父殿、この件に関しては大王様から何も聞いておりませんが?」
「そうですとも!宴の席では彼らに手を出すなと大王様が話しておられたらしいではないか!」
2頭の武将たちは亜父に食って掛かる。
「お前たちはわからないのか?」
「昼には奴らを殺す気でいた大王様が、宴が終わる時にはすっかり気に入っておった!」
「あのウサギは、我らを引き付ける何かがある!」
「この機を逃すと、我らは間違いなく滅びるぞ!」
亜父は力説するが、2頭には響かない。
「我らは大王様の臣」
「いくら亜父様のご命令とはいえ、大王様の意には反せませぬ」
そう言い残し、2頭は去った。
肩を落とす亜父のもとに、狐の姿をした陳平が現れる。
「亜父殿、宜しければ私が追撃の指揮を執ります」
亜父は顔を上げる。
「おぉ、お前が追撃の指揮を執ってくれるか?」
「お任せください、私が彼らを必ず討ち取ってまいります!」
そう話すと、狐は手勢200を連れて追撃を開始した。
また、部下のコボルト斥候に砦の門を開けないよう指示を出し、すぐさま出立させた。
誰もいなくなった暗闇に、亜父は呟く。
「たのむぞ…我らの命運はお前たちに懸かっておる」
彼らを葬るために、大王の武将熊2頭と部下のコボルト500匹。
300のコボルトで屋敷を包囲し、武将とコボルト200にて突入する。
これであのウサギも終わりだ…亜父は確信し、吉報を待った。
小1時間も過ぎ、武将たちが返ってきた。
「ご苦労であった、首尾よく討ち果たせたか?」
亜父の言葉に熊たちが答える。
「屋敷はもぬけの空だったが?」
「あいつらもう逃げだしたみたいですぞ?」
しまった!
亜父は自分の策が読まれていることを瞬時に理解する。
そして、内部に協力者がいることも…
「皆の者!急いで追撃を行うのじゃ!」
亜父は武将たちに指示を出す、が、武将たちは困惑する。
「亜父殿、この件に関しては大王様から何も聞いておりませんが?」
「そうですとも!宴の席では彼らに手を出すなと大王様が話しておられたらしいではないか!」
2頭の武将たちは亜父に食って掛かる。
「お前たちはわからないのか?」
「昼には奴らを殺す気でいた大王様が、宴が終わる時にはすっかり気に入っておった!」
「あのウサギは、我らを引き付ける何かがある!」
「この機を逃すと、我らは間違いなく滅びるぞ!」
亜父は力説するが、2頭には響かない。
「我らは大王様の臣」
「いくら亜父様のご命令とはいえ、大王様の意には反せませぬ」
そう言い残し、2頭は去った。
肩を落とす亜父のもとに、狐の姿をした陳平が現れる。
「亜父殿、宜しければ私が追撃の指揮を執ります」
亜父は顔を上げる。
「おぉ、お前が追撃の指揮を執ってくれるか?」
「お任せください、私が彼らを必ず討ち取ってまいります!」
そう話すと、狐は手勢200を連れて追撃を開始した。
また、部下のコボルト斥候に砦の門を開けないよう指示を出し、すぐさま出立させた。
誰もいなくなった暗闇に、亜父は呟く。
「たのむぞ…我らの命運はお前たちに懸かっておる」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
偽典尼子軍記
卦位
歴史・時代
何故に滅んだ。また滅ぶのか。やるしかない、機会を与えられたのだから。
戦国時代、出雲の国を本拠に山陰山陽十一カ国のうち、八カ国の守護を兼任し、当時の中国地方随一の大大名となった尼子家。しかしその栄華は長続きせず尼子義久の代で毛利家に滅ぼされる。その義久に生まれ変わったある男の物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる