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別人side

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─学園長side─


    私達は、学園長室で頭を抱えながら会議をしていた。



    「──────という訳で、ここ数年間に邪物が大量に発生し続けている理由も、何者かによって大量に邪物が討伐されている事の理由も、まだ手掛かりすら掴めていません。あやかし界の情報屋や探偵に頼んでもみましたが…………全く成果無しです。」


    と、黄色い髪に金の目をしたスレンダーな秘書の様な格好をした女性が言った。


    「分かった。引き続き調査を頼む。」
    「かしこまりました。」



    そう言って、私はため息を一つついた。
    ……私だけかと思ったら他の者もため息をついているようだ。
    そんな事を思っていると、不意に声が聞こえてきた。


    「なんじゃ、そんなため息ばかりつきおって。」


    部屋にいた私以外のあやかし達が驚いた様に一斉に立ち上がった。



    「「「「「「春の長様!」」」」」」
    「あぁ、いい、いい、座って、座って。で、なんぞそんなため息ばかりついているのじゃ?次期春の長殿。ふぉっふぉっふぉっ。」


    そう言って、緑の髪と長い緑の手入れがされている髭をした優しげな雰囲気のあやかしが茶化すように言った。


    「はぁ。爺様、来るなら一言くらい知らせてください。皆が驚きます。」
    「ふぉっふぉっふぉっ。良いでは無いか。その顔を見るのも楽しみにしておるのだから。年寄りの楽しみを余り奪うでないぞ。
    で、なんぞそんなため息ばかりついておったのじゃ?」


    好奇心旺盛な子供の様な瞳をしながら聞いてきた。

    ……絶対面白がっているな、爺様。この話はあやかし界でもちょっと有名になっているからな。


    「はぁ。最近邪物が増えているのに理由が不明で、さらに、私達の知らない人間がその邪物をありえないの速さで次々に討伐しているのですが、そちらも全く不明なのです。」
    「ふぉっふぉっふぉっ。やはりな。そんな事だと思ったわい。
    ……ほれ、こいつを受け取れ。」


    そう言って、春の長は茶色の封筒を懐から取り出した。
    それを受け取り中の資料をテーブルの上に出すと、その内容に驚愕した。


    「こっ、これは!」


    そう言って、赤褐色の髪と茜色の瞳をしたあやかしが思わず呟いた。


    それもその筈、その封筒の中にあった資料は何者かが低位邪物と戦っている写真で、何者かまでは暗くて分からないが、明らかに私達が追っていた人物で間違い無いだろう。
    そして、一緒に入っていたUSBメモリのデータをパソコンで読み取り、スクリーンに映し出した。


   そして、また驚いたのは言うまでもない。USBメモリに入っていたデータは映像で、先程見た写真と同じ低位邪物と戦っている映像だった。
    そして、勝負は本当に一瞬だった。

    薄紫色の巫女服を着て、刀を持った長髪の女性が姿を消したと思ったら一瞬で低位邪物の背後へ回り居合斬りで低位邪物を討伐したのだ。
    明らかに素早過ぎる。


    「……どこでこの映像を手に入れたのですか?」
    「なぁに、知り合いの魔女にちょいと頼んでな。」


    私の秘書が思わず声を出した。


    「まっ、魔女ですか!?」


    まぁ、声を出したのも無理は無い。魔女という存在は、非常に少ないのだから。
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