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入学しました!

待ち時間の過ごし方?

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    私は、時々紅茶等を飲みながら様子を見ていた。


    うーん。これじゃあ動くまで退屈だな……。
    【魔力操作】でもするか。技を使いながらの【魔力操作】はかなり難しいがいい訓練になるだろう。しかも、今回は二つの技を同時にしている為余計に難しいので、かなりいい訓練になるかもな。


    という事で、私は【魔力操作】をする事にした。



    ……うーん。やはり、できる事はできる。だが、今はやめておいた方がいいかもしれない。
    何故なら、【魔力操作】に気を取られ魔力を極限にまで抑えながら【千里眼・聴覚強化】を発動させるのは難しいからだ。魔力を極限にまで抑えておかなければ結界が破壊され邪物が学園内に入っていないか警戒し、調べている者達に気づかれ、私の∥ピンチに登場!!!!!∥劇が出来なくなってしまう恐れがある。



    ……そりゃあ、戦っている人達からしたら∥ピンチに登場!!!!!∥劇なんてせずにとっとっと助けろ!って感じだろうが、この登場って多分大体の人が憧れていると思うんだよね。



    えっ?そうでも無い?そうっすか。



    でも、私にとったらやってみたいシーンなんですよね。せっかくそれができる力があるのに使わないのは勿体ないと思うんだよね。というか、私は楽しむ為に自重しない事を決め、この世界に転生したのだからやりたい事をやらなければ損じゃん?



    ……あれ?話がズレたな。
    まぁ、そういう訳でいろいろ考えていた。



    ……あっ、そうだ!この学園での選択授業で私、声楽とってたじゃん!歌の能力を持ってたから。
    能力って練習すればする程上達するから歌の練習をしようかな。能力があるからって油断して失敗して舐められる訳にはいかないからね。


    それに、歌って余り知られていないかもしれないけど、戦いの時にも役立つんだって気づいたんだよね。(あの世で歌の能力を取っておいてよかったー。)



    例えば、味方が怪我をしたときは、歌声に治癒魔法を乗せて歌えば広範囲での効果が期待出来、炎の攻撃魔法を乗せて歌えば広範囲で火柱が上がるなどの効果が期待出来る。まぁ、いわゆる前に使った【言霊】の応用型ってところだね。
    そして、効果が大きい魔法を乗せて歌えば歌う程発声などが難しくなる。
    なので、歌の能力は出来るだけ向上させておいた方がいいと考えたのだ。



    よし!そうと決まったら、早速練習しようじゃないか!
    ……流石に、今回は歌に魔法は乗せないよ。これでバレたら【魔力操作】から変えた意味が無いし。
    さて、何を歌おうか?多分私の持っている歌の能力なら、ボカロでも演歌でもなんでも魔法を乗せなければ歌えるだろうが……。



    ……よし。決めた!この曲なら出来るだけ感情を隠す様にして歌うか。それに、この曲はあの世で聞いて気に入ってたまに口ずさんでいたから技に集中しながら歌う事が出来るだろう。


    私は、すっと息を吸って神秘的な夜空に向かって歌い出した。










─とある学生side─

    やぁ、僕はこの学園に通うとあるそこそこのお坊ちゃんだ。ザ・脇役って感じの。
    まぁ、僕は脇役で満足だからその辺は別にいい。
    とにかく、本題に入ろう。

    僕は普通の男子寮である[黒曜寮]の周りをランニングしていたのだがその際、特別寮である[翡翠寮]からありえないくらい美しい歌声を聴いた。
    よく、美しい歌声を天使の歌声とか美しい歌を歌う人のことを歌姫と言われていたりする。
    そして、歌を聴かない僕は余り分からないが多分この歌声はそれ以上だと思った。 


    言うなれば、女神の歌声。


    ……なんだかこれって言っていて小っ恥ずかしいな。
    でもそれくらい美しい歌声だった。


    ……あっ!やばい!もうそろそろ寮に帰らないと!


    そう思い立って僕は寮に向かって走り出した。
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