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ヒロイン襲来したらしいよ
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「帰れ」
「はい」
帰ります。帰りますとも。私だって会いたくてあったわけじゃない。それにあんただって出るの早すぎじゃない!?もうちょっと警戒してよね。それからなんか随分俺様な態度だけど私だっていきなり出てきたときは驚いたんだからね!と、ほぼ走っているような速さで歩きながら文句を言った。もちろん心の中でね。面と向かって文句を言ったりはできません。なんせわたくし小心者の中の小心者ですから。一時期腹黒にはまって真似しようとしましたがせいぜい部屋の中だけでした。さすが私。ここまでくると清々しいよね!
「待て」
いや、どっち!?足を急ピッチで止めて振り向くとそこには黒髪ケモ耳男子が。え?…………神?オタクの夢?幻想?えっえっ?
「…………」
「…………」
お互いの間に沈黙が続く。そして、耐えられなくなったように、王子が逃げ出そうとしたのでガシッと腕を掴む。逃してたまるもんか。オタクの夢を!ロマンを!まだ頭の整理ができず何を言ったらいいかわかんないけど、とりあえず逃しちゃダメだ。こんなケモ耳!絶対死んだら見れない。私はいずれ追放されるかもしれない。だから今のうちにも眼光に焼き付けるんだ!真剣に見つめていると、徐々に顔が赤くなっていき、最終的には茹でタコのようになってしまった。どうした?
「見るな……よ」
「いやごめんなさい無理です」
「やめろって!」
目にてをあてられてほわぃ!?という変な声が出る。来世は芸人目指そうかな。
「あの、すいませんでした。次からはもっとかわいくて人情深くておてんばな可愛い女の子が来ますからご安心ください」
そう告げると、何も声が返ってこないので気になって目の前にある手をどけると顔を真っ赤にして斜め上を向いている。え、これってまさか
「照れてる?」
「………………」
「エッまーじー!?やっぱり!私可愛いよね!そうだよね。よかったーもうみんな青ざめた顔するから自分に自信なくなってたんだよね。ありがとう!」
特大シーニュちゃんスマイルをバシッと決めるとまたもや顔を赤くさせる。むふふん楽しいのう。これは遊んでやる価値ありそうだ。顔赤いよというとバッと顔をそらし、バレバレだよ?というとうるさいという。ツンデレ最高。リアルツンデレまじ神。死ねる。はぁ、目が妊娠。
「もうお前は帰れ!面倒だ」
「えー、やーだーもうちょっと遊びましょうよ」
「俺が疲れた!」
「ちぇ、はーい。あ、次はもっと可愛い子が来るので気をつけてくださいね」
「いや、次からもお前でいい。というよりお前がいい」
………たまに決めるナチュラルイケメンあざます。最高です。そしてさっきとは打って変わって現在は私の頬が赤く染まっていることでしょう。やばいわ。私青春しちゃってるわ。どうしようSNSに写真載せたい。リア充ツイートしたい。
「あの、うん、喜んで」
「それから………その……この耳と尻尾、気味悪くないのか?」
「えっと、なんも思わないと言ったら嘘になるかな」
「そうか………」
「言葉にするのは難しいけど、強いて言うなら尊い?神?とかかな」
目を瞑ってケモ耳を触るところを連想するとやはり背景が神々しい。うん、神だな。
「か、神!?」
「えぇ、神ですわ。経緯はよく知りませんけどとても魅力的です。少なくともわたくしの生息……ごほん、地元でしたら国宝として扱われていたと思いますよ」
「国宝!?」
「それでは」
「ちょっと待て、お前どこから来たんだ」
「遠い東の国です」
「……………そこの話…聞かせろ」
「は…?」
「興味がある。聞かせろ」
「えっと、」
待て、今気づいたけど私は生まれからいうと王都だ。生まれは王都、育ちも王都。それなのに日本のことを知っているのはおかしい。それに現在この世界に日本があるかどうかもわからないのに、勝手にペチャクチャいうわけには…でももう少しケモ耳くんと居たいし………うーむ、療養していたとでも言おうか。中世ヨーロッパでは某たまごの人が来るまでは地球が丸いとみんな知らなかったぐらいだし、この世界もそうなのでは?と思う反面適当な嘘を王族に行って洗脳させたなんてことになったら大変なことになる。リスクなんて追うもんじゃないんだ。そうだ。やめよう。
「どうした?」
「その国の話はできません」
「なぜだ?」
「いろいろと私的な事情があるんです」
「…………事情か。では、何か条件をつけよう」
「いえ、それは………」
「なんだ、俺の話が聞けないのか?ならばこの場で契約を交わして今にでも我が城でこき使ってやるぞ」
脅されたぁぁぁ!?やだ、そんな………我が城ってことはつまりあの変態の元で働くということでもあるでしょ!?いやぁあ泣さらに、最近発覚したのだが図書室の君ことシャルルくんはどうやらサドの面影があるようだ。ドSなご主人様とメイド…!ありきたりで憧れるけど自分がやるのはいや!私は見る専なんですぅぅぅぅぅ
「では、条件は私が決めますよ?」
「いいだろう」
「私を惚れさせてください」
むっふっふ、言ってみたかったんだよねーーーーーー!!!!
自分の安易な行動に後悔するのは随分後のお話。
「はい」
帰ります。帰りますとも。私だって会いたくてあったわけじゃない。それにあんただって出るの早すぎじゃない!?もうちょっと警戒してよね。それからなんか随分俺様な態度だけど私だっていきなり出てきたときは驚いたんだからね!と、ほぼ走っているような速さで歩きながら文句を言った。もちろん心の中でね。面と向かって文句を言ったりはできません。なんせわたくし小心者の中の小心者ですから。一時期腹黒にはまって真似しようとしましたがせいぜい部屋の中だけでした。さすが私。ここまでくると清々しいよね!
「待て」
いや、どっち!?足を急ピッチで止めて振り向くとそこには黒髪ケモ耳男子が。え?…………神?オタクの夢?幻想?えっえっ?
「…………」
「…………」
お互いの間に沈黙が続く。そして、耐えられなくなったように、王子が逃げ出そうとしたのでガシッと腕を掴む。逃してたまるもんか。オタクの夢を!ロマンを!まだ頭の整理ができず何を言ったらいいかわかんないけど、とりあえず逃しちゃダメだ。こんなケモ耳!絶対死んだら見れない。私はいずれ追放されるかもしれない。だから今のうちにも眼光に焼き付けるんだ!真剣に見つめていると、徐々に顔が赤くなっていき、最終的には茹でタコのようになってしまった。どうした?
「見るな……よ」
「いやごめんなさい無理です」
「やめろって!」
目にてをあてられてほわぃ!?という変な声が出る。来世は芸人目指そうかな。
「あの、すいませんでした。次からはもっとかわいくて人情深くておてんばな可愛い女の子が来ますからご安心ください」
そう告げると、何も声が返ってこないので気になって目の前にある手をどけると顔を真っ赤にして斜め上を向いている。え、これってまさか
「照れてる?」
「………………」
「エッまーじー!?やっぱり!私可愛いよね!そうだよね。よかったーもうみんな青ざめた顔するから自分に自信なくなってたんだよね。ありがとう!」
特大シーニュちゃんスマイルをバシッと決めるとまたもや顔を赤くさせる。むふふん楽しいのう。これは遊んでやる価値ありそうだ。顔赤いよというとバッと顔をそらし、バレバレだよ?というとうるさいという。ツンデレ最高。リアルツンデレまじ神。死ねる。はぁ、目が妊娠。
「もうお前は帰れ!面倒だ」
「えー、やーだーもうちょっと遊びましょうよ」
「俺が疲れた!」
「ちぇ、はーい。あ、次はもっと可愛い子が来るので気をつけてくださいね」
「いや、次からもお前でいい。というよりお前がいい」
………たまに決めるナチュラルイケメンあざます。最高です。そしてさっきとは打って変わって現在は私の頬が赤く染まっていることでしょう。やばいわ。私青春しちゃってるわ。どうしようSNSに写真載せたい。リア充ツイートしたい。
「あの、うん、喜んで」
「それから………その……この耳と尻尾、気味悪くないのか?」
「えっと、なんも思わないと言ったら嘘になるかな」
「そうか………」
「言葉にするのは難しいけど、強いて言うなら尊い?神?とかかな」
目を瞑ってケモ耳を触るところを連想するとやはり背景が神々しい。うん、神だな。
「か、神!?」
「えぇ、神ですわ。経緯はよく知りませんけどとても魅力的です。少なくともわたくしの生息……ごほん、地元でしたら国宝として扱われていたと思いますよ」
「国宝!?」
「それでは」
「ちょっと待て、お前どこから来たんだ」
「遠い東の国です」
「……………そこの話…聞かせろ」
「は…?」
「興味がある。聞かせろ」
「えっと、」
待て、今気づいたけど私は生まれからいうと王都だ。生まれは王都、育ちも王都。それなのに日本のことを知っているのはおかしい。それに現在この世界に日本があるかどうかもわからないのに、勝手にペチャクチャいうわけには…でももう少しケモ耳くんと居たいし………うーむ、療養していたとでも言おうか。中世ヨーロッパでは某たまごの人が来るまでは地球が丸いとみんな知らなかったぐらいだし、この世界もそうなのでは?と思う反面適当な嘘を王族に行って洗脳させたなんてことになったら大変なことになる。リスクなんて追うもんじゃないんだ。そうだ。やめよう。
「どうした?」
「その国の話はできません」
「なぜだ?」
「いろいろと私的な事情があるんです」
「…………事情か。では、何か条件をつけよう」
「いえ、それは………」
「なんだ、俺の話が聞けないのか?ならばこの場で契約を交わして今にでも我が城でこき使ってやるぞ」
脅されたぁぁぁ!?やだ、そんな………我が城ってことはつまりあの変態の元で働くということでもあるでしょ!?いやぁあ泣さらに、最近発覚したのだが図書室の君ことシャルルくんはどうやらサドの面影があるようだ。ドSなご主人様とメイド…!ありきたりで憧れるけど自分がやるのはいや!私は見る専なんですぅぅぅぅぅ
「では、条件は私が決めますよ?」
「いいだろう」
「私を惚れさせてください」
むっふっふ、言ってみたかったんだよねーーーーーー!!!!
自分の安易な行動に後悔するのは随分後のお話。
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