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転生したった

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「お嬢様!起きてください!」

「やだ………やだやだやだやだ」

「お嬢様、起きてください」

「いやだ!だって今日は!」

「そうです、学校へ行くお時間です。
Sクラスであるお嬢様が遅刻なされたらそれこそ学園のそしてアンシャール家の恥です」

「うわーーーーーーんうぉーーーーん」

「雄叫びあげても無駄ですよ」

「うるせぇよ」

バサっと毛布をどけて、紫色のフリルいっぱいネグリジェを例のごとく脱ぎ捨てて
可愛らしい制服に着替える。現在6月は、この世界は日本と違い梅雨はないものの気温や季節は変わらぬようで蒸し蒸しとうっとおしい暑さが続いている。もう長袖を着るような時期ではないので、ゴージャスな五部丈ブラウスに膝下まである品のよろしいスカートを履いている。それからよく知らんけど頭のいいやつだけ履けるヒール付きローファーとやらを見せびらかすように履いております。はっはっはー。しかし私が履くと違和感ないようで目立たないようにとヒールなしのを一度履いて行ったら逆に目立ってしまった。なんなん?
胸下まである暑っ苦しい髪の毛が邪魔なので結びたいと言ったら、お団子以外認めないと言われ、じゃあお団子で~と言ったらカッチカチのバレリーナのようなお団子にされたので結局髪の毛はなにもせず下ろした状態で行くということになった。でもさ、それでメイドが扇子を仰ぐってどうなの。本末転倒といいますか………どちらにしろうっとおしいのでこの際髪の毛切らせてくれないかね。

さて、黒光りする前世で言うとリムジンのような馬車に乗り学校へ向かいます。もちろん朝食は食べません。私の体はマカロンしか受け付けない!と言ったら出てきたのでびっくりしました。ここは四次元ポケットの中ですか?想定外のことでしたがお嬢様特有のスキル我儘を使って乗り切りました。
約30分ほど馬車の中でおとなしく揺られているとどんどん進む速度が落ちて、キキッと学園の門の前で馬車が止まる。

「行きたくない」

「ファイトです」

「行きたくないよ………」

「お嬢様なら嫌なことがあれば学園側から何かしてくださいますから、心配することなどなにもございません!」

「その扱いが嫌なんだよ~わかるかな~」

「わかりません」

「………いぎだぐないよぉぉぉぉ」

「ほらっ」と言って馬車から放り出されとてもいい笑顔で送り出される。殺す殺す殺す殺す。門の中に入ったら情けない行動をするわけにもいかずピシッと背筋を立ててコツコツと歩く。………あ、目があった。ん?近寄ってくるぞ?もしや、挨拶してくれるの!?

「お、お鞄持ちます!」

いぇぇぇぇぇぇ!?そこまでいっちゃうぅぅぅ!?

「あ、いえそんな……」

「遠慮なさらず!」

「あ…………」

ナンテコッタ。随分と青ざめた顔で両手に鞄を持って先に歩いていった彼女は2年生だよね?なーんかこの学園いろいろルールあってめんどくさいんだけど、スカートの色も学年ごとに分かれていて赤が1年。青が2年。緑が3年になっている。でも真夏に赤とかうっとおしくね?内心めっちゃ思っているが絶対に口に出して言ったりしない。なぜならきっとそれを聞いた学園側は至急その制度を取り消してスカートの色は自由になるからだ。しかし、噂は風の速さで広まるもの。どこからか情報が漏れてアンシャール家のお嬢様が提案したんですってなんて言われて…………そんなことになれば学年をまたいで天下統一をしてしまう。ひぃぃぃぃ学園内が暴力団の拠点地みたになっちゃうよ。

恐ろしい恐ろしい。

「まぁ、シーニュ様ごきげんよう」

「……………ごきげんよう」

目の前で90度に腰を折り曲げる取り巻き様を見て私は思った。既に暴力団化していると……。



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