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第二章
第2話 赤き目の竜
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3人で輪をつくり抱き合っていると外から翼を羽ばたかせる音が聞こえてきた。
「きっとリップよ、外をみてくる」
ジョセがリップを連れてやってきたのかと思い私は玄関まで駆けていった。
しかし外で私を出迎えたのは竜ではあったが、その姿はリップのものではなかった。
「白い龍、もしかしてルヴィーさん?」
私の目の前に現れたのは大型の白い竜、私はルヴィーさんだと疑うことをしなかったが、まぶたを開くと中から覗かせたのは真っ赤な目だった。
私が身構えると赤い目をした竜が私に言った。
「お前を迎えにきた。さぁ乗るがいい」
「ちょっと勝手なこと言わないでよ、私はカイトとリップとーー」
反論する私だったが竜は最後まで私の話を聞くことなく、言葉を重ねて意見を押し通した。
「お前の返答など聞いてない、ついて来ぬというなら、この村を焼き付くすまでだ」
荒い口調に、極めて冷徹で低めの声。どうやら男性でルヴィーさんではなさそうだった。
「分かったわよ」
得体の知れない竜のため本当にやりかねないと判断した私は、素直にこの竜の言葉に従った。
私が竜の背中に乗ると翼を大きく一振り羽ばたかせ白い竜は、一瞬にして大空に舞い上がった。
そのまま私に何か説明する訳でもなく、北西の位置に向かって竜は飛び続けた。
このままではらちが明かないと思い私から竜に訪ねた。
「ねぇあなたルヴィーさんじゃないんでしょ?誰の指示で動いているの?」
「私のことはアザエルと呼べ」
「アザエルさんね、それで2つ目の質問は?」
「それをお前に答える必要はない。お前にはやってもらうことがある。その時がくるまで待て」
「人をさらっておきながら答える必要がないですって?私知ってるのよ、竜の親玉のこと。どうせこれも竜王様のたくらみなんでしょ?」
しかし、アザエルさんがこれ以上口を開くことはなかった。
「お喋りが嫌いなのね、分かったわよ、その時とやらがくるまで黙るわよ」
私は不貞腐れながら嫌味たらしく言ったが、アザエルの表情が変わることはなかった。
「おばさん!!ジョセです。アサを迎えにきました」
ジョセが一足遅れて私の家のベルを鳴らした。
成長したジョセの姿は背が伸びた以外は一見何も変わってないように見えるが、最近は髪を伸ばしているようで、後ろのおさげをみつ編みにしている。
毎朝カトリーヌさんにやってもらってるそうだ。
チャームポイントの赤い瞳も健在で、今日の服装も私が出会った時とまるで変わってない。上は黒いタンクトップに下はデニムのショートパンツに黒タイツを履いている。それでも年頃なりにピアスにネックレスに香水と、彼女なりにオシャレに気を使ってるみたい。
「あらジョセちゃんいらっしゃい」
「おばさんご無沙汰してます」
「やっぱり戻ってきたのね。アサったら荷物も持たずに行っちゃったからびっくりしたのよ」
お母さんがリュックを手に言った。
「あれ?あたし達今来たばかりですが、アサ今いないんですか?」
「アサ、あなた達と一緒にいたんじゃないの?10分ほど前にここを出てそれからいないのよ」
「クオーン」
その時外で待機していたリップが突然大きな声で鳴き出した。
「どうしたリップ?」
ジョセが外に出てリップの元に走ってゆく
外には昔のあの頃の姿とは、まるで想像出来ないほどに立派に成長したリップがいた。
食べてる物が違うし母親のリィズさんと同じとはいかないが、それでも体調は2メートルを超え、皮膚も鎧状の頑丈な紺の鱗を手に入れ、竜としての貫禄が出てきた。
ジョセがリップの元につくとリップは鼻をクンクンとさせ何かを嗅ぎつけているようだった。
「リップ、アサの匂いがわかるのか?」
リップが深く頷いた。リップは人の言葉は喋れないが頭で理解することが出来るようになっていた。
しばらくするとお母さんとお父さんも外に出て、ジョセがことの説明をした。
「おばさん嫌な予感がします。アサが連れさらわれたかは分かりませんが、リップ曰くアサの匂いが空に続いてるようなんです」
「そんな」
お母さん、お父さんはそれ以上は言葉を失ったように固まってしまった。
「安心してくだい、アサがここから出たのが10分前なら、今からリップが全速力で飛べば必ずアサに追いつけます」
ジョセが慣れた手付きでリップの背中にまたがった。
「カイト君はどうするの?」
お母さんが思い出したかのようにジョセに言った。
「カイトにはとりあえず北西の方角に向かったって伝えて下さい」
「分かった。ジョセさん娘のことを頼む」
お父さんが私のことをジョセに託すとジョセは「任せてください」と誇らしげ言い、リップと共に空に飛びたった。
「空に香りが続いてるとなれば竜がリップ以外にもいるっていうのか。アサの奴無事でいろよ」
「きっとリップよ、外をみてくる」
ジョセがリップを連れてやってきたのかと思い私は玄関まで駆けていった。
しかし外で私を出迎えたのは竜ではあったが、その姿はリップのものではなかった。
「白い龍、もしかしてルヴィーさん?」
私の目の前に現れたのは大型の白い竜、私はルヴィーさんだと疑うことをしなかったが、まぶたを開くと中から覗かせたのは真っ赤な目だった。
私が身構えると赤い目をした竜が私に言った。
「お前を迎えにきた。さぁ乗るがいい」
「ちょっと勝手なこと言わないでよ、私はカイトとリップとーー」
反論する私だったが竜は最後まで私の話を聞くことなく、言葉を重ねて意見を押し通した。
「お前の返答など聞いてない、ついて来ぬというなら、この村を焼き付くすまでだ」
荒い口調に、極めて冷徹で低めの声。どうやら男性でルヴィーさんではなさそうだった。
「分かったわよ」
得体の知れない竜のため本当にやりかねないと判断した私は、素直にこの竜の言葉に従った。
私が竜の背中に乗ると翼を大きく一振り羽ばたかせ白い竜は、一瞬にして大空に舞い上がった。
そのまま私に何か説明する訳でもなく、北西の位置に向かって竜は飛び続けた。
このままではらちが明かないと思い私から竜に訪ねた。
「ねぇあなたルヴィーさんじゃないんでしょ?誰の指示で動いているの?」
「私のことはアザエルと呼べ」
「アザエルさんね、それで2つ目の質問は?」
「それをお前に答える必要はない。お前にはやってもらうことがある。その時がくるまで待て」
「人をさらっておきながら答える必要がないですって?私知ってるのよ、竜の親玉のこと。どうせこれも竜王様のたくらみなんでしょ?」
しかし、アザエルさんがこれ以上口を開くことはなかった。
「お喋りが嫌いなのね、分かったわよ、その時とやらがくるまで黙るわよ」
私は不貞腐れながら嫌味たらしく言ったが、アザエルの表情が変わることはなかった。
「おばさん!!ジョセです。アサを迎えにきました」
ジョセが一足遅れて私の家のベルを鳴らした。
成長したジョセの姿は背が伸びた以外は一見何も変わってないように見えるが、最近は髪を伸ばしているようで、後ろのおさげをみつ編みにしている。
毎朝カトリーヌさんにやってもらってるそうだ。
チャームポイントの赤い瞳も健在で、今日の服装も私が出会った時とまるで変わってない。上は黒いタンクトップに下はデニムのショートパンツに黒タイツを履いている。それでも年頃なりにピアスにネックレスに香水と、彼女なりにオシャレに気を使ってるみたい。
「あらジョセちゃんいらっしゃい」
「おばさんご無沙汰してます」
「やっぱり戻ってきたのね。アサったら荷物も持たずに行っちゃったからびっくりしたのよ」
お母さんがリュックを手に言った。
「あれ?あたし達今来たばかりですが、アサ今いないんですか?」
「アサ、あなた達と一緒にいたんじゃないの?10分ほど前にここを出てそれからいないのよ」
「クオーン」
その時外で待機していたリップが突然大きな声で鳴き出した。
「どうしたリップ?」
ジョセが外に出てリップの元に走ってゆく
外には昔のあの頃の姿とは、まるで想像出来ないほどに立派に成長したリップがいた。
食べてる物が違うし母親のリィズさんと同じとはいかないが、それでも体調は2メートルを超え、皮膚も鎧状の頑丈な紺の鱗を手に入れ、竜としての貫禄が出てきた。
ジョセがリップの元につくとリップは鼻をクンクンとさせ何かを嗅ぎつけているようだった。
「リップ、アサの匂いがわかるのか?」
リップが深く頷いた。リップは人の言葉は喋れないが頭で理解することが出来るようになっていた。
しばらくするとお母さんとお父さんも外に出て、ジョセがことの説明をした。
「おばさん嫌な予感がします。アサが連れさらわれたかは分かりませんが、リップ曰くアサの匂いが空に続いてるようなんです」
「そんな」
お母さん、お父さんはそれ以上は言葉を失ったように固まってしまった。
「安心してくだい、アサがここから出たのが10分前なら、今からリップが全速力で飛べば必ずアサに追いつけます」
ジョセが慣れた手付きでリップの背中にまたがった。
「カイト君はどうするの?」
お母さんが思い出したかのようにジョセに言った。
「カイトにはとりあえず北西の方角に向かったって伝えて下さい」
「分かった。ジョセさん娘のことを頼む」
お父さんが私のことをジョセに託すとジョセは「任せてください」と誇らしげ言い、リップと共に空に飛びたった。
「空に香りが続いてるとなれば竜がリップ以外にもいるっていうのか。アサの奴無事でいろよ」
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