復讐と約束

アギト

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第4章 七魔将軍 レンカ編〜生徒か主か〜

第二十六話 過去への終止符と新たな仲間

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      数時間前
 ショウはヨナギと話していた。
「2つ目は、『レンカの命』が狙われている。」
「何故ですか?」
「その理由までは、俺も知らん。だが、数週間ほど前に『ある奴』が俺に会いに来た。」

『レンカが「極の儀」で殺されるかもしれない。ヨナギ先生、貴方にはレンカを守ってほしい。』
『ちょっと待て、何故それを俺に言うんだよ。』
『貴方が、裏切る可能性が一番低いからです。それに貴方には「レンカとの約束」があるでしょ。』
『チッ!それで目星はたってんのか?』
『はい、こちらが資料です。それでは』
 と去って行った。

 と「何故知っているのか」を話した。
「なるほど、それでレンカさんの命を狙っているのは誰ですか?」
「命を狙っているのは、『15年前にレンカが殺した奴の娘だ。』」
「なっ…!」
 ショウは驚きを隠せなかった。
「レンカさんが殺しを…なにかの間違えでは?」
「俺も資料を見るまでは知らなかった。でも、理由が理由だ。」
「理由?」
「あぁ、その娘の父親は、何百と魔物・人間問わず村を消していった奴だった。」
 とヨナギは真剣な表情で言った。ショウは、
「それは、確かに殺されても仕方ないかもしれませんね。」
 と理由を言われ、納得をした。
「まぁでも、どう狙ってくるかはわからない。」
「そこに関しては大丈夫です。僕がなんとかします。」
 と自信を持って言った。ヨナギは、
「まぁいい、お前に策があるなら任せるわ。取り敢えず、話は終わりだ。」
 と言ってヨナギとショウは会議室を出ようとした。そこをショウが、
「どうしてそこまで、レンカさんを守ろうとするんですか?」
と質問をした。ヨナギは、昔のことを思い出した。

       15年前
 ヨナギは学生で、レンカが初めて担任として教えた生徒であった。ヨナギの卒業式が終わり、教室へと戻った。もう殆どの生徒が帰り、誰もいなかった。
「時が経つのは早いな~」
「そうだな~」
「ヨ、ヨナギ君!いつの間に!」
「さっきから居たろ~」
とヨナギがレンカの隣りにいた。レンカは、
「そう言えば、ヨナギ君は都市議員に推薦されたんだよね。凄いな~」
と話題を逸らそうとした。ヨナギは、
「そんなのはどうでも良い。」
と一蹴された。そして、
「レンカ先生」
「はい!」
「もし俺がレンカ先生を越える魔道士になれたら、結婚してくれ!」
と告白した。レンカは、
「な、な、何を、を、いきなり!」
と凄く動揺していた。それに対してヨナギは、
「本気って意味だよ。」
と言って、レンカのおでこにキスをした。レンカは、顔を赤くさせて、
「ヨ、ヨ、ヨナギ君!」
と言ってヨナギを呼び止めようとしたが、ヨナギは、
「じゃあレンカ先生、さようなら~」
と言って教室を出た。レンカは顔から蒸気を発しながら、机に突っ伏した。

 ヨナギはショウに向かって、
「お前に話さなきゃいけねぇ義務でもあんのかよ~」
「いえ別に」
と言って、ヨナギとショウは会議室を出た。それからショウは、ザギルにテレパシーを送り対応してもらう様に頼んだ。


        現在
 ザギル達は、指示通りに片っ端から死霊魔物を倒していった。
「一体何なの彼奴等は!まぁいいか、なんせコッチには、『魔物線最高峰の魔道士』が沢山いるんだからね~」
 と不敵な笑みを浮かべていた。
 ザギル達が順調に進んでいると、
「「「「がァァ!ぐぁぁぁ!」」」」
 と五体の魔物がザギル達を襲った。アルキは、
「此奴らは、魔物線魔道士トップ10の奴らじゃな。」
 と魔物を見て言った。
「アルキのおっちゃん、何だそりゃ?」
「簡単に言うと、魔物線の中で最も優れた魔道士ということじゃ!」
「チッ!こんな奴らに戸惑ってる場合じゃないというのに!」
 と魔法を避けていると、
「ごちゃごちゃうっせぇぞ!要はこいつ等をぶっ倒せばいいんだろ?」
 とオーツが魔物達に突っ込んでいった。魔物達は、オーツに容赦なく魔法をくらわせた。
「オーツ!」
「あんのバカが!」
 とザギルとアルキは、心配した。しかし、
「波円海」
 と反撃された。魔物達は、反撃された方を向くと、傷一つないオーツがそこにいた。
「確かに火力は高いけどな。俺には効かねぇなぁ!!」
 と狂乱化した身体で、着地した。そして、
「ザギル、アルキのおっちゃん!ここは俺がやるから。お前等は水晶のところに急げ!」
 とオーツが言った。
「頼んだぞ!」
「死ぬんじゃないぞ、若造!」
 と言い走って行った。魔物達はそれを逃すまいと、
「「「がぁぁ!」」」
 と魔法を放とうとしたが、オーツが斬撃を放ち、
「テメェ等の相手は、俺だろうが!?」
 と顔面痕の狂乱化となり言った。
 ザギルとアルキは、魔物を倒しているが、どんどん疲れ始めた。
「一体何体出せるんじゃ!」
「もう千は超えてるぞ。」
 と厄介に思い始めた時、
「「「わぁァァ!!」」」
 と変な装置を着けた魔物が現れた。
「なんじゃこいつ等は!」
 首謀者は、
「そいつ等はね。対魔道士に結成された組織の幹部だよ。それに近接戦にも強いからね!」
 と高らかに笑いながら言った。そしてザギルとアルキに襲いかかった。
「確かに強力な拳じゃな!」
「……!」
 と2体に余裕がなくなってきた。そこで、
「あんまし使いたくはなかったが、緊急事態だ!」
 と言うと魔眼を発動させた。
「「「ガァァァ!!」」」
 とザギルに向かって魔法を放った。ザギルは、
「魔眼:エネルギー変換 魔力」
 と自身の氣を魔力へと変えて、
「我流 剣技 華霜柱」
 と3つの魔法を消し去り、氷を走らせた。そして、
「我流 剣技 重桜牽連華」
 と3体の幹部魔物を一瞬で倒した。アルキは、
『氣を魔力へと変換させるとは、カシル以上の才覚を持っているな。』
 と心で思った。

 エネルギー変換・・・自身の力を別のエネルギーに変換させることができるスキルである。これを使うことで、魔力や氣等が枯渇することを防げる。
 因みに、これをしないでエネルギーを変換する芸当ができる者はショウ以外にいない。

 ぶっ飛ばされた3体の魔物が立ち上がろうとしていた。
「まだやるか!」
「ザギル、此奴らは儂がやる。貴様は早う水晶を壊せ!」
 とザギルを首謀者の方へと投げ飛ばした。そして、
「ほぉーもう回復したか。」
 と笑みを浮かべながら、鬼人化した。

 一方ショウはたった1体で奮闘していた。
『一体一体は弱いけど、数が異常に多いな。』
 と思いながら闘っていた。すると、後ろから、
「ガァァ!!」
 と魔物から攻撃された。
「くっ…いい拳ですね。さてと、ここからどうする?」
 とショウは呟いた。すると、
「火の妖術:第壱式 爆」
「獄炎海」
「「ダブルサンダーブレイク!」」
 とジックフリー学園とトルリット学園の生徒がショウの前に現れた。
「ショウ君、1体だけでカッコつけ過ぎだ。」
「ここからは、私達も参戦します!」
「さっさと終わらせるぞ!」
 とショウに向かって言った。そして、
「ショウ、俺もまだまだやれっから。手を貸すぜ」
「ショウ様とこんな形で一緒に闘えるなんて、光栄です。」
 とヨナギとレンカが言いながら、ショウに並んだ。ショウは、
「ここから巻き返しますよ!」
「「「「おう!!」」」」
 と反撃を始めた。
 首謀者は、
『こんな事、あり得ない!無限に溢れる死霊と魔物だよ。絶対に絶望をして屈するはずなのに!なのに!何でまだ希望を抱いてんだよ!』
 と心で思った。すると、
「何考えてるか知らないが、これで終わりだ!」
 とザギルが斬り掛かった。首謀者は、
「煩いわね!こっちは今ムカついてんだよね。お前はこいつの相手でもしていれば?」
 と水晶から禍々しい光を発し、魔物が現れた。
「何だ!このふざけた魔力量と圧は!」
「ソイツはデストロイルンガ。災害級に分類される魔物よ!」
 と首謀者は言った。そして、人型で青白い見た目の魔物は、ザギルに襲いかかった。ザギルは、
「我流 剣技 直行・日廻」
 と攻撃をしたが、一切傷が付いていなかった。そして、デストロイルンガはザギルに容赦のない拳をくらわせた。そこから、魔力を圧縮した光弾を至近距離でくらわせた。
『こいつ!魔力で強化した剣技も通用しないのか!いや、他になにか理由があるはずだ。』
 と思っていると、デストロイルンガに奥で闘っていたオーツの斬撃が当たった。そして、その部分に傷が薄っすらだがついていた。
「そういう事か!感謝するぞ、オーツ」
 と言うと、魔眼を解除して構えた。デストロイルンガは、ザギルに途轍もない速さで近付いた。ザギルは今度は冷静になり、
「月光の型:劉観月 居待」
 とデストロイルンガの身体にいくつか突いた。そこからザギルは、
「月光の型:劉観月 震閊」
「月光の型:劉観月 魅刈」
 と技を繋げた。デストロイルンガは、攻撃を受けながらも反撃した。しかし、それをザギルは軽々しく避け、
「月光の型:奥義 満霓」
 と最後にデストロイルンガを真っ二つにした。首謀者は、
「な、何!災害級だぞ!それを一等級の魔物が倒すだと!どんな悪夢だ!」
 と我を忘れてザギルに言った。ザギルは、
「こいつは確かに強い。『魔力や魔法を全て無効化する。』その代わり、それ以外のダメージが倍になるんだろ?それなのに、負けた原因は…」
 首謀者に指さして、
「主が悪かったということだけだ。」
 と吐き捨てた。首謀者は、
「何だと?魔物如きが、一丁前に説教か!」
 と言いながらキレた。ザギルは、
「やれやれ、こんな奴の下が最期なんて、こいつには同情する。」
 と剣を構えた。首謀者は、
「まぁいいか、目的達成まであと少しだ!」
「なに?」
「見てみろよ!」
 とショウ達の方が大分押されていた。しかしザギルは、焦ることなく首謀者の方を向き、
「あれがどうした?」
 と言った。首謀者は、
「状況が見えてないのか?レンカやお前の主があと少しで死ぬんだよ!これでもまだ闘う気?」
 とザギルに挑発的に言った。ザギルは、
「状況が見えていないのはお前の方だ。この程度で音を上げるような、情けない主を持った覚えはない!」
 と言うと、上空からショウが落ちてきて、
「ハァッ!」
 と水晶を壊した。すると死霊に憑れていた魔物達は正気を取り戻し、攻撃をやめた。
「一体、いつから…」
「お前があの青白い魔物を出したときです。」
「な…!」
 と首謀者は驚きの声を発した。

 遡ること三十分ほど前、
「ザギル達の方に敵が集中し始めた。」
「恐らく、こちらは後からでも倒せると踏まれたのでしょう。」
「チッ!舐められたもんだ。」
「でもこれで、『僕が』水晶に近づける!」
 とショウが言った。レンカは、
「ショウ様が、水晶を壊すのですか?」
 と質問をした。ショウは、
「えぇ、元々その予定です。向こうに集中させれば、僕がフリーで動ける。」
 と真剣な表情で言った。
「でも、近付く目立てはあるのか?」
「えぇ、クラーンさん」
 と言うと闘場の下からクラーンが現れた。
「気付いてましたか?」
「もちろん、それにヨナギさんに協力を求めたのも貴方でしょ?」
 とショウが言うと、クラーンは少し嬉しそうに、
「全て御見通しでしたか。それで、私は何をしたら良いですか?」
 と言った。ショウは、
「僕のスキル『影使い』を使って、僕の影武者を作る。そして、レンカさんの付与魔法で保護色化してもらって、首謀者に近付きます。首謀者が油断しきった時に、上から落としてもらって水晶を壊します。だからクラーンさんは、僕を首謀者まで送り届けてほしい。」
 と作戦を説明した。クラーンは、
「お安い御用です。」
 と返事をした。

 そして今に至る。
「馬鹿な!こんな簡単に私の『15年』を無駄にされてたまるか!」
 とショウに魔法を放とうとしたが、それよりも早くショウが「影使い」で捕縛した。
「貴方の処罰は、あの方達に決めてもらって下さい。」
 とレンカ達の前に連れて行った。
 レンカ達は、立っているのが不思議な状態だった。
「貴方が首謀者でしたか。ポノさん」
「チッ!レンカ!貴方のせいで父さんが死んだ!私の人生も狂わされた!私の人生を返せよ!!」
 とレンカに逆ギレをした。ヨナギは、
「テンメェ、よくそんな事をほざけんな!」
 とキレ気味にポノに言った。
「なにがよ!父さんを奪われたやつの気持ちなんて知らないくせに!」
「テメェこそ!何百・何千と命を奪ったやつの娘のくせに!偉そうにほざくな!」
「そうだ!私の故郷を滅ぼしかけた事、許しているわけではないぞ!」
 とクラーンとヨナギに言われた。ポノは、
「そんなの知るかよ!殺られたお前等がよわ…!」
 と言い放つと、レンカが平手を打った。そして、ポノを抱きしめた。
「離せー!お前に抱きつかれる筋合いなんてねぇよ!だから…」
「ごめんなさい…貴方の父親を殺して…」
「……!」
「貴方の父親を殺したのは、紛れもなく私です。だから、この距離なら刺して殺すことも魔法で焼き殺すもできますよ。」
「レンカ何を…!」
「ポノさん、殺すなら『今が絶好のタイミング』ですよ。」
 とレンカは抱きしめたままそう言った。ポノは、懐からナイフを取り出し、上に掲げた。
「マズい!レンカ離れろ!」
「待った。」
 とヨナギをショウが止めた。ヨナギは、
「このままじゃ殺されるぞ!いいから離せ!」
 と振り切ろうとしたが、ショウは離さなかった。そして、
「レンカさんを信じて下さい。レンカさんは、殺されませんから。」
 とヨナギを真っ直ぐな瞳で言った。ヨナギは、大人しく見守った。
 ポノはやっと復讐相手を殺せるはずなのに、一向にナイフを下ろそうとはしなかった。
「何でだよ!こんなにも恨んでるのに!殺せないんだよ…」
 とその場で泣き始めた。レンカは、
「それが貴方の本心だからですよ。」
 と優しい笑みで言った。ポノは泣きながらも、
「何であの時、私も『一緒に殺してくれなかったんだよ…』」
 と言った。それに対してレンカは、
「貴方はまだ幼かった。そして、善悪の区別の出来ない者を裁くことは、『出来なかった』からです。」
 と言った。
「そのせいで私は、ずっと一人ぼっちだった。そして苦しかった。」
「本当にごめんなさい。」
 レンカはポノが落ち着くまで、ずっと抱きしめていた。
 ポノを連行する際、クラーンがポノに近付いて、
「レンカは、あの場であなたに一つ『嘘』をつきました。」
 と言った。
「嘘?」
「はい、それは『貴方も本来は殺されていた』はずなのです。」
「どういう事?」
「レンカはあの当時、都市議員の1体でした。そして、私も議員の1体をでした。」

       15年前
 ポノの父親とポノに関する処罰を決めようと会議をしていた。
「父親は満場一致で死刑で問題ないな。」
「だが娘はどうする?」
「同じく死刑にしよう。善悪の区別ができなかったとはいえ、何百と命を奪った罪は重い。」
「そうじゃな、ワシは異義はない。それに悪の芽は、小さい内に摘んでおくべきじゃしな。」
「ではその判決ではっぴょ…」
 と判決を決めようとした。その時、
「ちょっと待ってください!」
 とレンカが立ち上がって、
「娘さんの方は、死刑ではなく刑務所の方で更生させるべきです。」
 と異議を唱えた。他の魔物達は、
「レンカよ。幾ら優秀であるお前の意見でも、そればかりは通らんぞ。現に証拠や被害者の証言だってある。」
「そうじゃ、そうじゃ」
「幾ら子どもとは言え、人を殺してはならん。それを見過ごせというのか?」
 と反論された。レンカは、
「それなら、私は議員を辞めます。そしてあの娘の罪を一緒に受けます。」
 と真剣な表情で言った。
「何故そうまでする?」
「彼奴とは、無縁じゃろうが。」
 と言われた。しかしレンカは、
「私は、何も分からずに殺される理不尽さを知っているからです。そして、そんな事を許してはいけないと思ったから、異議を唱えただけです。」
 と全く引く様子もなく言った。議長は、
「そこまで言われては、仕方あるまい。娘の判決は死刑から執行猶予付き懲役10年に変更する。そしてレンカ、貴様は言葉通り議員を辞めてもらう。」
 と言った。レンカは、
「ありがとうございます。そして、今までお世話になりました。」
 そう言って、議員バッチを置いて会議室を出ていった。それをクラーンは追いかけた。
「レンカ!」
「どうしたんですか?」
「どうして、あんな事をしたんですか?あんな犯罪者の子どもを庇うようなことを…」
とクラーンは真剣な表情で聴いた。レンカは、
「『故郷を奪われてしまった』貴方の言う意見は正しいよ。でも、私は『あの娘の父親』に頼まれたんだ。」
「何を…」
「『あの娘には、正しい道を歩ませてあげてくれ。』って頼まれたんだ。それに独自で調査した時に、彼らが襲った村は『全て違法麻薬や奴隷商売等』をやっていた場所だった。」
と真っ直ぐな瞳で言った。クラーンは、
「そんな…では私の故郷も…」
と崩れ落ちた。レンカは、
「だから、『無関係な君達』は殺されずに生きてるでしょ。」
と優しい声で言った。そしてその場を立ち去った。クラーンは、その場で自身の不甲斐なさを泣き叫んだ。その後、死刑執行を強制的にレンカにさせ、ポノを刑務所への移動にも同行させた。

 クラーンはポノに真実を話した。ポノは、
「何で…そんな……じゃあ私は…うわぁぁん……」
 と膝から崩れ落ちていった。そして、また泣き始めた。クラーンは、
「私もそれを知って、議員を辞めた。お前ら親子は、やり方が間違っていただけで『正義』を執行していたと思うよ。」
と言い、その場を去っていった。

      三日後
 ヨナギは、都市庁の会議室にいた。そこには、色んな魔物がおり、ベルヘェス、ビルラとアルファの処分について話していた。
「ベルヘェス、ビルラとアルファ、この3体は首謀者であるポノの水晶により操られていた。しかし、生徒とは違い魔法を無効化する術を持っていたにも関わらず使用しなかった。納得のいく説明をしていただきましょうか。」
 と3体に聞いた。3体は、
「いいーー訳等!絶っったいにーーせん!」
「ごも……っとも…じゃから………儂……もせん…」
「私も同じです。無効化しなかったという事実と普段からの訓練が足りなかった。いわゆる自己責任で招いてしまったことです。」
 と潔く認めた。議員達は、
「素直でよろしい」
「処罰はもう決まったな。」
「いつもこうスムーズなら良いのにな~」
と言った。そして議長である魔物が、
「ベルヘェス、アルファとビルラの処分は、『ヨナギの判決』通り自宅謹慎3ヶ月とする。」
とアルファ達に言い渡した。
「「「はぁ?」」」
 と3体は驚いた。アルファは、
「いやいや、我々は議員であるまじき失態をしたのに、その程度なんてありえません。」
 と異議を申し立てた。ヨナギは、
「もちろん、条件付きで認めさせた。」
と口を挟んだ。
「条件付き?」
「あぁ、これは一種の賭けだった。『お前等全員』が素直に罪を認めれば、俺の提案。逆に認めなければ、3体とも議員からの脱退並びにこの都市からの追放だった。」
 とヨナギが補足で説明をした。アルファは、
「どうしてそこまでするんですか?貴方には散々してきたじゃないですか。」
 と言った。しかしヨナギは、
「ただの気まぐれだ。それよりも、これで会議は終わったろ?さっさと帰ろうぜ。」
 とかったるそうに言った。そしてヨナギは、『議員バッチを置いて』一番に会議室を出て、
「これで良かったんだろ?『レンカ先生』」
と空に向かって呟いた。

 一方ショウ達はイマージの門にいた。そして、
「お待たせしました。」
 とレンカが来た。
「本当に良いんですか?」
「はい、学園には事情を話しました。そしたら、『休職にしてやるから行って来い』って言われました。」
「なるほど」
とショウはレンカと話した。すると、
「もう行っちゃうんですね。」
「お、お、おききき、気をつけて、て」
「また、指導してもらえるのを楽しみにしてます。」
とシラン達が声を掛けてきた。そしてその後ろから、クラーンが出てきた。
「レンカ、生きて帰ってきて下さい。貴方を待っている生徒が、沢山いますから。」
「うん!必ず帰ってまた教壇に立つよ!」
と言って、ショウ達とイマージを出た。
 しばらく歩くとレンカが、
「次はどこに向かうの?」
と質問をした。
「今度は『冥獣使いユーズ』を仲間にする。」
「ユーズ君か~久々に会うな~」
と呑気に話していると、目の前に光の球が落ちてきた。そして、
「魔王の子ショウ、貴様をここで殺す!」
と勇者一行が現れた。ショウは、
「こんなにも早く会えるなんて、好都合です。」
と戦闘態勢に入った。
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